大和出版印刷「orissi (オリッシィ)」 発売

大和出版印刷「orissi (オリッシィ)」 発売
大和出版印刷「orissi (オリッシィ)」 発売

ドップリとその世界の中にいると、一方向からしか物事を見なくなってしまい固定観念に囚われてしまうことは、今まで何度も経験してきました。

でも意識的に見方を変えるようにしても、それにはなかなか訓練が必要なことだと常々思っています。
私たちに与えられた材料は限られていて、それを同じ切り口から切っているとマンネリ化してくる。
でも同じ素材でも切り口を変えると新しいものになる、それが今回新しく大和出版印刷が神戸派計画というブランド名で発売したメモ帳「orissi」(オリッシィ)を見て改めて思いました。

orissiは買い物メモに特化したメモ帳です。
その特長は見てお分かりいただけるようにページ左側のギザギザです。
このギザギザは罫線の高さと合わせてあって、書いたリストのものを買い物カゴに入れたら(購入したら)、ペンで消しこんでいくのではなく、左の山を折っていく。
出先でペンを持っていなくても、印をつけることができるという、たいていはペンを持っている私たちには思いつかないアイデアが込められています。

万年筆店を営む者として、いかに多くの人に万年筆を使っていただこうかと日頃考えていますので、こういうペンがないことが前提のものは絶対に思いつきません。
でも実際、買い物に出た時にペンを持っていることはもしかしたら少ないのかもしれません。
メモ帳を仕事で使うことばかり考えてきましたが、もっと日常に使えるものも必要だと思います。また、万年筆を愛用されている旦那さんがペンに興味のない奥様にお土産で買って帰っていただけるものが当店にあってもいいと思っていましたので、当店のお客様とはターゲットが全く違うけれど、この orissi とても面白い思っています。

万年筆でとても書きやすいリスシオ・ワン紙を使用した製品を発売して、紙製品メーカーとして名前が知れ渡り始めた大和出版印刷が、メーカーとしてさらなる魅力作りを図ってデザイナー菅原仁氏に協力を仰ぎ、生まれたのが「神戸派計画」というブランドです。

先に発売されたリスシオ・ワン紙を使用した実験的な試みの白罫線のノート「CIRO」に続いて発売されたのが、これも実験的な試みだと思うけれど、ペンを持ち歩かない人がターゲットになっている「orissi」。

常に前に進むことを考える大和出版印刷の姿勢が現れている企画で、私個人としては、切り口を変えて考えることを改めて思い出させてくるれものだと思いました。

⇒神戸派計画「折ってチェックするメモorissi(オリッシィ)」