ペリカンM101Nトータスシェルレッド

ペリカンM101Nトータスシェルレッド
ペリカンM101Nトータスシェルレッド

ペリカンのビンテージ万年筆の限定復刻シリーズ「M101Nトータスシェルレッド」が入荷しました。
入荷数が少なく、EFに関しては次回入荷(11月)までお待ちいただく状況になっています。申し訳ありません。

この万年筆を見て私は赤インク用の良い万年筆が出たと思いました。
赤インクは、他のインクに比べて粘りがあるのか、色を変えたとして、いつまでも万年筆のどこかにあって次に入れたインクに混ざって出てくるようなところがあります。
また付着しやすくもありますので、色が目立つペン、例えばペリカンでしたらM400ホワイトトータスのようなペンは赤インクには適さないと思っています。

その点、キャップ、首軸、尻軸が赤色のトータスシェルレッドでは、赤インクでも全く気にならないと思いましたし、ブラウンの窓も赤インクが気にならない仕様です。
赤色のインクと言っても色々な色があって、それについての好みは本当に人それぞれだと思いますし、インクとして私は最も面白い色種だと思っています。

私の赤インクの好みをいくつかお話させていただくと、まずパーカーのレッドが血のような赤で最も印象的だと思っています。
プラチナの赤は、最も採点ペンらしい赤色で、私はこの色を見るとノスタルジックな気分になります。
それはピンク色とも言える色で、あんまり赤々とした色で採点したくなという心優しい先生方に重宝されています。
手紙など文字も書きやすい赤色になると、私は少し暗めの色の方が使いやすいと思っていて、それにお勧めなのがWRITING LAB.のオリジナルインク オールドバーガンディです。

さすがに採点には使う感じではありませんが、落ち着いた深みのあるバーガンディカラーの手紙はなかなか粋な感じがします。
エルバンのトラディショナルボトルインクは、赤インクの宝庫で、ピンクからボルドーまで様々な赤インクがあり、色見本を見ていても楽しい。
赤インクを探している人は、まずエルバンのトラディショナルインクを検討してみて下さい。
ペン芯の性能が高く、インクの性質の影響を受けにくいペリカンだから、様々なインクを試すことができます。

少しくすんだ赤色のキャップ首軸、尻軸で、年月を経てきたような飴色を再現したボディの独特の色合い。
ビンテージの復刻という遊びの趣向をペリカンはこのトータスシェルレッドで強めたように思います。

トータスシェルブラウン、リザードでは無難に、手堅く現代風にそれを表現していたけれど、トータスシェルレッドではなかなか遊んでいて、賛否両論分かれる予感がしています。
でも、ペリカンのそんな遊び心を私は「おもしろい」と思っています。
私が店で何かを実行するかどうかを判断する時、「おもしろい」かどうかは最も大切な最優先するべき要素だとしているので共感できるのかもしれません。