美しい文字が書けるペン パイロットシルバーン

美しい文字が書けるペン パイロットシルバーン
美しい文字が書けるペン パイロットシルバーン

毎月第1金曜日の夜7時から9時までお店の営業時間を延長して、堀谷龍玄先生を講師に招いてペン習字教室を開催しています。
当然私も参加していて、2時間真剣に美しい文字を書こうと自分なりに努力しています。
先生が用意して下さったその時々の時候に合った課題をお手本に、A5サイズの5mm方眼ノートに練習して、最後に清書しています。

途中、書ける度に先生に見ていただいて、添削を受けます。
教えていただいた文字はコツのようなものが分かるので、今までよりもきれいに書けるようになってきます。

教室に参加している人は皆(毎回同じメンバーではないので皆様お気軽にご参加ください)万年筆にはこだわりがかなりあって、それぞれの「最も美しい文字」が書ける万年筆を使っています。
最もバランスが良いペリカンM800はさすがで、これを使っている人は多いかもしれません。
でも自分が持っている万年筆の中で最も良いと思うもので美しい文字を書きたいというのが人情で、10万円を超えるような高価な万年筆を使っている人も中にはおられます。

ペン習字用の細字の万年筆を6本用のペンケースに入れておられる方もいて、皆さん道具も凝って、楽しもうとされているのがよく分かります。

私はいろいろなものを使ってみて、ペン習字に最適なものを探していましたが、最近はほぼ固定してきて、パイロットのシルバーンを使うようになっています。
私にとって、今はパイロットシルバーンの細字が一番きれいな文字が書けると思えるからです。

力の入れ具合やペン先の向きで線の強弱がつけられる柔らかめのペン先が一番ペン習字に合っていると思うし、キャップを尻軸につけた時の入りが深くバランスが良くて、ペンを寝かせても立てても書きやすいところもきれいな文字を書くのに向いていると思っています。

シルバーンは両エンドがかなり絞り込まれたデザインになっているため大型のコンバーターを使うことができませんが、カートリッジインクで使う方がこの万年筆の場合、向いているのかもしれません。

コンプロット10に並べた万年筆にこうやって、役割を与えて楽しんでいるようなところもありますが、道具を選ぶこともペン習字の楽しみになっています。

次回は2月3日(金)です。
まだ参加されていない方もぜひ一度参加してみてください。

参考 ⇒パイロットシルバーン万年筆

オリジナル万年筆 「 Cigar 」

オリジナル万年筆 「 Cigar 」
オリジナル万年筆 「 Cigar 」

Pen and message.として何か商品を企画する時、そのものだけでなく、精神性のようなものをそのものに込めたいといつも思います。
それは私自身がそういうものに惹かれるからでもあります。

ただのモノならすでにたくさん世の中に出回っている。
この店でないと作れないもの、この店の想いが込められたものが、オリジナル商品の理想だと思っています。
どこからか無理やり引っ張ってきたコンセプトやテーマはあまり楽しくないし、マーケティング理論を駆使するつもりもない、企画者である私自身が心から欲しいと思う商品を作ることがこの店にしかできないことなのだと思います。

私は40歳を過ぎた辺りから黒に金の万年筆に惹かれるようになりました。
黒いボディに金の金具でもいいですが、黒いボディに金のキャップが最も魅力的に感じる組み合わせです。
30歳代のついこの前まで、金のものなんて考えられなかったのに、好みというのは齢によって劇的に変わるものなのだと思いました。
黒と金、そこに私は最近そうありたいと思う、最も男っぽいモノを見たのだと思います。

10数年前までのペンのカタログには黒に金のペンがたくさんあって、各メーカー必ず黒いボディに金のキャップの男っぽいものがありました。
しかし、最近ではそういったものが消えていて、色鮮やかなものが大多数を占めるようになり、男性のもの、女性のものという区別がなくなってきたと思っています。
それはペンだけに当てはまるのではなく、他の分野でも同じようにモノはだんだん中性的になっていったように感じます。

男っぽさなどの言葉は何か時代遅れの言葉になってしまったように、黒金の万年筆も時代遅れのものになってしまった感があります。

でも時代遅れだからこそ作りたいと思いました。
「Cigar」という言葉には、そんな時代遅れの男のモノという意味を込めています。

オマスの日本代理店インターコンチネンタル商事のK女史がオマスとの交渉役をして下さり、当店の希望から、以前にどこかの国のオリジナルで作ったことがあるスターリングシルバーのキャップに金張りをして、バーメイル仕様にしてもらえることになりました。

そういった経緯もあって、3本のキャップリング、控えめな大きさのクリップ、グレカパターン入りの首軸のリングなど、「Cigar」には、アルテイタリアーナリニューアル前の旧型のパーツが使われています。
ボディ裏側には「ペンは生き方を変える」という言葉をイタリア語で素彫りしています。

私自身がそうでしたが、万年筆を使うことで本当に人の生き方が良い方向に変わると思っています。
万年筆店を始めたのも、私のように万年筆によって人生が良い方向に変わる人を増やしたいと思ったからなので、この言葉を彫刻するのも当店らしいと思いました。

オマスには一昨年、ルボナーの松本さんと分度器ドットコムの谷本さんとボローニヤの本社を訪ねていて、特別な縁や親近感を感じていましたので、オリジナル万年筆をオマスに作ってもらいたいと思っていました。

