WRITING LAB. サマーオイルメモノート

WRITING LAB. サマーオイルメモノート
WRITING LAB. サマーオイルメモノート

「1億3千万人のための小説教室」(高橋源一郎著)という本を読んで、書くことを学ぶことは、考えることを学ぶことだと改めて認識しました。

書くことは考えることであり、考えなしでは書くことはできない。
この本では具体的な方法はないけれど、なるべく易しく丁寧にアイデアの捉え方から、文体の確立の仕方、参考にするべき小説の紹介までされています。
小説を書こうと思っていない人でも大変参考になる本だと思っています。
書く前に自分の視点(切り口)についてじっくり考えてから書くようにというアドバイスはとてもよく分かります。
自分が題材にしたいと思うものを前に置いて(イメージ)、どうやって切り取ろうかを考える。
ご飯を食べながら、お風呂に入りながら、時には考えながら寝て。

考え続けると、自分が書いてみたいと思える切り口が見つかることもありますし、見つからないまま真ん中から切らなければいけないこともあります。
でも面白い切り口が見つかった時は書くことが楽しくて仕方ない。

それはどこで見つかるのか分かりませんが、私の場合電車に乗る前やバスを待っている時のことが多く、そんな時にはポケットから万年筆を出して、コートのポケットや鞄に入れた愛用のメモノートを出します。

あまり高級ではない紙と土台の4mm厚の革、表紙の薄い革を革紐で綴じただけのとても簡単メモノートですが、今まで使ったメモ帳の中で最も使いやすい。
私のメモを探し求める旅もやっと終わったと思っています。

このメモノートの名前サマーオイルとは、土台に使っている厚い革の名前です。
とても手触りと色合いの良い革で、駒村氏に連れて行っていただいた大阪のハシモト産業さんでこの革を見せていただいた時、一目惚れしたほど質感の良い革です。
この革に出会ってぜひ今回のメモノートの土台に使いたいと思い、薄くしなやかでめくり易い表革を選んで、ハシモト産業の元JリーガーKさんの迅速な協力もあって完成しました。

中紙はあまり質にこだわらず惜しげもなく使えるものが良く、極端な話チラシの裏が理想という私たちの意向を大和出版印刷の多田さんが汲んで下さり、印刷で出た余りの紙(ヤレ紙)というものを用意してくれました。
もちろん筆記には何の支障もありません。

私の使い方は中紙を重たいくらいに厚く綴じて書きたいことをどんどん書いていく。
中身が減ったら革紐を締めなおす。
書いて、パソコンやダイアリーに清書したら破って捨てていくようにしています。

ノートなら書いたことで満足してしまう私ですが、このメモノートなら書いただけで満足することがなく、何とか完成させたいと思える。

とてもシンプルでひねりのないものですが、何か書きたい気持ちにさせてくれて、書きたいと思った時に書くことに集中できるメモノートになりました。
万年筆を道具として愛用されている皆様にぜひ使っていただきたいと思っています。

*近日中にホームページでご紹介させていただきます