4本差しペンケースとファーバーカステルクラシックコレクション

先週に続いてドイツ旅の話になりますが、旅の前半でファーバーカステルミュージアムやお城、ファクトリーを見学する予定でしたが、何かの行き違いで訪問することができなくなりました。

「縁がなかったということか・・」とファーバーカステルのことは忘れようとしましたが、谷本さんは余程残念だったのか、外からでもいいからファーバーカステル城が見てみたいと言うので、中に入れないことが分かっていながらも、わざわざシュタインというニュルンベルグの隣町に行きました。

ファーバーカステル城は写真などから、山の中にあるように思っていましたが、何と住宅街の中の駅から15分程度歩いただけの便利なところにありました。

ファーバーカステル社の敷地の中にファクトリーやミュージアムから少し離れて、本当にお城がありました。

私と松本さんはお城を見て満足していましたが、谷本さんはとても名残惜しそうでした。

だけど中に入れなくても、来て良かったと思いました。世界中に独特の世界観とデザインを持つ筆記具を届けているファーバーカステルの本社を見て、筆記具界最長の250年の歴史の重みを感じました。

万年筆が好きな人の誰もがファーバーカステルには憧れのようなものを持っていて、使ってみたいと思う人も多いようです。所有している人も他の万年筆とは全く違うバランスに苦労しながらも何とか使いこなしたいと思わせる。

クラシックコレクションは一般的な万年筆と比べると細軸で、キャップを尻軸につけると後ろヘビーになり過ぎて書きにくい。

キャップを尻軸につけずに書く方がこの万年筆の場合は良いように思います。

細めの軸のクラシックコレクションだからこそ、手帳のペンホルダーやペンケースに入れやすく、その姿がサマになるということもあるかもしれません。

デザインや機能的にも優れていますが、システム手帳のペンホルダーへ収まった時や、ペンケースに揃いで収まった時の姿に、特にこのペンの魅力を感じます。

クラシックコレクションには揃えて持ちたくなる魅力があります。それはなぜなのか。

ファーバーカステルクラシックコレクションの万年筆、ボールペン、シャープペンシルに統一されたデザイン、特にキャップトップ、クリップのデザインは格調の高さと優雅さを兼ね備えていて、何かに挟んだ時、収納した時にそれが強調されると思います。

オリジナルペンレスト兼用万年筆ケースで4本差しを作ったのも、ファーバーカステルクラシックコレクションを4本収めることができると思ったからでした。

万年筆、ボールペン、シャープペンシルそしてパーフェクトペンシルという、フルラインナップを全て収めることができる。

ファーバーカステルの魅力に取り憑かれた人の夢のペンケースが、ペンレスト兼用万年筆ケースの4本差しだと言っても言い過ぎではないと思います。

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⇒Pen and message.オリジナルペンケース・4本差し

ファーバーカステルのボールペン

働き出して15年間、立ち仕事をしていました。最初の2週間は脚や腰が痛くなりましたが、慣れてしまうと何ともなくなりました。

15年も立ち仕事をしていたので、いまだに立っている方が頭が冴えるし、ずっと座っていると眠くなってしまいます。

家でもこういった原稿を書く時は立ち机に向かって立って書くことが多い。

ドイツに行ってカヴェコ社を訪問した時、マイク社長がご自分のオフィスを見せてくれました。

机の位置が高く、椅子がありませんでした。いつも立ってデスクワークをしているのだそうです。

立っている姿勢の方が自然だし脚も鍛えられて、立ち仕事の方が体にいいと思っていたので、マイク社長のようにバリバリと仕事をしている人が同じ考えを持っていることが嬉しかった。

立ち仕事だったせいでもあるけれど、仕事中万年筆よりもやはりボールペンを使うことの方が多かったので、色々なボールペンを使って、飽きると換えていました。

新しいボールペンを使うと新鮮な気持ちで仕事ができるし、書くことが楽しくなりました。

ファーバーカステルのペンにはずっと憧れがありました。私には高額でしたが、ある時思い切ってギロシェシリーズのボールペンを買って使い始めました。

まだ30代だった私には気品のある木の軸のクラシックコレクションはまだ憧れの存在で、ギロシェのブラックを選びました。

それでもギロシェを使い始めたら、書くことが嬉しくて仕事がより楽しくなりました。

スプリングが仕込んであってポケットに差しやすいクリップは、無垢の素材でできていて布地を傷めにくくなっています。少し柔らかさも感じる軸の素材の手触りはとても心地良い。ファーバーカステルギロシェのボールペンからは今までのボールペンに感じなかった上質さを感じました。

ファーバーカステルのボールペンの替芯はパーカータイプ(G2規格)で、互換性のある芯が多く、当時滑らかな書き味だと思っていたパーカーの芯に入れ替えたりして使っていました。

店を始めてしばらくした時に、クラシックコレクションエボニーの万年筆を使い始めて、すぐにボールペンも手に入れ、いまだによく使っています。

もう17年近く使っていることになりますが、デザインの良さ、木の温かみのある風合いによる質感、手触りなど、書くたびに嬉しい気持ちになり、特別な筆記具だと思えます。

今当店では、ファーバーカステルフェアをしています。ギロシェシリーズ、クラシックコレクションお買い上げのお客様にファーバーカステルオリジナルの1本差しペンシースと、ドイツ人作家フェルディナント・フォン・シーラッハの小説をプレゼントしています。

シーラッハはドイツ南部の名家の出で、幼い日々の南ドイツの雰囲気や時代背景をこの小説にも盛り込んでいます。

ファーバーカステルも同じドイツ南部に本社があり、シーラッハの小説から、ファーバーカステルのペンがどんなところで生み出されているのか想いを馳せることができると思います。

私たちはペンにただよく書けることだけを求めているのではなく、その背景にあるものにも惹かれるのだと思います。この本を読むことでファーバーカステルのペンによりロマンを感じていただけたらと思っています。

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