オリジナル万年筆「Cigar」は3月に完成予定です。
ご予約をご希望してくださる」方は大変お手数ですが、メール(penandmessage@goo.jp)
にお願いいたします。

*画像は合成画像のため、まだ商品はございません。ご了承下さい。

工房楔の新作 マンハッタンボールペン

工房楔の新作 マンハッタンボールペン
工房楔の新作 マンハッタンボールペン

ボールペンは他の筆記具よりもお仕事で使う機会が多いと思いますので、気に入ったものにすると書くことが楽しくなり、仕事時間を楽しくしてくれると思います。
私も万年筆だけではなく、ボールペンにもこだわってたくさんのボールペンを使ってきました。
ボールペンにこだわると海外のものが多くなり、それらの多くは尻軸を回転させて芯を出すツイストノック式で、それがもはやボールペンのメカニズムとして当たり前になっていました。
しかし、ボールペンでもシャープペンシルでもノックボタンを押して芯を出す、ノック式の方が直感的でスピーディーに芯を出すことができるので、ノック式ボールペンの方が使いやすいと内心思っているのは私だけではないと思います。

直感的な動作のノック式のボールペンですが、所有欲を満たすものは意外と少なく、私の知る限りではラミー2000、カランダッシュエクリドール、アウロライプシロンなどあまり選択肢はありません。
工房楔の永田さんは、おそらくそういったことも踏まえて今回の新作ボールペンではノック式にこだわっていました。

こうして完成した現物を手にとって使ってみると、工房楔の素材をそのまま削り出したプリミティブな仕上げには豪快ささえ感じられるノック式の方が似合うのかもしれないと思っています。

ノック式の使いやすさと、使い込んで変化して手に馴染んでいく銘木の軸の組み合わせ。
マンハッタンボールペンは、まず自他共に最も楔らしいとする素材「花梨」でスタートしましたが、今後他の素材でも作っていく予定になっており、楔のボールペンでは回転式のパトリオットボールペン、ジェントルメンボールペン、ノック式のマンハッタンボールペンという3種類の中から選ぶことができるようになりました。

マンハッタンボールペンの芯も、最も標準的で多くの種類が発売されているパーカーサイズになっていますので、芯をいろいろ入れ替えて、好みの書き味に近づけるなどカスタマイズしやすくなっています。

最近では、インク粘度が低いデュポンディフィの芯が人気があります。

今までのボールペンよりも筆圧が軽くてすむため、万年筆をいつも使われている方には力を入れないと書けないボールペンに対するストレスがかなり軽減されるものですので、まだ試されておられない方はぜひお試しください。

太軸で握りやすいマンハッタンボールペンと滑らかで軽く書くことのできるディフィ芯の組み合わせは万年筆ユーザーにこそ愛用していただきたいものだとお勧めします。

*現在、発売と同時に品切れが多くなっています。入荷予定もございますので、順次ご案内させていただきます。

ペリカンM320パールホワイト

ペリカンM320パールホワイト
ペリカンM320パールホワイト

昨年末ペリカンからとてもきれいな限定万年筆が入荷しました。
M320パールホワイト。トリュフボックスのようなケースに小さなM320とチョコレート色のインクが入った専用インクボトルと小さなブロックメモが収められ、粋な演出がされています。

このM320パールホワイトはペリカンの最も小さな万年筆M300をベースとしています。
M300はペリカンらしく吸入式の緑縞のボディの男性がポケットに差したり、手帳のペンホルダーに差して使うような印象の万年筆で、M800などのそのまま縮小したような面白いミニチュア的な万年筆です。
しかし、男性の手には小さめのこの万年筆も女性の手にはミニチュアではなく、手帳などに日々使っていただける実用的なものだと思っています。

男性である私も昨年からM300を使っていますが、その味わい深い書き味、ベストなどの浅いポケットにも差せる小さなボディの便利さなどから、おそらく現行品の中で最も小さなこの万年筆の信奉者になりました。

書くためにはある程度大きなボディの方が手が疲れないし、ペン芯のインク容量も多く早書きにも向いているので、レギュラーサイズの万年筆ばかりに目を向けていた私にとって、意外な実力を発揮したわけです。

万年筆を日々販売していて、女性のお客様に万年筆をお勧めすることが多々あります。
今までいくら軽くて小さなボディだからといって、定番品の緑縞M300をお勧めすることはありませんでした。
それはやはりM300には男性のためのミニチュアペンという雰囲気が色濃くあったからです。

女性にお勧めする万年筆は、サイズが小さい・重さが軽い・色が華やか、だけでは何か足らず、雰囲気を持っているということが最も大切な、そして気に入っていただける条件だと思ってます。そしてM320パールホワイトにはその雰囲気が備わっていると思います。

ペリカンの限定品は、ボディの素材、色を変えることで万年筆はこんなにも印象が変わるのかといつも驚きます。
先に発売されている同じく限定品のM600グリーン・オ・グリーンとともに、象牙色の専用ボディを持つM320パールホワイトは、ペリカンが長い年月をかけて練ってきた実用的に完成された部分と華やかさ、雰囲気が合わさったとても魅力的な万年筆だと思っています。