リスシオ・ワンルーズリーフ新発売

リスシオ・ワンルーズリーフ新発売
リスシオ・ワンルーズリーフ新発売

A4サイズのルーズリーフを仕事で使い始めました。
毎日のことはダイアリーに時系列で記録していきますが、いくつかの長期企画が同時に進行すると、ダイアリーだけでは収拾がつかなくなってしまいます。
思いついたり、やろうと決めた時に書いて、それをまとめておくものの必要性に迫られました。
ノートを1冊別に作るという方法もありますが、荷物が増えて仕方ありませんでしたので、ルーズリーフを使うことにしました。

私にとってルーズリーフの良いところは、資料なども穴を空けて収容することができることと、パソコンで無地のルーズリーフに独自のフォーマットを印刷して使うことができるということでした。
まだパソコンが身近にない時、方眼のシステム手帳のリフィールに線を引いてオリジナルフォーマットとして使っていて、その作業が楽しかったのを思い出します。
自分の頭の中を整理するためのフォーマットをイメージして、エクセルで作っておけばとても便利で、これは趣味になり得ると思っています。
また書くスペースがA4サイズになったため、1枚で見渡せる範囲が広くなり、それも良い効果を生んでいます。

書き込むのも細字の万年筆でなくてもよくなり、中字や太字を使うこともできるようになりました。
鞄を大きくしたり、机を占有する面積を大きくする勇気が出せれば、紙は大きい方が良いと思います。
ルーズリーフは学生以来使ったことがなく、社会人になってからは便利だと分かっていながら、黙殺してきましたが、それはルーズリーフは学用品で、社会人はシステム手帳などを使うのがカッコ良いと思っていたのかもしれません。
学生時代に使っていたルーズリーフですが、少しは物が分かるようになった今使うと、いくつかの不満点がありました。

まずバインダーです。
メーカーもルーズリーフは学生のものと考えているのか、私がこれを使いたいと思えるバインダーがなかなか見つかりません。
せめて本革のものを使いたいと思っていましたが、プラスチックのものばかりで、あってもビニールのような合成皮革のものが関の山でした。

もうひとつは紙質です。
今最も多く使われている筆記具であるゲルインクの性質に合わせてあるのか、万年筆で書くと文字が異常に太くなったり、書き味が重かったりと気持ち良く書くことができません。
いくつか買って試してみましたが、一番いいと思えるものでも気持ちよく書けるではなく「不満なく書ける」という程度でした。
書きやすい紙のルーズリーフが欲しいと、大和出版印刷の多田さんに働きかけてみると、多田さんもルーズリーフについては考えておられたようで、すぐに商品化してくださることになりました。

A4サイズ30穴の万年筆でとても書きやすい紙、リスシオ・ワンを使ったルーズリーフが発売になりました。
A5サイズ20穴も今後発売予定です。

オリジナル万年筆 セレネ初回ロット完成

オリジナル万年筆 セレネ初回ロット完成
オリジナル万年筆 セレネ初回ロット完成

先日、当店オリジナル万年筆セレネの第1回目のロットが完成しました。

2007年の当店のオープン当初からオリジナル万年筆のご要望はいただいており、課題としてずっと持ち続けていました。
私としても早くオリジナル万年筆を作りたいという想いもあり、焦る気持ちもあって色々なものを考えました。実際にいくつかの作り手の方と話をしたこともありますが、なかなか実現しませんでした。

しかし、昨夏イタリアマーレン社からのオリジナル万年筆制作の打診を受けて、やっと実現へ向けて始動したのでした。
今までいくつかのオリジナル企画を担当してきて、こういったもののデザインは芸術的な感覚の鋭い人がするべきだと感じていましたので、当店のスタッフKにデザインを任せました。
万年筆の仕事に長く居座っている私ではなく、万年筆を何よりも好きな女性がデザインを担当したことで、セレネの企画はマーレンの個性と相まって、月の女神の名に相応しい少しだけ控えめな美しさを持ったものになりました。
モノトーンの色合いの万年筆ですが、アイボリーカラーの部分からは月の光を感じることができますし、キャップとボディの中心に配されたシルバーのリングは繊細になりすぎてしまいそうなこの万年筆を少しだけ強い存在にしています。

