シガーケース型2本差しペンケースDue~理想のペンを入れるための理想のペンケース~

シガーケース型2本差しペンケースDue~理想のペンを入れるための理想のペンケース~
シガーケース型2本差しペンケースDue~理想のペンを入れるための理想のペンケース~

オマスアルテイタリアーナパラゴンは、持ちごたえのあるボディと、手応えのある書き味で、書くことが本当に楽しくなるペンだとお勧めしています。
また、工房楔が手掛ける銘木万年筆ボディこしらえをオリジナルで発売して、多くの方にお使いいただいています。
これもまた国産の書き味の良いペン先と使うほどの愛着の持てる銘木ボディで理想の万年筆のひとつの形だと思っています。
しかし、それらのペンを収めることができるペンケースをあまりご提案できていなかったことを心苦しく思っていました。
万年筆を勧めて、それを入れるペンケースがないというのは、万年筆屋として片手落ちも甚だしい。
当店オリジナルの3本差しペンレスト兼用万年筆ケースには、パラゴンもこしらえも入れることができるけれど、もう少し重厚な感じのものの方が、それらのペンには合うのではないかと思っていましたので、ライティングラボとして、シガーケース型2本差しペンケースDue(ドゥエ)を発売できて少し肩の荷が下りたような気がしています。

Dueにはオマスパラゴンがピッタリ入り、他のたいていの極太ボディの万年筆も収めることができます。
しっかりとしたシェル構造になっていて、多少の衝撃があっても中の万年筆を守ってくれますので、安心して万年筆を持ち歩くことができます。
2本のペン同士が当たらないように仕切りもあり、この辺りの造作も製作者の久内夕夏さんは本当に上手くやってくれています。

フィレンツェの伝統的な2本入れシガーケースの構造を踏襲していますが、骨太ながら隅々まで夕夏さんの配慮が行き渡っている繊細なエンド処理など外観も文句のつけようがない美しいものに仕上がっています。
ライティングラボと夕夏さんとで打ち合わせ、試作を重ねて半年ほどかかりましたが、なかなか理想的なものができたと思っていて、売れなくてもいいと思えるくらい完璧な出来栄えです。

実はこのペンケースが出来上がったのは少し前で、すぐにでもご紹介したかったのですが、初回入荷したものが店ですぐに売れてしまい、その上バックオーダーが溜まっている状態でした。
1回に作ることができる本数が少なく、ご予約を承って後日お渡しするという状況は変わっていませんが、木型の本数を増やして、それほどお待たせせずにお渡しできるようになりました。

いつも使いたい理想に近い万年筆だけど、入れるペンケースがなくて持ち歩くことができなかった。そういうものも入れることができる、理想のペンケースのご案内でした。

⇒シガーケース型ケース・2本差し Due(ドゥエ)・予約受付中

オリジナルダイアリーカバー完成~毎日使う上質の革~

オリジナルダイアリーカバー完成~毎日使う上質の革~
オリジナルダイアリーカバー完成~毎日使う上質の革~

9月に来年度用のダイアリーは完成していましたが、革カバーも出来上がりました。
今年はル・ボナーさんの革コレクションの中から、今では手に入らなくなったとても貴重で良質な革を使って製作していただきました。
メインはサフィアンゴート、山羊革を薬品で縮れさせた革で、とても丈夫で、キラキラしたシボに仕立てたものです。
傷を気にせず、使い込むと適度に柔らかくなってくれそうな、実用的でもある革だと思います。

フラスキーニ社のカーフは、非常に柔らかく、使い込むと艶を出してくれる革で、こんなに手触りの良い革はあまりないでしょう。
オリジナルダイアリーは罫線のレイアウトや紙質が特長ですが、上質な革を使うこのル・ボナーさんの革カバーも大きな特長になっています。
オリジナルダイアリーを企画した時に、万年筆で書くというところが当事者の合言葉のようになっていて、カバーもそれを踏まえたものにしました。

