クロム鞣し(なめし)の革

今人気のある革は、磨いたり使ったりするうちに艶が出て、比較的短期間で劇的なエージングをするものです。

使い始めた時はマットな質感の革が、どんどん艶が出てきて膜が張ったようになってくると、愛着が湧いてきていいものです。そういう革は自然の渋でなめしたタンニン鞣しのものが多い。

それに対して科学的な薬剤でなめした革は「クロム鞣し」と言って、タンニンよりも早く鞣すことができるし、以外にも環境に優しいため今ではほとんどの革に「クロム鞣し」が採用されています。当店でも多く扱っているシュランケンカーフもクロム鞣しになります。

クロム鞣しの革は変化がゆっくりで、長くきれいな状態で使うことができます。傷や汚れがつきにくく、水に強く、扱いやすいのもクロム鞣しの革の特長です。

タンニン鞣しのような劇的なエージングではないけれど、少しずつ柔らかくなったり、光沢が増したり、シボがつぶれてきたりして、クロム鞣しの革なりに馴染んできます。

この馴染み方や仕上がった革がスマートな印象なのもの良いと思って、当店では機会があるごとに使うようにしています。

最近ではフランスの老舗タンナー、デギャーマンのドーフィン革を特に気に入っていて、ボールペンサイズに特化したレザーケースSもこの革で作ってもらっています。元々5色のラインナップでしたが、新たに2色を追加しました。

パウダーブルーとパウダーピンクは9月9日、本日から開催の京都手書道具市でお披露目しますが、同時に店でも販売スタートします。

なるべくスリムで、スマートにペンを収納したいと思って作ったペンケースで、腕の良い職人さんは細かく狂いのないステッチ、端正なコバ処理を施してくれて、シンプルなペンケースの印象を変えることなく仕上げてくれています。

フリースピリッツさんの元町の工房で作っている人気商品「レンマバルコペンケース」は、プエブロという劇的なエージングをする革で作られています。素材感が感じられる革と、左右の端まで届くファスナーは大きく開閉するので、出し入れもしやすくなっています。

同じ形でドーフィン革のトープで作っていただいたペンケースを先日発売しました。かわいらしいバルコの形はそのままに、全く違う印象になったと思います。

劇的なエージングをするタンニン鞣しの革も、洗練されたようなクロム鞣しの革も、それぞれに合ったものを見極めて使っていきたいと思っています。

⇒オリジナル レザーケースS ドーフィンレザー

⇒バルコ ペンケース Pen and message.特別仕様革・ドーフィンレザー