ペン先は女性的な印象のセレネのイメージからすると大きすぎるように感じられるかもしれませんが、この大きな18金ペン先によって柔らかいと感じることのできる書き味を持っています。

セレネで当店が思い描いたのは、毎日の仕事や家事で疲れた時にも元気になれたり、癒してくれたりする、味方のような存在でした。

万年筆は書くための道具ですが、書くためだけならもっとシンプルで安価なものがありますし、100円のボールペンでも字を書くことができます。
万年筆を使うということに、書くだけでなくそれ以上のものを感じていただきたいと常々思っていました。

セレネにはシリアルナンバーが刻印されていて、私たちはそのシリアルナンバーを記録することで、皆様とそれぞれのセレネの出会いを残していきたいと思っています。

ペンをただ買っていただくだけでなく、そのペンを使う人とそのペンとの出会いの場面も演出したいというのが、Pen and message.という当店の名前の由来のひとつですが、シリアルナンバーの刻印もこういった気持ちの表れです。

また、今回のセレネ完成に合わせて、カンダミサコさんがセレネ専用ペンケースを作ってくれました。
内側の窓にクリップをはめ込んで固定して巻く独特の構造で、外側を硬めの丈夫な黒革、内側はとても柔らかい白い革で、セレネ同様モノトーンに仕上げてくださいました。

巻き上げた姿は昔の文にも似て、優美さを感じさせてくれます。

セレネは限定品ではなく、定番として今後も作って行きたいと思っています。イタリアとのやりとりなので納期がなかなか決まらない場合がありますが、決まり次第ご連絡させていただきたいと思います。

現在は次回ロットの納期を確認中です。ご予約いただいておりますお客様には確認でき次第ご連絡させていただきます。
インターネットからご予約いただけますので詳細は下記よりご覧下さい。


机上のヌシ

机上のヌシ
机上のヌシ

ずっと原稿用紙を使いこなしたいと思っていました。

作家の原稿用紙を見たことがあります。相当なスピードで書いたはずですが、そこには堂々とした腰の据わった文字が書かれていて、時々挿入や朱色で訂正がされてたりして、とても格好良く見えました。

私は文章を仕上げる時、まずノートに万年筆で下書きをして、それを見ながらパソコンで打ち込みます。そのため原稿用紙を使うことがなく、たまに使ってみてもなかなかサマになりません。
今回はそんな原稿用紙に使いたくなるような、超実用と言える万年筆のご紹介です。

万年筆を使っていくうちに、デスク用のフルサイズの万年筆(ペリカンM800やモンブラン146などのように、筆記に対する長さやバランスが良いとされるサイズ)を使ってみたくなる方が多いようです。

それらはボディが大きくて、持ち歩きには不便ですが、手にした時に感じる重量感、存在感、頼もしさはこのサイズならではの醍醐味です。
移動の多い仕事中や、外では使いにくいかもしれませんが、書斎の机のヌシとなりうる万年筆のご紹介です。

万年筆にとっての黄金バランスは重さ30g、直径13mmと言われています。
軽すぎると紙にペンを押し付けようとして、力が入ってしまいますし、重すぎると手が疲れてしまいます。細すぎると握りにくく、太すぎると握るどころではなくなります。
このサイズの万年筆は種類も多く、ペリカンM800という代表的なものもありますが、机のヌシと言えるようなもののひとつが、パイロットカスタム845です。
派手さや斬新さのない、とてもシンプルでありふれたデザインでありながら、その設えはとても凝っています。

両切り型(ボディエンドを平らにしたスタイルのもの。モンブランのようなエンドが円錐になったものはバランス型と言ったりします)で、非常にオーソドックスなシルエットを持つ万年筆ですが、ボディ素材にエボナイトを採用しています。
エボナイトは削り出しの技術が必要で、大量生産に向かない素材ですが、質量が軽く、プラスチックと同じ大きさでも軽くできますし、熱の伝わりが緩やかですので、長時間握っていても内部が暖められてインクの出が多くなるようなことがありません。

万年筆のボディとして理想的な素材と思えるエボナイトですが欠点もあって、そのままでは湿気や紫外線で茶褐色に変色してしまうのです。そこで表面に漆を塗ることによって変色を防いでいます。

