ペンレスト兼用万年筆ケース新色発売

ペンレスト兼用万年筆ケース新色発売
ペンレスト兼用万年筆ケース新色発売

ペンレスト兼用万年筆ケースは7年間作り続けている当店のオリジナルペンケースで、DRAPEのシリーズは毎回色を変えて発売しています。

カンダミサコさんに製作していただいていて、独特な形をしているけれど、持ち運ぶ時はフラップを閉めてペンが脱落しないようにできるし、机の上に出して使う時はフラップをペンの枕のようにしてやれば、フタのないペンケースのように使うことができます。
キャップをひねって書き出さなくてはいけないのに、フラップまで開けていては、何テンポも遅れてしまいます。落下の危険のない状態ならすぐに取り出せる方がいい。
万年筆を使う人は心に余裕があって急ぐことをしないのだろう、と万年筆を使わない人は思うかもしれないけれど、私は結構せっかちな人が多いのではないかと思っています。
例えばこれは気にする人としない人が極端に分かれますが、私は硬い机の上に直接ペンを置きたくないので、このペンケースをペンレストのように使っています。

今回はずっと作ってみたいと思っていたスカイと、大人っぽい落ち着いた色トープで、内革の色をそれぞれ2色作りました。
値段が高くなって、入手もしにくいシュランケンカーフはそれでもこの革でないとダメだと思わせる質感の高い革。
様々なカラーバリエーションがありますが、どの色も自然で、しなやかさと強靭さも併せ持った革です。
ペンケースは世の中にたくさん出ているけれど、良い革とそうでないものを使っているものの質感の違いは一目瞭然で、中に入れるペンに見合ったものを使っていただきたいといつも思います。
3本差しというのは、ペンを実用の道具だと考えた時に非常に良い本数だと思っています。
万年筆、ボールペン、ペンシルのセットを持ち歩くこともできるし、細字、中字、太字や黒、赤、青のインクの色など、3本という組み合わせは全てをカバーできる最小の本数なのだと思う。
ペンレスト兼用万年筆ケースは、細軸のペンからウォール・エバーシャープデコバンドのような太軸のペンまで収めることができて、色々なペンを入れて使いたい方に適している。万年筆を日常的に使う人のためのペンケースだと思っています。

⇒DRAPE オリジナルペンレスト兼用万年筆ケース
⇒オリジナル ペンレスト兼用万年筆ケース(ブラック)

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万年筆の書き味・2

万年筆の書き味・2
万年筆の書き味・2

常々申し上げていますが、この20年程で万年筆において一番変わったことは、売れ筋の字幅の変化です。Mが売れ筋だったのが、今では国産ならF、ドイツ製ならEFで、それでもまだ太いと言われるようになりました。
手帳を書くことを趣味とする人が増えて、こだわりをもった筆記具である万年筆で手帳を書く人が多くなった事など、色々な事と繋がりがあるのだと思います。
そういった時代の需要から始めた、ペリカンM400を国産細字くらいに研ぎ出す「細字研ぎ出し加工」は、手帳を書くたくさんの人に愛用されています。

しかし、万年筆の楽しみはそれだけではなくて、ペンポイントが紙に接触しているのか、いないのか分からないほど抵抗のないヌルヌルした書き味でありながら、自在にペンポイントからインクが出てくれるもの。これが万年筆の書き味、使用感の醍醐味のひとつで、私はいつもこれを味わいたくて万年筆を使います。そして、自分が持っている万年筆全てがこうあってほしいと思います。
万年筆の書き味は字幅が太くなればなるほど良くなります。
それは紙に当たる面が大きくなればなるほど抵抗感が小さくなることに関係があります。
しかし、太くなればなるほど、ちゃんとインクが出るように紙とペンポイントを合わせて書く必要があり、多少の慣れが要るのかもしれません。

何年も万年筆を使われている方はそういったことはご存知だと思うし、意識せずにそうやって書けるようになっているものです。
でも私はズボラで、紙とペンポイントをピタリと合わせて書くような努力もしたくない。
何も考えずに、ただ気持ちのいい書き味を味わいながら、ノートや原稿用紙に書いていたいと思ってしまいますし、それが万年筆を使うことの喜びをより大きくしてくれるはず。

そういう場合にお勧めしている最適な字幅はペリカンM800ならF、イタリア製や国産ならMくらいだと思っています。
細すぎず、ヌルヌルした書き味も味わえながら、でも角度やペン先の向きをそれほど気にせずに書くことができる太さ。
細字が多く使われるようになっている今の時代ですが、太いペンの書き味の良さ、万年筆の醍醐味もたくさんの人に知ってもらいたいと思っています。

