エレファントのデブペンケース~日常のペンケースにエキゾティックレザーを~

今年はル・ボナーさんにお願いして、エレファント革のデブペンケースを作っていただきました。

デブペンケースはル・ボナーさんが20年以上作り続けているロングセラーであり、ベストセラーです。

ル・ボナーの松本さんがデブペンケースに一番適した革として使われているブッテーロ革のものは張りがあってこの形に適していて、使い込むと劇的に艶が出て美しい変化を楽しめます。

それに敬意を払いながらも、今までなかったものを作っていただきたかったのでエレファント革でお願いしました。

それは奇をてらったということではなく、大柄な象革でもデブペンケース程の大きさがあれば革目の良さを活かせるだろうし、軽くて丈夫だという実用的なメリットもあっての注文で、松本さんも快く応じてくれました。

新品の時は独特な模様のシボが立っていて象らしいザラザラした手触りですが、使い込むとシボが滑らかになって、良い風合いになっていきます。

そうなるには長く掛かるけれど、安心して使い込むことができる,酷使に耐えるものなので、日常の道具としてお勧めいたします。

ペンケースには様々なものがありますが、よく使う文房具を入れて毎日持ち運ぶにはデブペンケースのような、ファスナー式でガサっと入れるタイプのものが使いやすく、個人的には大容量な方がより良いと思います。

シャープペンシル、多色ボールペン、カッター、定規、消しゴム、ハンコ、USBメモリーなど毎日持ち歩く細々したものはたくさんあって、デブペンケースのようなペンケースがないとどこに入れていいかわからないし、まとめて持っておかないと必ず失くしてしまうか、常にあちこち探すことになると思う。

会社のデスクについた時にまずこのペンケースと手帳を鞄から取り出す。

あるいはお家で家計簿や日記をつけたりするときなどにまずこのペンケースを取り出す。

自分の作業に必要なものをここに入れておくと、それで仕事に取り掛かることができる。

万年筆などをこのペンケースに入れる場合は、例えば当店のオリジナル1本挿しペンケースに入れておくと、他のものと接触しても傷が付きません。

レザーケースは挿すだけでスムーズに出し入れできるし、余分な出っ張りもないシンプルなデザインなので、こういう用途に最適です。

私も決して余計なものを持ち運んでいるわけではないけれど、手帳、ファイル、パソコン、スマホ、メガネ、折りたたみ傘、本、財布、おにぎりなど、毎日の荷物は重くなっています。手帳や本が重いのは分かっているけれど、これらを持たなくなったら自分ではないような気がするし、いつも持ち歩いていたいと思います。

でもできれば少しでも荷物を軽くして、5年前に脱臼したと思っていたら実は骨折していた、膝の負担を軽くしたい。

収納力は下げたくないけれど荷物は軽くしたい。同じ収容力でそのもの自体が軽い丈夫なペンケースを求めていたのは同年代の人には多いはずです。

そんな願望を持っている大人たちのためのペンケースができたと思います。

→Pen and message.特別注文品 ル・ボナー デブ・ペンケース/エレファント

KBSドイツ紀行4~カヴェコ社訪問~

(KBSドイツ紀行2、3は店主個人ブログ元町の夕暮れに掲載)

今回ニュルンベルグを訪れた第1の目的は、カヴェコ社(正確にはH&Mガットバーレット社)の訪問でした。この目的がなかったら今回ドイツに行こうということにはなりませんでした。カヴェコ社訪問のお声掛けをして下さったカヴェコの輸入総代理店の石川社長には本当に感謝しています。

ドイツに到着して4日目、とうとうカヴェコ社に訪問する日になりました。

カヴェコ社前で現地在住の通訳のヨコオさんと合流する予定になっていましたが、その前に本来なら午前中に見学するはずだったファーバー・カステル城の外観写真だけでも撮りたいと、シュタインまで行ったり、ICEでエルランゲンに足を伸ばしたりしていたため、ギリギリになってしまいました。ヨコオさんとは松本さんが密に連絡を取り合ってくれていたので助かりました。

