大人になったら選びたくなるペン~アウロラ88クラシック~

大人になったら選びたくなるペン~アウロラ88クラシック~
大人になったら選びたくなるペン~アウロラ88クラシック~

88クラシックというのは日本でのカタログ名称で、イタリアでは801オッタントットと呼びます。
でもずっとアウロラ88クラシックと呼んできましたので、ここでは88と言うことにします。

先日発売の趣味の文具箱vol.38で88クラシックについて書きました。
店を始めてしばらく経ってから、自分でも、商品としても大切にしてきたペンでしたので、何か万年筆について1本選んで書くということになると、88を選ぶことが多いかもしれません。

88クラシックは黒ボディに金キャップという、今では唯一と言えるようなオールドスタイルなデザインで、そういうところを私は特に気に入っています。
しかし、本当は好みがとても分かれる癖の強いデザインなのかもしれません。
私は40歳すぎまでアウロラと言えば、マーブル模様が大変きれいな上品な華やかさを持ったオプティマがイメージで気に入っていました。

金色の金具はおじさん臭いと偏見に凝り固まっていて、金への抵抗があり、重厚な88クラシックを選ぶという選択肢を全く持っていませんでした。
それは多くの男性が直面する、自分はおじさんにはならないぞという若さへの固執が、金を遠ざけていたのかもしれないと思います。
しかし、歳をとってきて、自分がおじさんということを認めざるを得ないようになると、黒いボディに金キャップのペンが、昔ながらのスタイルのとても堂々としたペンだと思うようになり、金キャップのペンをなるべくなら選びたいと思うようになりました。

本当に好みは加齢とともに変わるものだと思いますが、私もやっと大人になれて、大人に相応しい万年筆である88クラシックを選ぶことができたのだと思います。
最近、男女差で話しを進めることが何となく時代遅れのようになっていて言いにくいですが女性の方の方が年齢に関係なく、きれいなペンとして88クラシックを抵抗なく選ばれる傾向にあるようです。

88クラシックを使ってみて知ったのは、太軸(最大径14mm)で軽め(23g)のボディがとても使いやすいということで、長時間書いていても疲れにくいということでした。
弾力が強めのペン先も安心して筆圧をかけることができますのでそれも疲れにくさに貢献しています。
金キャップばかり気にしてきましたが、88の特長はそのひっかかりのない滑らかなフォルムで、それが数字の8をモチーフにデザインされた88という名前の由来で、モンテグラッパエキストラオットーも8をモチーフにデザインされていますが、それは八角形のボディで、その違いが面白いと思っています。

8月(予定)に88の限定品が発売されます
20数年前に発売されたソーレは、3年ごとに発売されるオプティマベースの限定万年筆で、当時鮮やかなオレンジ色の万年筆というのはあまり目にすることがありませんでしたので、鮮烈な印象を持ちました。
今ではオレンジ色の万年筆も少し増えてきましたが、88の色付きのモデルは珍しいと思います。
ペン先は定番品の14金と差別化されて18金でEF、F、M、Bとあります。限定888本、105,840円(税込)です。ご予約、承ります。