漆を塗るということは、エボナイトの変色を防ぐ以外にも、独特の深みのある光沢と感触の良いしっとりとした手触りをもたらしました。
一見すると他の万年筆と同様にプラスチックに見えますが、実は漆塗りという最高級の仕上げの技術が使われているというところに日本的な美学をこの万年筆から感じます。

パイロットはエボナイトに漆を塗って変色を防ぐ技術を80年以上前に確立していて、プラスチック製の量産万年筆がほとんどのこの時代に定番モデルとしています。

細かいことですが、カスタム845のキャップの内側には薄いフエルトが貼られています。
これはキャップを尻軸に差した時にボディに傷をつけないということと、キャップを安定させるための配慮です。

カスタム845のように、派手さはないですが、上質な実用性を持たせるために作り込まれた名作万年筆を机上のヌシとして、楔のペントレイにのせて、原稿用紙に向かうのもなかなか楽しい一人の夜の過ごし方だと思っています。
何を書くかは決まってなくてもいい、カスタム845と原稿用紙があれば夜の机上で何かが起こる、そう思わせてくれる万年筆だと思っています。

⇒カスタム845

机上の充実 思考の時間

机上の充実 思考の時間
机上の充実 思考の時間

ゴールデンウィークでのご家族との時間も楽しくて良いものですが、万年筆を愛用していて書くことの楽しさを知っておられる方は、一日が終わった時の一人で思考する机上の時間を取り戻すことができたことに、ほっとされている方も多いかもしれません。

一日の終わりの机上の時間が充実していれば、日常生活に潤いが出来て、疲れが蓄積することもありません。
あまり良いと思えない一日を過ごして、気持ちがクサクサしていても、その時間を有意義に過ごすことができれば、気持ちが晴れて、毎日をリセットするのに役立つと私は思っています。

机上での思考の時間を充実したものにするために、ご自分のデスク周りの装備に凝ってみるのも楽しい工夫で、それを考えること自体楽しい作業です。

今から10年前、私は引っ越しを機会に久し振りに自分の机を持つことができました。
独身の時の机は散らかり放題で、机の上に物が積み重なっていて平らなところが全くないという有様で、机周りを充実させたいという気持ちはありませんでした。
しかしその時は、万年筆を使うようになっていましたので、机上空間への憧れは強く、夢のマイホームならぬ、夢のマイデスクを手に入れたことで、文房具を色々揃えて、使わないものまでも装備するようになりました。
また、それらを買い集めることもとても楽しい、休日の過ごし方でした。

当店では思考するための道具をなるべく揃えたいと思っていますが、それはその時に机上周りを充実させて、思考の時間を楽しく充実したものにしたいという気持ちを覚えているからです。

コンプロットミニ(名称変更の予定あり)は、名刺などのカードを入れておくための机上用名刺入れとして作られたものです。

来客をご自分のデスクで迎えるような方には、一味違った名刺入れとして活用していただけるものですが、プライベートな使い方としては、机上でよく使うクリップなどの小物や、小さくて収納に困るけれど、たくさんあればとても便利なポストイットなどをまとめていれておくのにとても便利です。
万年筆のカートリッジインクなどもかっこよく収納でき、これを使いたいために、両用式の万年筆をカートリッジで使いたくなるかもしれません。

B8サイズの情報カードを使われる方は情報カードを入れるボックスとしても使うことができて、プラスチックのボックスを使うよりも、机にそのまま置いておいてもサマになる佇まいが私は気に入っています。

同じ工房楔の銘木定規、カッターナイフもご自分の机上の装備を充実させるのに、とてもお役に立てるものです。
どちらも文具店や100円均一で売られているもので用は足りますが、よく使うものほど、面白みのある、凝ったものを使いたいと思い始めるのは、皆様も同じだと思います。

カッターナイフなどは非常のよく使う道具ですが、事務的なものしかなく、木のハンドルが付いた銘木カッターナイフのようなものを長年探していました。
まさに探していたものと出会ったと思いました。
木の定規も同様で、骨董に近いもので木製の面白いものがたくさんありますが、最近では竹尺しかありませんでした。

ちょっとものを計ったり、線を引いたりするたびに顔がほころぶものだと思います。
思考の時間をより楽しく、心豊かなものにしてくれる、机上の装備を充実させることは当店の想いでもありますので、これからも追求していきたいと思っています。