今回のカヴェコ社訪問とニュルンベルグペンショーでの買い付けが上手く行ったのはヨコオさんが3人の通訳をしてくれたおかげでした。

カヴェコ社の前に着いた時、前で待っているはずのヨコオさんが見当たりません。

松本さんが電話すると、すでに中で待っているという。

先に着いたヨコオさんに中に居ていいよと招き入れてくれたのが社長のマイク・ガットバーレットさんでした。お会いしたマイク社長はとても気さくな方でした。

カヴェコ社にいる間中私たちはマイク社長のホスピタリティの高さに感動して、自分もこうありたいと思いました。マイク社長から受けたホスピタリティのお返しをマイク社長にすることはできませんが、自分もマイク社長のように他の人に接したいと思うことで良い連鎖が生まれる。今まで多くの先輩方に教えられたことをマイク社長からも教えられました。

カヴェコ社では、発送待ちの商品が並ぶ倉庫、毎週水曜日オープンする特別な空間のカヴェコショップ、カヴェコの製品を企画したり、広報したりする人の部屋などカヴェコ社内を隅々まで見学させて下さいました。その中でも私たちが一番興味を持って長くいたのは資料室のような部屋です。

創業時から最新のものまで全てのモデルが保管されていて、それら1本ずつの資料も年ごとにファイリングされていました。

1883年創業(ウォーターマンと同じ)という141年のカヴェコの歴史の中では本当にたくさんのモデルが作られてきました。現代に発売されるカヴェコのペンはその資料の中にあるものを現代流に洗練させたものも多く、カヴェコ社が自社の歴史を大切にしていることが分かりました。それはドイツの街並みにも表れていて、古いものを無暗に壊したりせず、大切に保存して、それが現代に生きるように工夫しています。

ニュルンベルグの街は1945年大規模な空襲に遭い焦土と化したそうです。今私たちが目にするニュルンベルグの、昔から変わっていないように見える街並みは戦後忠実に復元された街の姿なのです。

それは新しいものを建てるよりもはるかに大変なことだと思います。しかし、ドイツの人たちはそれを選んでやり遂げた。カヴェコのペンにもそんな精神が宿っているのだとカヴェコ社を訪ねて思いました。 

カヴェコが最近立て続けに発売したペン 140周年記念の限定品エボナイトスポーツカヴェコエボナイトスポーツセット (p-n-m.net)、アートスポーツ(リンクはヒッコリーブラウン)https://www.p-n-m.net/?pid=179773336、ピストンアルスポーツカヴェコエボナイトスポーツセット (p-n-m.net) は特にそんな雰囲気のあるペンです。

当店も昨年からカヴェコを扱うようになりました。それが正しかったことを今回の訪問で確認できました。

→カヴェコ TOP

KBSドイツ紀行1

5/7(火)~15(水)に、ニュルンベルクを拠点にドイツ南部に行ってきました。

ル・ボナーの松本さん、590&Co.の谷本さんと当店との集まりを「神戸文具シンジケート(略してKBS)」と名付けた、仕事としての旅でした。

旅の目的は2つあって、1つはメーカー訪問をして、そのメーカーさんとの結びつきを強くするということ。もう1つは商品の仕入れでした。

メーカー訪問は今回カヴェコ本社を訪問して社長のマイク・ガットバレットさんにお会いしました。

ニュルンベルク本社の仕事の現場をマイク氏が自ら案内して下さって、カヴェコ創世期から現代に至るまでの様々なペンを拝見して、手に取らせていただきました。

とても楽しく勉強になった訪問で、お休みにも関わらず出勤して下さって、私たちを親しみのあふれた態度で迎えて下さったマイク氏に3人とも感謝しました。

カヴェコの訪問についてはまた次の機会に、改めて書かせていただこうと思っています。

円安とドイツ物価高の影響で、ドイツのものを輸入して日本で販売することがとても難しくなっています。

14年前にも同じKBSのメンバーでドイツに来て、ショップ、蚤の市で商品を仕入れて店で販売しました。あの時はお店で普通に買ったものが日本で販売することができましたが、今はとても難しい状況になっています。

もちろん今回もお店を何軒も回り、滞在中の時間の大半をそれに費やしましたが、悲しいくらい成果がありませんでした。

蚤の市も広大な会場を丁寧に見て回りましたが、ペンを出している人がほとんどおらず、こちらも成果ゼロの状態。

仕入れで助けられたのは、カヴェコのマイク社長のコレクションから譲っていただいたものと、ニュルンベルクペンショーで購入したものでした。

それらはまた何かの機会に販売したいと思っています。

今回ニュルンベルクに宿を取って、ニュルンベルク周辺の街、ミュンヘン、ヴュルツブルク、ハイデルベルグなどを訪れました。

14年というかなり長い期間をおいてから同じニュルンベルクを訪ねましたので、前回との様々な違いを見聞きして、時代の流れを感じました。

円安などの物価の違いの他には、今回たくさんのバスや電車を乗り継いで多くの街を訪れましたが、14年前は行く先々で見かけた日本人を殆ど見掛けなかったということもありました。前回は6月、今回はゴールデンウィーク明けという時期の違いはもちろんであったと思いますが、観光地であり、比較的大きな都市であるニュルンベルグやミュンヘンでも日本人を見掛けなかったことは、14年前との違いのひとつでした。

