~万年筆の遊び~ 2つのペン収納具

~万年筆の遊び~ 2つのペン収納具
~万年筆の遊び~ 2つのペン収納具

万年筆で手帳にきれいに書けたり、手紙を書きながらその書き味にうっとりしたりするのも楽しくて、それも万年筆の良いところですが、それだけではもったいない。
そのデザインや存在を、そして複数の万年筆が集まった時の組み合わせも楽しみたい。
それぞれに何か共通点を持たせてより強い空気感を作ることが、揃えを楽しむことです。
それは万年筆を書き味以外に楽しむ、遊びのようなものかもしれません。
万年筆は、大した遊びらしい遊びを知らない私にとって、大切な仕事道具でもあるし、遊び道具でもあります。

万年筆の遊びをさらに演出してくれるものに出会いました。
WRITING LAB.にペンケースSOLOなどの革小物を提供してくれていて、オーダー靴の製作もしているイル・クアドリフォリオさんの工房の階段の手すりなどが、意匠が凝らしてあって、とても面白いと思っていました。
イル・クアドリフォリオの久内さんの友人の家具職人加藤亘さんが製作したとのことで、加藤さんは、オーダー靴には欠かせない木型も作っているとのこと。

加藤さんが作った試験管立てをイメージしたペンケースSOLOの展示台もあって、それらに遊び心のようなものを感じていましたので、ペンケースSOLOの展示台をベースとしたペンスタンドを作ってもらいました。

WRITING LAB.のメンバーと加藤さんとで昨年末から打ち合わせを重ねて、2つのペンスタンドが出来上がりました。
ペンカウンターはその名の通り、バーのカウンターの様に横一列に3本のペンが並ぶもの。
ペンテーブルはサークル状に5本のペンを立てることができるようになっています。
このペンスタンドにそれぞれのペンを並べる時に、色を合わせたり、冬は温かみのある木軸にしたり、夏は鮮やかな色のものにしたりして、季節感なども取り入れたりしたら、机上の装飾としても面白い存在になると思います。

かなりこだわって、ペン通しのサイズ、高さ、細部の磨きなどの仕上げなど注文をつけましたが、加藤さんもそれに充分応えてくれて出来上がりました。
素材はウォールナットを使用していて、仕上げに軽くオイルを馴染ませています。

手作業で丁寧に仕上げられているため、受注生産で納期が3週間ほどかかりますが、ぜひ私たちのペンの遊びにお付き合いいただきたいと思います。

同じタイミングで、長く品切れしていました工房楔のウォールナットのトレイも完成しました。
こちらは既に多くのお客様にお使いいただいているもので、永田氏の安定感のある仕事振りが感じられるしっかりしたものです。
オーソドックスなスタッキング可能なトレイで、それぞれの層をチーム分けして収納したい。
意匠に凝っているわけではないけれど、とてもサマになっている。
たくさんあるコレクションを、楔のトレイに収納しておいてもいいし、飾る場合はアクリルの窓のついたフタを使うとペンを見せることもできます。

家具職人のアイデアが生きるペンスタンドと、実力派木工家のしっかりとしたペン収納具。どちらも万年筆の遊びを演出してくれる、あると楽しいものだと思います。

⇒ペンスタンド「ペンテーブル」
⇒ペンスタンド「ペンカウンター」
⇒工房楔・机上用品TOPcbid=2557546⇒工房楔・机上用品TOPcsid=5″ target=”_blank”>⇒工房楔・机上用品TOP

「手帳の風景展」作品の募集

「手帳の風景展」作品の募集
「手帳の風景展」作品の募集

年が変わったので、リスシオダイアリーのカバーをシングルに代えて使っています。
年をまたぐ直前、12月の初め頃からは2013年と2014年の両方とものダイアリー持ち歩く必要がありますので、ダブルのカバーに2年分のマンスリーダイアリーとウィークリーダイアリー入れていました。
翌年の予定が入ることもあるし、新たな年が始まるまでに方針やスケジュールなどについて考えておきたいと思っていましたので、とにかく2年分のダイアリーは持ち歩きたかった。

