ペリカンの1930年代のモデルのデザインを使用し、現代の素材、機構を備えたM101Nシリーズ新作ブライトレッドが発売になりました。
M101Nは2011年のトータスシェルブラウン、2012年のリザード、2014年のトータスシェルレッドに続く4作目になります。
ブライトレッドも1930年代後半に製造されたモデルの100Nがベースになっています。
クラシカルな過去のデザインと現代の仕様を融合させたこのM101Nのシリーズを、私はひとつの理想的な万年筆として見ています。
現代的でシャープなデザインのものもいいけれど、戦前の万年筆のデザインに温かみや威厳のようなものを感じることができると思います。
それならビンテージの万年筆が理想かと言われると、それは見ていてとても楽しいものではあるけれど、実際に使うとなるとインク漏れが気になったり、修理ができなくてずっと使い続けることができなかったりという、使うことにおいての制約がありますので使い辛い。
それは違うと言う人もいるかもしれませんが、私にとってビンテージの万年筆は実用の道具として考えにくいものなのです。
私が最も楽しいと思っていて、多くの人に伝えたいと思っていること、万年筆で書くということを楽しませてくれるものになりにくいというと反感を買うだろうか。
ペリカンは2000年頃から自社のビンテージの万年筆を限定品として少しずつ復刻させていて、それらはどれもとても人気がありました。
個人的に1931ホワイトゴールドに憧れて、発売5年後に新品で手に入れる機会を得られた時はとても嬉しかった。
書き味が当時と違って硬いという人もいますが、昔の柔らかいペン先よりも硬いペン先の方が実用としては使いやすいと、筆圧が低い私でも思っています。
この硬いペン先も、使い込んだ時にとても滑らかな良い書き味に化けたことに驚きましたが、これが限定品としての仕掛けだったのだと納得しました。
万年筆の書く以外の楽しみは、ペンケースなど収納するものに凝ることだと思っています。
潔く1本差しにその万年筆だけを入れるというのも、この世界ではかっこいいことだけど、コンパクトなM101Nのような万年筆だと2本差し以上のペンケースに何かとコーディネートして収納したい。
当店オリジナルのWRITING LAB.ペンケースピノキオは、M400やM700トレドなどがピッタリと収まるペンケースですが、M101Nもそれらと変わらないサイズなので、ピノキオにきれいに収めることができます。
ちなみにピノキオにM101Nを収める場合、クリップは内部の丸い仕切りの外に挟んだ方がスムーズに入れることができます。
ピノキオは2本の万年筆をコンパクトに収めるという目的で作ったもので、ジャケットのポケットなどにそのまま入れて持ち歩くことができるもので、そういった使い方にM101Nも合っていると思います。
いつも持ち歩いて、どんどん使うことができるクラシカルなデザインの新しい万年筆がM101Nです。