B5サイズの革封筒を発売した時、何でA4がないの?と多くの人に言われました。
その時は当店オリジナル試筆紙や原稿用紙を入れて、恰好良く持ち歩くためのものが欲しいと自分たちが思ったので、あえてB5サイズでフタのないものを作りました。
それは私も愛用しているけれど、フタのないデメリットよりもフタのないことのメリットの方がより感じられ、とても使いやすいと思っていますし、何よりもあのザックリとした飾り気のなさがとても好きで気に入っています。
同じ印象でA4の封筒ができるのも時間の問題のような気がしていましたが、やはり作りました。
A4サイズのファイルや書類を収納することができて、ビジネスで使いやすいもの、でもビジネスライクにならない、自分たちが気に入っているナッパCB革の素材そのままの風合いが感じられるものを作りたいと思いました。
そういったイメージからこのファイルケースを企画した意図のようなものを“Bond(ボンド)”という名前で表現しました。
サマーオイルメモノートでもそうですが、WRITING LAB.のものは作り込み過ぎない、そのモノだけでなく、人がそれを使っている姿で完全になるようなものを心掛けていて、それはもしかしたらアパレル的な考え方であり、WRITING LAB.のメンバーの一人駒村氏の影響が強いのかもしれません。
駒村氏は雑貨などをセレクトショップに卸す会社の社長としてアパレル業界に10年もいるので、その辺りの感覚が鋭い。
文具業界に長くいる私たちでは実現しなかったようなものも、WRITING LAB.では形にしています。
WRITING LAB.の毎週土曜日の会議で生まれたもの、簡単なイラストや曖昧な言葉を受けて、ひとつのしっかり使えるものにしてくれているベラゴの牛尾氏のセンスと丁寧な仕事に今回も助けられています。
革をそのまま使うというイメージしか持っていなかったけれど、それだけでは美しい姿にはならない。
パリッとし過ぎず、でもしっかりとした質感を出すために底から前側は革を二重になっています。
細かく狂いの見られないステッチは、下手をするとだらしなくなってしまうこの手のものに緊張感を与えて、美しく仕上がっています。
鞄の中をスッキリと整理するバッグインバッグとして、これだけで持つクラッチバッグとして便利にお使いいただけます。
私たちの依頼を受けて、何も聞かずに(確かロゴを刻印する場所だけ聞かれた)これだけのものを形にしたことに、牛尾氏の職人としての包容力の高さのようなものを感じましたし、その仕事の姿勢に共感しました。
“Bond”と同じく牛尾氏の手によるB6ノートカバーテクスチャーシリーズの新色も完成しました。
持っている姿が一番カッコいいサイズはB6なのではないかというWRITING LAB.なりの考えで始まったB6ノートカバーの企画は、ひとつの色で、革質のみのバリエーションを作り、革質の違いで選んでもらうという趣向にしています。
前回のブラックに続き、今回はダークブラウンで2種類の革で製作しました。
自然なシボ感とオイル分を多く含んだ質感のナッパCBは、ル・ボナーさんやカンダミサコさんもよく使うミネルヴァボックス革で有名なイタリアのバタラッシィ社の革で、その質感やにおいが、私もとても気に入っています。
表面のロウが使い込むうちに革に浸透して艶を出すブライドルレザーはとても有名な革で、イギリス発祥で、馬具などにも使われた丈夫なハリのある革です。
今回から、ノートカバーも付属のジョッターもサイズを少し大きくして、より使いやすいものにしています。
B6ノートカバーはライフのノーブルノートのような厚手のものに対応しています。
ジョッターはA7サイズの紙に対応していて、WRITING LAB.のサマーオイルメモの紙を半分にして入れることができます。
BondもB6ノートカバーも、私自身完成を心待ちにしていた。この2つの商品を皆様にご覧いただけるのが、嬉しくて仕方ありません。
上記2つの商品は、京都山科のリバーメール(http://www.river-mail.com/)でも扱っています。