コードバンは冬の素材だと思っています。
コードバンの靴を夏に履くと、そのネットリとした光沢がいかにも暑苦しく、何よりも履いている自分が暑いと思ってしまう。
梅雨から9月までは何となくコードバンの季節ではないように思えます。
履いていて暑いと感じる理由は、見た目もそうですが、その革の強靭さにつながる通気性の悪さにも一因していると思います。
繊維が緊密で相当な強度があり、張りのある手触り、磨くとピカピカに光る革質はペンケースにとって大変魅力のある革で、クロコなどのエキゾチックレザーと同じくらい特別な革だと思っています。
最上だと思っているコードバンの革を使い、厳選した2本だけを収納するペンケースは、特徴的なギボシの形から愛情を持って“ピノキオ”と呼んでいます。
コードバンの代表的な色で、その特徴が現れるNo.8と呼ばれるバーガンディでピノキオを作ってきましたが、今回ライティングラボのメンバーの駒村氏の強い希望もありブラックでも作ってみました。
コードバンの魅力のひとつであるネットリとした光沢は、ブラックの方が上かもしれないと思いました。
バーガンディは微妙な色合いを楽しみ、ブラックはその光沢を楽しむ。
ピノキオに収まるペンとして、ペリカンM710トレド、M400など愛用者の多い万年筆をイメージしていましたが、ビンテージペリカンの復刻版M101のシリーズも入ることが分りました。
すでにM101のシリーズは、トータスシェルブラウンとリザードが限定発売されましたが、近々(10月末から11月予定)トータスシェルレッドが発売されます。
抑えた色調の赤色のキャップのビンテージペリカンの中でも人気のあるモデルだけにとても楽しみで、このペンケースに収めていただきたいと思います。
M600も近いうちに(10月末から11月)発売される限定品があります。
M600バイブライトグリーンです。
明るめの、華やかな色エメラルドグリーンのボディとキャップの煌びやかなペリカンも、定番品と同じくらい魅力を感じます。
ペリカンM400やM600は万年筆の代表的なものと比べると小さく、それが大人の粋な道具のように思えます。それらのペンに合わせて、粋な大人のペンケースをつくりたいと思いました。