コンチネンタルシステム手帳とギロシェ・シスレー

コンチネンタルシステム手帳とギロシェ・シスレー
コンチネンタルシステム手帳とギロシェ・シスレー

美術館などに樂焼の茶碗を観に行くことがよくあります。
どれも観ていて楽しいけれど、黒樂の茶碗を観るのが一番好きです。

作り込み過ぎていないような、もしかしたら作り込んで、作り込んで、これ以上できないくらい手をかけているのかもしれないけれど、手をかけていないように見せるために最大限の努力がはらわれているところに、美学を感じます。
土の状態や、その前の石の状態が連想できるような素材感がのこされた素材感を持っているけれど、粗野であるとか、原始的だと思わせない。
静謐さという言葉は、この黒樂茶碗のためにあると思うほど、佇む姿に存在感があります。
まさか茶碗は作らないけれど、こういうものを作りたいと思いました。

唯一無二の個性を持っていながら、奇をてらわない意匠と色彩ではない、素材をイメージできる色を持っているものを。
そんなふうに思って、ベラゴの牛尾さんの感性と腕を借りて出来上がったのが、コンチネンタルのシステム手帳でした。
それからずっとコンチネンタルにどんなものを組み合わせたらいいかということを考えていました。
ただ、見た感じが良いとか、色が同じというだけでなく、機能も伴っているもの。
いろいろ模索しているうちにコンチネンタルに合った万年筆が見つかりました。
ファーバーカステルギロシェシスレーです。
私はファーバーカステルのペンを盲目的に信じているところがあって、それはデザインが好きだということになりますが、ギロシェシスレーは手帳用の万年筆としての資質を多く備えていて、きっとそのように企画されたものなのだと思っています。
ボディは細めで、コンチネンタルのペンホルダーに充分収めることができますし、ファーバーカステルのクリップにはスプリングが仕込まれているので、スムーズにペンを収めることができる上に、クリップをペンホルダーに挟んでも、ペンホルダーを傷つけにくい。
パッチンと閉める勘合式のキャップは、書いてはキャップを閉じるというアクションを繰り返す手帳の用途にとって有利に作用してくれます。
機能的にギロシェシスレーが手帳用の万年筆としていかに合っているかを挙げましたが、でも本当は、ボディカラー、素材感がピッタリで、ギロシェシスレー取り上げたことを言い添えておかないといけません。