オーダーの名店「BAGERA」のペンケース

神戸市灘区のオーダー革鞄、革小物の工房バゲラさんのペンケースとレザートレーを扱い始めました。

バゲラの高田さんご夫妻とはもともと顔見知りで、ずっと交流がありました。

15年前、この店を始めたばかりの時にル・ボナーの松本さんに鳥鍋に誘われて行ったことがあったのですが、その時初めてお会いしたのがバゲラの高田和成さんでした。

バゲラさんとの出会いも松本さんがきっかけで、私は松本さんからどれだけ恩恵を受けているのだろうと改めて思います。

バゲラさんとはその後も当店では承れないご要望のお客様をご案内したりして、頻繁ではないけれどやり取りは続いていました。

今年の夏のある日、三宮駅前の百貨店の婦人靴売場で、妻が化粧直しに行ったのでブラブラしていると、女性革職人さんが実演販売をしているのに気付きました。

雰囲気のある職人さんと作品だと思って見ていたら、それはバゲラの高田奈央子さんでした。

オーダーを中心に20年ほどやってこられたバゲラさんですが、ついに自社の世界観を表現した既製品の制作を始められたそうで、その中にペンケースやペントレーなどのステーショナリーもありました。

その濃厚な世界観を持った他にはない雰囲気に、一目惚れしました。

バゲラさんの方でもその百貨店のイベントが終わったら当店に声を掛けようと思っておられたそうで、言葉通り2、3週間後打ち合わせに来て下さり、ペンケースをご提案していただきました。

表のフラップはクロコ、ベルト部はオーストリッチ、胴体部分の表と背面はパティーヌ加工したゴート、側面は黒桟革、内側はブッテーロ。

特にゴートは、アンティークな雰囲気を出すためにパティーヌ加工を施すというこだわりで、その革自体も何年も前に限定的に発売された革を、少しずつ大切に使われているそうです。

革それぞれの質感を生かして配置し、全て手縫いで仕上げる。

手縫いも様々な技法が駆使されていて、直角に接する表と側面の革はこま合わせという技法で縫われていて、ジグザグに走るステッチがアクセントになっています。

フラップの背面はシングルステッチで固定されていて、これも良い味を出しています。マニアックなくらい様々な革、様々な技術が凝らされていて、それらがデザインにも生きています。

奇抜にも見える、数種類の革を組み合わせたデザインですが、造りはキッチリしていて甘いところがありません。職人の仕事と作家の表現が両立している、世界観のあるペンケースだと思いました。

ペンを何本も持ち歩くのもいいけれど、大切なペンケースにこれだと決めたペンを1本だけ持って出掛ける。そんな風にペンの扱い方も変えてくれるペンケースです。

もうひとつ、ペントレーもご紹介いたします。

厚い1枚革に土台となる部分をつけたシンプルな構造のトレーは、スムースな革ワルピエ社のエトルスコを揉んで、シボやしわを出してから使っています。そうすることで革の生命力のようなものが起き上がってくると高田和成さんは言われます。

革をきれいなまま使うのではなく、手を加えて馴染ませてから使うのは面白いと思いました。とてもシンプルなトレーですが、机上の雰囲気がこれひとつで贅沢な空間に変わると思います。

15年も前に知り合っていたにも関わらず、今静かに始まったバゲラさんとの仕事。

お互いこの15年の間にいろんなことがあって、今それぞれの店のタイミングが合って動き出したという、不思議な縁のようなものを感じています。

⇒BAGERA(バゲラ)ペンケースL・雲

⇒BAGERA(バゲラ)ペンケースL・夜

⇒BAGERA(バゲラ)レザーペントレイ・黒

⇒BAGERA(バゲラ)レザーペントレイ・茶

B A G E R Aについて(リーフレットより)*

2002年創業。以来一貫してフルオーダーメイドの革製品を制作する神戸の小さなアトリエ。服と靴以外の革製品全般を取り扱います。

「圧倒的に特別なもの」をコンセプトに、個々のカスタマーへの丁寧なヒアリングを元にスケッチや模型で提案。その一点のみをはじめから終わりまで一人が担当し制作します。現在小物で平均半年程度、鞄で1〜2年の納期を頂いています。

こだわりの既製品を2023より始動。

高田 和成

高田 奈央子

共に芸大で建築を学び、その後職人の道へ。

建築から得た構造の大切さを追求する和成と、感性的なモノ作りを得意とする奈央子によってB A G E R Aは作られています。