2014年のダイアリーを持ち歩いたおかげかどうか分からないけれど、今年は今まで以上にスケジュールについて考えることができたと思っています。
ダブルのダイアリーカバーは3年前に作ってもらったクリスペルカーフのもの。
サラッとした手触りと、作り込まれた感のある厳かな革の質感にダブルという厚さも加わり、良いもののオーラを放っています。

今年から使い始めたシングルのカバーはシュランケンカーフのブラックに茶色のステッチで内側ブッテーロのチョコ色のものにしました。
若さはないけれど、男っぽい感じがする色の組み合わせだと思っていて、とても気に入っています。
クリスペルカーフの質感も好きだけど、シュランケンカーフの柔らかな手触りは心地良く、そのくせ傷がつきにくく、扱いやすいすごい革だと思っています。

使い込むとこのフワフワ感は薄れ、光沢が出てきます。
中身のウィークリーダイアリーとマンスリーダイアリーの組み合わせは一昨年から固定されて、何不自由なく使っている。
たまに他のものを使いたい衝動にかられるけれど、これに代わるものはないと分かっているので、他のものに代えることはなくなりました。

私のリスシオワンダイアリーの使い方は、スケジュール用のマンスリー、ToDo用のウィークリーというように決まっているけれど、きっと他の人はまた違う使い方をしているはず、いろんな使い方があるはずだと思っています。
皆がリスシオワンダイアリーを使っていれば、それはそれは素晴らしいことだけど、他のダイアリーを使っている人も、それをどのように使っているか見てみたい。
ダイアリーでなくても、ノート、手帳をどのように使われているか見てみたいと思っていました。
そこで、私の楽しみにかなり偏っているけれど「手帳の風景展」を開催したいと思います。

使われている手帳の中身やそれを書いているペンを撮った写真を写真展形式で、当店にて展示します。
展示終了後には、作品をまとめて冊子にできたらと考えています。

展示期間は、5月10日(土)~6月8日(日)、作品募集の締切りは4月29日(火)です。
手帳とペンなどの道具をお持ちいただきましたら、その場で撮影してすぐお返しさせていただきます(日曜日は除く)。
ご来店は難しいけれどご参加いただける方は、当店宛にメールの添付で写真をお送りください。

不明な点は、電話078-360-1933あるいはメール penandmessage@goo.jpにてお問い合わせください。
多数のご参加お待ちしております。

小さなノートと小さな万年筆のプレゼント

小さなノートと小さな万年筆のプレゼント
小さなノートと小さな万年筆のプレゼント

靴をプレゼントするとその相手がその靴を履いて逃げるという迷信を私は信じていて、靴をプレゼントすることはないし、もらったこともありません。
若い頃、彼女からワークブーツを贈ってもらった後にすぐに別れたことが迷信を本気で信じる経験になっているけれど、靴をプレゼントするというのは、サイズ、足の形、好みなど様々な要素があるものを贈るのはそれだけ難しいということなのかもしれません。

でもペンは個人に合わせたサイズなど存在しないので贈りやすい。
ペンというのは何本あっても邪魔になるものではなく、絶対に使わないということはないのではないかと思います。
万年筆店をしているから思うのかもしれませんが、何かの時にペンを贈るというのは特別な意味のようなものがあって、良い贈り物です。
ペンを贈る心には親愛の情のようなものが込められていて、ペンを贈られた人は、そのペンを使うたびに贈ってくれた人のことを思い出すだろう。
それは男性同士の友情の証にもなって、例えば別れのときにお互い大切にしていたペンを交換し合う。
余程の仲でないとそんなことはできないけれど。