とてもシンプルな仕様で、ペンホルダーもベルトもついていませんが、これが書くことにおいて一番使いやすく、このダイアリーを使う人は万年筆をペンケースに入れて使うのではないかと思いました。
余分だと思ったものを全て省いて、カバーの機能だけに特化した潔い仕様のオリジナルダイアリーカバーから、私は静謐な佇まいさえ感じて、大いに満足しています。
シンプルなカバーには、例年通りシングルとダブルがあり、シングルでは厚型ノートと薄型ノートを1冊ずつ収めることができます。
例えば薄型のマンスリーダイアリーと厚型のフリーデイリーダイアリーや、ウィークリーダイアリーを組み合わせて使うことができます。

ダブルには最大4冊まで収納することができます。
1つ目の仕切りにマンスリーダイリーとウィークリーダイアリー、2つ目の仕切りに薄型方眼ノートrectoとフリーデイリーダイアリーを入れることができます。

〇薄型ノート〇

大和出版印刷recto square
〇厚型ノート〇

フリーデイリーダイアリー
リスシオワン正方形ノート

しかし、このダイアリーを使う人は私と同じように考える人だけではありませんでした。
ダイアリーに何か書こうと思った時に、すぐ横にペンがついていないと嫌だ、ペンを探すのが煩わしいという声が聞かれるようになりました。

最初は聞こえないフリをしていましたが、手帳用のペンが決まっている人は、ペンホルダーがついている方が便利に決まっている。
そして、自然に開いたりしないようにベルトもついていて欲しい。
それを実現したのが、今までの当店の取り組みとは違った、女性目線の切り口で商品を企画しているDRAPE(ドレープ)によってでした。
当店の今までの仕様は、素材感やシンプルさなどを大切にしてきましたが、DRAPEのシリーズでは、オリジナルダイリーをエレガントに使っていただくということを大切にしています。
オリジナルダイアリーカバーのDRAPE版の素材は、フォーマルな印象の艶のある革クリスペルカーフの新色、トープとブルーです。
昨年モデルとベルト周りのデザインを変更してさらにエレガントな印象を強めています。

DRAPEカバーによって、今まであまりにも頑なに感じられた当店のカバーとダイアリーをより多くの方にお使いいただけるようになったと思っています。
毎日使うダイアリーだからこそ上質な革を使用したものを。
ここまで上質な革にこだわったダイアリーカバーは他ではなかなか手に入らないと思って、大いに自信を持っています。

⇒Pen and message.オリジナル商品ページトップgid=2127777″ target=”_blank”>⇒Pen and message.オリジナル商品ページトップ

理想のダイアリー~オリジナルダイアリーについて~

理想のダイアリー~オリジナルダイアリーについて~
理想のダイアリー~オリジナルダイアリーについて~

休日に出掛けると、文具店でダイアリー売り場をよく見ています。それぞれに考え抜かれた罫線のレイアウトを見るのがとても楽しく、その中から取り入れることができる要素はないか見ています。

たくさんのダイアリーを見ていつも思うことは、オリジナルダイアリーはやはり理想のダイアリーだったということで、でもそれで安心することなく、愛用している方に迷惑をかけないことも意識しながら、改良していきたいと思っています。
当店のオリジナルダイアリーの優れた部分は、適度な余白があるというところだと思っています。
ほとんどのダイアリーがカチッと作り込まれて完璧にフォーマットされているけれど、そのフォーマット内に書けないものも中にはあって、例えば日程のはっきりと決まっていないものを書くスペースを備えたものは少ないと思っています。

当店のダイアリーは、マンスリーを例にとってみると、日は決まっていないけれどその月に予定されていることを記入することができ、日は決まっていないけれど、この週に入るという予定も記入する欄があります。
この曖昧な予定が書けるのがオリジナルダイアリーの度量の大きいところだと大いに自画自賛しています。

ウィークリーダイアリーにもフリーのメモ欄があって、予定、ToDo、メモなど使う人によって様々な使い方ができる、むしろそうやって使って欲しいという意図を持って作っています。
やはりオリジナルダイアリーに代わるフォーマットはなく、その存在意義を改めて確認していて、多くの方に使っていただいて、広めていきたいと思っています。
オリジナルダイアリーには大和出版印刷さんが万年筆用紙として開発したグラフィーロ紙を使用しています。
グラフィーロは、万年筆での滑らかな書き味を追及していて、普通なら引っ掛かりが出そうな極細のペンでも引っかからずに滑らかに書くことができます。
ダイアリーを書く場合、後から見やすいようになるべく細いペン先で書いた方が良いようですが、その用途にグラフィーロは合っています。

