残心-ZANSHIN-シリーズ

残心-ZANSHIN-シリーズ
残心-ZANSHIN-シリーズ

ル・ボナーの松本さんから新しい考え方の革小物のシリーズ、残心(ざんしん)を作るということは今年の始めから聞いていました。
一緒に行ったヨーロッパ旅行でも残心のサンプルをご自身で試されたりしていましたので、私や分度器ドットコムの谷本さんも、今年は残心シリーズを販売するということを意識していました。

松本さんはいつも新しい商品を作ると私たちに見せて反応を確かめて、その思いのたけを話してくれますが、残心のシリーズへの意気込みは今までで一番強いものに感じましたので、一緒に盛り上げたいと思っていました。

一番最初に出た折財布を始め他の商品も、なるべく薄く、軽くした革を最小限の加工でいかに最良の実用性を発揮させられるかを考え抜いたものだと思いました。
職人技というよりも、革の加工を知り尽くした人がたどり着いた境地、無手勝流のようなもの作りを感じました。
独立系の職人さんには、全て自身が手をかけなくてはならないという固定観念みたいなものを持ってしまうものだと思います。
その中でも松本さんは、そんな固定観念を捨てることができた人で、その松本さんの立場が残心を生み出したと言えます。

多くの革職人さんは手をかけることを良しとして、物の美しさや実用性よりもいかに手がかかっているかが語られる物作りを目指しているような気がします。
しかし、残心はそれと真逆の物作りをしていて、松本さんだからこそ成し得たシリーズだと言えるのです。

残心シリーズも協力先の職人集団フラソリティーが製作を担当しています。
企画、設計が命だと言える残心シリーズを陰で支えて、都会的で洗練された革製品という松本さんのイメージ通りのものを量産してくれています。
残心シリーズでは、企画した松本さんの、ご自身のブログでは見せないストイックさが感じられて、そういったことを合わせて考えても非常に面白いと思っています。

私たちとの会話では、仕事に対する厳しさは見え隠れしますが、松本さんはそれをあまり表に出さないタイプの人でした。
新シリーズ残心のようなものを松本さんはずっと作りたかったのではないかと思っています。
しかし、残心シリーズの中にもブログで見る松本さんらしさは表れていて、例えばキーケースやコインケースに使われている金具を海外のその分野では一流と言われているメーカーのものを採用して、物としての面白みを追加していたりしていたりしています。

残心シリーズの核となるのは、やはり折財布です。
とてもシンプルで、小さく薄い財布で、ここにカードも3枚収納することができます。
休日など、いつも持ち歩く財布が大きいために鞄を持たざるを得ないと言う人もおられると思いますが、残心の折財布ならポケットに入れてもかさばりませんので、休みの日の財布としても使うことができると思います。

また、コインケースと折財布を組み合わせることで、一つの財布として使うこともできます。
折財布、キーケース、コインケースを現在発売しておりますが、今後は名刺入れ、ブックカバー、A7手帳カバー、長財布、ロディアメモカバー、ロールペンケースと続きます。

究極のシンプルさと物好きの美学、そして組み合わせて使える子供の頃のおもちゃのような楽しみまで、残心のシリーズは持ち合わせています。