だからと言って人が少なかったわけではなく、土日祝日はもちろん、平日でも昼を過ぎると多くの人が街に出て来て、レストランのテラス席はどこも満員になっているように思いましたので、景気が悪いようにも見えませんでした。

しかし、ニュルンベルグやミュンヘンなどではホームレスの人を多く見かけましたので、より格差が大きくなっていることを表しているのかもしれません。

あっという間に過ぎた一週間で短すぎると思いましたが、仕事の一つのあり方として糸口が見えた気がしますので、有意義な旅だったことには間違いありません。

ドイツの街を見て感じたことを書きましたが、来週以降また詳しくご報告していこうと思います。

ドイツ行きで国産万年筆について想う

昨年9月にドイツ行きの話が持ち上がって、まだ先だと思っていましたがとうとう来週になりました。

横浜のイベントが終わってから真剣に考えようとか、日常の仕事に忙殺されて、楽しみだったはずのドイツ行きについてあまり考える時間を持てなかったのは少し残念ですが、思い残すことのないように楽しみながら仕事してきたいと思っています。

ドイツ行きの話は590&Co.の谷本さんが持ちかけてきましたが、どうせ行くなら前にも一緒にヨーロッパに行った、ル・ボナーの松本さんも誘って、ドイツ最大の蚤の市トレンペルマルクトに合わせて行こうということになりました。

14年前同じメンバーでドイツ、チェコ、イタリアを旅した時に、ベルリンで蚤の市に行きました。

ベルリンでは週末に街中の色々な場所で大小の蚤の市が開催されていました。それは例えばペンショーのようなイベントが、街中で開催されているようなものでした。

私たちは地下鉄を乗り継いで蚤の市をはしごして、たくさんのペンを仕入れました。お店で定価で買ったものもありましたが、そういうものでさえ日本に持って帰って販売する値段をつけることができたのです。

今回、空港に行く前にある程度のお金をユーロで持っておこうと思い、交換所を探しましたが、コロナ禍以後かなり少なくなっていました。結局休日に訪れた京都で両替しましたが、円の安さを痛感しました。

円の弱さは今の日本経済の弱さを物語っているのだと思いますが、本当にそんなに弱いのだろうか。

確かに日本経済は苦しんでいるけれど、京都にも本当に多くの外国人の方が来ていて楽しそうに過ごしています。

日本はこの国を訪れた外国人の方々に良い思い出を持って帰ってもらって、また来てもらうことに成功していると思います。私たちも同様に努力しなければと思います。

為替の影響もあって、全ての輸入筆記具の価格が上がっています。

ユーロもドルも高いから値段が上がるのも仕方ないのかもしれませんが、値段に見合った価値にすることを考えなければ、売れなくなってしまうと思います。

それに対して日本の万年筆はどうか。国産万年筆も少しは価格が上がったかもしれませんが、輸入筆記具とは比べものにならず、その価格差は広がるばかりです。

その中でも日本の作家さんが作った万年筆の存在が大きくなっているような気がします。

そういう万年筆の場合、使う素材も違うし、ハンドメイドなので本数が少ないということもあって、同じ国産の量産品に比べると価格は高くなってしまいます。しかし希少性やオリジナリティのようなものがあって、コストパフォーマンスの高い量産品を凌ぐ魅力を感じる人も多いでしょう。

当店では綴り屋さんの万年筆を扱っていますが、量産品とはまた違う存在感があると思っています。14金ペン先を装着して、当店らしい書きやすさも感じていただけると思います。

私は綴り屋さんの万年筆を扱い始めて、作品だけではなく、修理などアフターサービスの対応の良さにも感銘を受けました。お客様方に安心して長くご愛用いただけるために、とても大切なことだと思います。

*5/7~16までドイツ出張のため、次回の更新は5/17です