国産の万年筆の極細や細字、パイロットのポスティング、セーラーの細美研ぎなどとの相性の良い紙がグラフィーロで、滑らかな書き味と引き換えにインクの乾きが遅いと言われることがありますが、インク出が少ない細字のペンとあらかじめ付属している吸取紙との組み合わせろとそれも気になりません。
オリジナルダイアリーをさらに使いやすいものにしてくれています。

万年筆で書くこと、手帳自体を書くことを趣味のように楽しむこともできるダイアリーとして、オリジナルダイアリーをお勧めします。
今週は中身であるオリジナルダイアリーについて書かせていただきましたが、来週は今週末には入荷しているルボナー製のダイアリーカバーについて書かせていただきます。

⇒Pen and message.オリジナルダイアリー(商品TOPへ)cbid=2557112⇒Pen and message.オリジナルダイアリー(商品TOPへ)csid=1″ target=”_blank”>⇒Pen and message.オリジナルダイアリー(商品TOPへ)

ペリカンM800バーントオレンジ~年代ごとの味の違いを楽しめる万年筆~

ペリカンM800バーントオレンジ~年代ごとの味の違いを楽しめる万年筆~
ペリカンM800バーントオレンジ~年代ごとの味の違いを楽しめる万年筆~

ペリカンM800をずっと使っています。
最初に自分で買った万年筆で、もう20年近く使い続けていますので、ペン先が馴染んで本当に使いやすくなっています。

M800は書くことにおいて完璧なサイズ、バランスを持った万年筆だとよく言われていますが、私も長く使うほどにそう思えるようになってきました。
しかし、この万年筆を使い始めたばかりの時は、どうやって使えばいいのか持て余していました。
キャップを尻軸につけて書きたいけれど、後ろが重いような気がしてどこを握って書いていいのか分からない。キャップを尻軸につけずに書くようにすると何とか普通に使うことができましたが、キャップをつけて力を抜いて、ペンの重みで書くのがこの万年筆の書き方だと今では理解しています。

そう考えるとペリカンM800は使い手がどこまで万年筆に慣れているか試されるペンだということになります。
言い換えるとこのペンに慣れると、力を抜いてペンの重みで書くという、万年筆の書き方を習得できるということにもなります。
今すぐに書きやすい万年筆を選ぶのも万年筆のひとつの選び方ですが、最初は扱いにくいかもしれないけれど、手が慣れてくると必ず書きやすくなってくれる万年筆。
長く万年筆と付き合うつもりなら使いこなしに時間がかかる万年筆を選んでみてもいいのではないかと思います。

ペリカンM800は1980年代から、価格もデザインもほとんど変わらずに作り続けられています。
重さ、バランスなど完璧なので、変えようがないのかもしれませんし、価格はまさに企業努力だと思うけれど、それはなかなかできないことだと思います。
変わらないM800の中でも、ペン先だけは細かな変更を繰り返していて、年代によって書き味が多少違っているのは、お客様を飽きさせずに長く惹きつけるこの万年筆の魅力だと思います。
少しマニアックかもしれないけれど、M800の年代ごとのバリエーションを揃えて書き味を楽しむようなところに、私はとても興味をそそられます。

縞模様が特長のM800は不定期に定番色とは違う、特別な色のボディが発売され、このたびバーントオレンジが発売されました。

イタリアの万年筆メーカーがオレンジ色で万年筆を作ると、華やかで瑞々しい、果実のような色合いで仕上げてきますが、ペリカンのオレンジ色は重厚な落ち着きを感じさせるものに仕上がっています。
不定期に発売されるペリカンM800の限定品ですが、今年は当たり年になっていて、このバーントオレンジの前には、シルバー金具で透明ボディのM805デモンストレーターが発売されました。
そして12月にはボディにピストンなどのパーツ名が刻印された、まさに吸入機構を解説するデモンストレーションペンM805デモンストレーター刻印ありが発売になります。

書くことにおいて、完璧な機能性を感じさせてくれるペリカンM800だからこそ、何本も揃えて、それぞれの味の違いを長く楽しむことができるのではないかと、これも万年筆の楽しみなのだと思います。