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⇒2011.6.17「万年筆の書き味・1」

新しいものを出し続ける工房楔

新しいものを出し続ける工房楔
新しいものを出し続ける工房楔

当店での工房楔イベントの翌週に東京インターナショナルペンショーに参加するという、超過密なスケジュールになっていて、店での様々な仕事が後回しになっていました。
工房楔イベントで仕入れた商品をホームページに掲載するという、皆様に期待されていることが分かっている作業も後回しになっていましたので、お客様方は待ちくたびれてしまったのではないかと心配しています。
一気にではないけれどすでに少しずつアップしていて、今日の更新で完了しました。
ノック式ボールペンルーチェやカッターナイフなど、何本あってもいいもの(?)は人気があって、希少性の高い素材から売れて行きます。
たくさんの人が求めていても作れないのが希少材で、売れ筋を沢山作ることができないのは辛いところです。

今回の工房楔イベントでも新しい試みはされていて、欅や楡の拭き漆仕上げもそのひとつです。
木目が美しく入るそれら日本の木に拭き漆をすることによって、木目が際立って、劇的なアート作品のようなものに仕上がっていて、これらのコンプロットは特にお勧めです。
拭き漆によって、ひび割れ防止や防水に効果があり、耐久性の助けにもなります。

永田さんはイベントのたびに常に新しいものを発表しています。
以前はその姿を見ていて、そんなに次々と慌ただしく新しいものを出し続けなくてもいいのではないかと思っていたけれど、今なら永田さんのやっていることがよく分かるし、その気持ちも分かります。
外に売りに出ると自分たちの足りないことがよく分かり、もっとオリジナリティが必要だということを思い知らされる。
出張販売で外に出るようになって、自分の店に足りないもの、求められるものが分かるようになってきたけれど、来年工房楔を始めて15周年を迎える永田さんはずっとそういう環境に身を置いてきた。
東京インターナショナルペンショーに永田さんも呼ばれていて、当店のすぐ後ろで出展していました。

当店でのイベントと変わらない様子でいつも人だかりを作ってやっている後ろ姿を、一人で大丈夫か、助っ人はいらないかと見ていたけれど、大きなお世話でした。
永田さんはそうやってずっと一人でやってきて、高い意識で工房楔のオリジナリティを追求し続けていて、それが次々と作られるモノに結実しているのだと思います。

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東京インターナショナルペンショーへの参加

東京インターナショナルペンショーへの参加
東京インターナショナルペンショーへの参加

9月29日・30日、浅草で開催されました第一回インターナショナルペンショーに参加してきました。
個人的には、運転をかって出てくれた父の計らいで観光しながら行った往路、色々な方に心配されながら出発し、静岡で台風とすれ違った復路など、行き帰りでも色々な事があったペンショーでした。
第一回目ということ、2日目は台風が迫っているということで、客足がどうなのか全く想像できませんでしたが、終わってみると1600人以上のお客さまが来場された、ペンショーと名のつくものの中でもかなり多い方で、大成功だったと思います。
主催者の方々、ボランティアスタッフの皆様、出展者の皆様、本当にお疲れ様でした。
私たちもこのイベントに参加することができてとても誇りに思っています。

出張販売は、店を閉めたくないので私一人で行っていますが、ペンショウは出展者の方も多くご来場されるお客様も多いので、一人ではどうにもならないと思っていました。
関東在住の臨時お手伝いスタッフ(医大生がお医者さんになりました)を含めた4人で臨みましたが、それでも初日はバタバタでした。
それまでがゆったりとした出張販売をしていたので、お客様が殺到するということをイメージしていなかった。
頭の片隅では一人での出張販売とは違うと思っていましたが、もっと多くのお客様をイメージしておかなければいけなかった。
試筆紙、ダイアリー、インクなど、数が足りずに品切れしてしまったものもありましたし、商品を入れる袋や釣銭など、商品以外で不足したものもあった。
台風の接近で2日目のお客様が減りましたので持ちこたえましたが、本来なら情けないことになっていたと思います。

たくさんのお客様に来ていただいたのは本当に有難いことでしたが、同じ出展者の同業者の方々からもよく声をかけていただいたことも有り難かった。考えてみると今回のペンショウは始まる前から何か温かい空気が流れていたと思います。
同業者同士認め合い、素直な心で近況を報告し合ったり、情報を交換したりということが、会場中で行われていたように思います。

もしかしたら他所のペンショーもこういう雰囲気なのかもしれないけれど、当店はペンショーというものに初めて参加しましたので、知らなかっただけなのかもしれません。
東京インターナショナルペンショーは、来年も10月5日(土)6日(日)に開催されます。
もちろん私たちももっと万全の用意をして参加するつもりです。

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