ペンを1本だけ持って出る

ペンを1本だけ持って出る
ペンを1本だけ持って出る

毎朝、出かける時にその日使う万年筆を1本だけ選んで、ペンケースに入れて持って出ます。
それぞれのペンにイメージの合うインクを入れていますので、その日はその色だけで書き、毎日違う色のインクで書くようになりました。
とてもささやかだと思われるかもしれないけれど、今日はどんな日になるだろうと期待しながらペンを選ぶことは楽しみのひとつになっています。
店なので、誰が来られるか分からない。どんな一日になるのか分からない。
朝、その日一日に希望を持たなかったことはなく、昨日よりも今日の方が良くなるといつも夢を抱いて店に出てくることを10年以上しています。
その日一日への願いをペンにかけているようで、少し恥ずかしいですが。
1本だけ万年筆を収納するペンケースは世の中にいくらでもありますが、こういう使い方なら、頑丈に中身を守ってくれるものを選びたい。

当店ではル・ボナーの絞りペンケースと、イル・クァドリフォリオが製作しているペンケースSOLO、そして工房楔のコンプロット1がその用途にお勧めで、逸品揃いだと思います。
カンダミサコペンシースもペンを1本だけ持ち運ぶものですが、このペンシースの場合は万年筆それぞれの専用ケースとして存在していて、持ち運ぶときは出し入れせずにペンシースごと持ち運ぶ感じ。数が必要になるけれど、便利な使い方だと思います。
ル・ボナー絞りのペンケースは使い込むと艶が出てくるプッテーロ革の魅力が特長です。
革用ブラシで磨くと細かい粒が立ったようなキラキラした表面になり、その美しさに愛着がますます湧きます。
ペンケースSOLOの硬さは、ペンを守ってくれる安心感があります。
色付け加工による濃厚な色合いは海外のペン、特にイタリアのペンの華やかさにも負けない個性の強さを持っています。
ル・ボナーペンケースでペリカンM1000まで、SOLOでM800まで(指で少し抑えて楕円にして入れるとM1000も入ります)の太さのペンを収納できますが、コンプロット1はさらに太いモンブラン149まで収めることができます。
それぞれの素材の木目や杢をデザインとして見て、好みに合う杢を選んで欲しい。

今、夏の旅の季節で、私も来週ちょっとした旅に出るけれど、旅で見たものに刺激を受けて、自分がどんなことを書くこのかいつも期待している。
この旅でも万年筆 を1本だけ選んで、旅先のホテルで夜、ノートに何か書く
ことができたら、それ以上の楽しみはありません。
そんな旅にも期待して、1本差しの ペンケースに収める万年筆を選ぶことも、旅の楽しみの一部なのだと思っています。

*2018年7月30日(月)~8月3日(金)まで夏季休業とさせていただきます。この期間中のWEB発送・お問い合わせの返信は、8月4日(土)より順次させていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

関連記事