ツイスビー~台湾の勢いを象徴するメーカー~

先週、ツイスビージャパンさんと巡回筆店(じゅんかいペンショップ)2021 in 福岡を共同開催しました。

緊急事態宣言中の開催になってしまい告知も不十分でしたが、ご来店いただきました九州のお客様、誠にありがとうございました。今回の催しを歓迎して下さる雰囲気と良い出会いがあって、良かったと思います。毎年恒例のものにしたいと思っておりますので、またよろしくお願いいたします。

一昨年の10月一人で台湾に行きました。活気があってエネルギッシュな台北、南国らしい趣のある台南。2つの都市を訪れただけでしたが、台湾が大好きになりました。

日本に帰ってからも台湾の雰囲気を感じたいと思い、台湾が舞台の日本人が書いた小説を何冊も読みました。特にNHKのドラマにもなった吉田修一氏の「路」は自分の青春時代の中心だった1990年代から現代までの話ということもあって、その時代の雰囲気まで感じられて、お気に入りの小説でした。

最近は台湾の小説では必ずその名が挙がる「自転車泥棒」を読みました。時間、空間、世界観を落ち着いた文体ながら縦横無尽にジャンプする読み応えのある、面白い小説でした。

1895年から1945年まで日本の統治下にあった台湾には、まだその名残があって、台湾の昔について語られる時、日本を避けることはできない。

私にも遠い親戚に終戦まで台湾に居た人がいるし、台湾で生まれた人もいる。そんな実は身近だった国台湾に惹かれたのも必然だったのかもしれません。

そんなふうなので、台湾の筆記具メーカーツイスビーにも特別な思い入れがあって、ツイスビージャパンさんとは、お互いに良くして行く関係を築きたいと思ってきました。その中で実現したのが巡回筆店でした。

台湾にはエネルギッシュな勢いのようなものと、控えめで繊細なセンスの両極端のものが同居していて、それが特長だと思っています。

ツイスビーはエネルギッシュな台湾を象徴していて、日本や欧米の万年筆メーカーなら勧めないようなこと、万年筆を使用者自身が分解して、吸入ピストンにグリースを塗るようなことを提案していて、万年筆の業界の常識をひっくり返そうとしています。

万年筆は今は完全に趣味のものだとツイスビーは考えていて、趣味のものである以上メーカーはどうしたら万年筆を楽しめるかを考えないといけない。何も触れないよりも自分で分解できる方が楽しいに決まっている。

当店が主に扱っているツイスビーの万年筆は、ECOとダイヤモンド580です。どちらもピストン吸入式で、チャプチャプするほどたくさんのインクを吸入することができます。

ダイヤモンド580の方が柔らかい書き味、ECOは硬めの書き味で、キャラクターが違っているのでどちらも持つ意義がある。

ツイスビーはその価格から万年筆を使い始めたばかりの人が選ぶ万年筆だと思われますが、趣味としての万年筆を提案しているだけあって、ある程度万年筆を使ってきた人でも楽しむことができます。

エネルギッシュな台湾を代表するツイスビーについて書きましたが、繊細な台湾センスを表現しているものも、今後紹介していきたいと思います。

個人的には、台北、台南以外の台湾の土地もいずれ訪れたいと思っています。

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