最近、誇りという言葉が気になっている。
選挙で生き残るためになり振り構わず身を翻したり、それが失敗に終わったら、自分の力不足を棚に上げて人のせいにする人たちの姿を見たからかもしれません。
政治の世界ではそれはよくあることなのかもしれないけれど、我々国民から見ると異様に映る。
生意気なことを言うようだし、それはきれいごとなのかもしれないけれど、誇りを捨ててまで大きな傘の下に入って生き残りたいとは思わない。
誰にも守られず、立場は不安定でも自分の思想に合うやり方で、自分で向かう方向を決めたい。
取るに足らない小さな存在だとしても、そんな誇りだけは持ち続けたいと思います。
会社経営で、経営の安定を求めて大きなグループの傘下に入るという話はよくあります。
それは会社を残すために仕方ないことなのかもしれないけれど、どんなに苦しくても独立系の生き方を貫く会社もあって、そんな会社に私は惹かれます。
モノ作りの小さな会社の多くが大企業の援助を受けた方が経営は楽になるだろう。
しかし、グループ内での他のブランドとの兼ね合いなど経営に関しても干渉は絶対にあるだろうと思います。
傘下の別メーカーと共通部品を使って、製造コストの圧縮も求められるかもしれません。
ヨーロッパの多くの万年筆メーカーが共通部品を使用して、生産の効率化を図る中、アウロラは全てを自社生産することを貫いています。
アウロラの万年筆は本当に独特で、アウロラならではの味わいのあるものだと持っています。
硬いとよく言われるペン先は、使い始めた時こそ硬めに感じられますが、はじめの2週間くらいでペン芯にインクが馴染んでインク出が安定し、程度によりますが、3年使い込むと劇的に書き味が良くなります。アウロラのペン先の使い込んで育ったまろやかな書き味は、手放せないものに思えるのに十分な魅力です。。
アウロラの書き味をカサカサししていたり、カリカリしていると言う人もいるけれど、あまり良い状態ではないのではないかと思います。
最近活発に発売している限定品も、定番品の88やオプティマも、インクがしっかりと出るように調整されたアウロラの書き味は悪いと思うはずがないからです。
アウロラほどイタリアらしい会社を私は知らない。
イタリアでは会社が自社らしさを失ってまで大規模になることを戒めたり、利益を作り出すために生産の効率化を図ることを嫌悪するところがあります。
イタリアの国民性の元々の感覚としてそう考えるのかもしれないけれど、私にもその感覚は理解できます。
アウロラがあまり多くのバリエーションを作ることができないという制約がありながらも、独自の考え方によるオリジナリティのあるペン作りをすることができているのは独立を守っているからで、その制約も含めてアウロラの魅力だと思っています。
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