バレンタインデーが近づいているので、こんなことを書くのですが、万年筆を使っていて詳しい人にあえてペンを贈ることに臆しないで欲しいと思います。
そこにこうやって使って欲しいというメッセージのようなものが込められていれば素晴らしい。
私は休みの日専用の小さな手帳を持ち歩いていて、そこに行動記録をその都度書いています。
何時から何時、どこにいて、何をしていたかを箇条書きに、客観的事実だけを淡々と書いていくのだけど、もっと早くからやっておいたらよかったと思いました。
それが記録として何かの役に立つような気がしませんが、休みの日一日の意識が今までと全く違います。

場所を移動したり、何か違うことをするたびに時計を見て書き入れるだけ。歩きながらでも書くことができます。
今まで、もう一日が終ってしまったと漫然と休みの日を過ごしていましたが、時間の経過にいちいち意識あって、何か時間に流されていないような、時間を自分の意思で泳いでいるような感覚になりました。
こういう自分の経験から、奥様から旦那さんへのバレンタインデーのプレゼントとして提案したいのは、休みの日も仕事の時と同じように気を入れて過ごしてもらうための、小さなノートと小さな万年筆です。

小さなノート(A7サイズ)にはカンダミサコさんの革のカバーをつけることができて、それならより愛着を持つことができる仕様になります。
そんなノートに似合うのは、やはり小振りな万年筆。
パイロットレグノ89Sなどはキャップがパッチンと閉める勘合式で、さっと外して、ちょっと書き込んで、パチンと仕舞うことができる。
14金のペン先は書き味が良く、柔らかく気持ちは小さな万年筆といって侮れないものがあります。
木のボディは使っていくうちに艶が出てくるので、これもまた愛着が湧く仕様です。

普段の何でもない休日をより輝きのあるものにするのは、本当は大したことではなくて、小さなノートと万年筆で充分でした。
きっと旦那さんに感謝されて、ホワイトデーには何倍にもなって返ってくるかもしれませんが、それは保証できません。

⇒パイロット レグノ89S

純銀製羽根ペンクリップ再製作完成

純銀製羽根ペンクリップ再製作完成
純銀製羽根ペンクリップ再製作完成

20代前半の頃、スズキのジムニーという軽自動車の四輪駆動車に乗っていました。
たまには林道などの未舗装の道を走ったりして、それはとても楽しかったけれど、ほとんど街中の道を走っていました。
極限の悪路をその車で踏破することなどなかったけれど、メーカー以外からも売られている様々な装備をお金を貯めては自分で付けていました。

実用と関係なくてもいい、自分のオリジナリティの仕様に車がグレードアップしていくのがとても楽しくて、バイト代は車のローンとガソリン代とパーツ代に消えていました。
今もお金があれば自分の好きなものを買ってしまって、貯金する習慣は今もついていないけれど、今それは関係ありません。

私は若い頃に乗っていたジムニーが最も楽しい車だと思っているけれど、それは様々な装備によって、自分仕様に仕立てることができたからだと思っていて、万年筆にもそんな楽しみがあっていいと思いました。

書く機能に何の関係もなくてもいい、自分が愛用する万年筆が自分仕様になってくれればと、思う人は多いのではないでしょうか?
万年筆は書く道具であるけれど、私にとっては同時に遊び道具でもあるので、ジムニーのような楽しみがあっていいと思います。
万年筆の装備と言っても、それほど手を加えることができる部分は多くなく、ネジパーツで外すことができるペリカンのクリップは遊べるパーツのひとつだと、目をつけていました。

ペリカンM800、M600いつけることができる、当店のマークでもある羽根ペンをモチーフにしたクリップを作りました。
前述したように機能的には、何ら変わりはありませんが、ペリカンがデルタのようなインパクトのある外観に変わりますので、そのカスタマイズを楽しんでいただけると思います。

羽根ペンクリップは、スターリングシルバーで、光沢仕上げといぶし仕上げがの2種類があります。