書くことを楽しむことを伝えたり、書くことを楽しむ人を増やすために万年筆店をしています。
万年筆が書くことを一番楽しくしてくれる筆記具だと信じているし、万年筆で書いたものが一番美しく見えると思っています。
それは私自身が書くことが一番楽しいと思っているからですが、中でも特に楽しいと思えるのが、手帳に小さな文字を書いている時です。
私にとってそれは趣味と言えるものだけど、同じように手帳に書くことが趣味だと思っている人が少なからずいることをこの店を始めてから知りました。
手帳をきれいに楽しく書くためには太いペン先のものは不適切ですが、かと言って極細ではなく、国産細字が一番合っていると思っています。
細すぎず少し線に柔らかさがあって、見ていて心地よい線。
心地よい線が国産細字だと正解は分かっているけれど、せっかく趣味とも言える手帳を書くのだから、色々なブランドの万年筆を使いたい。
そんな風に考えておられる方は多かったようです。
ペリカンM400の極細を国産細字くらいの字幅に研ぎ出す、「細字研ぎ出し」を始めたのは、そのようなお客様の声を多く聞いたからでしたが、始めてみるとかなり需要が多いことが分かりました。
それはM400というコンパクトで軽い万年筆を、手帳と組み合わせて考えておられる方が多いことの裏付けにもなりました。
M400に関しては良いニュースと少し残念なニュースがあって、良いニュースは以前限定で発売されたことがあって、すぐに完売してしまった茶縞が10月にまた限定発売されることになったということです。
茶縞は枯れたような味わいのあるもので、特に日本では人気のある色で、今回も売り切れ必須だと思っています。
残念なニュースは、11月1日にM400が値上げになるというもので、現在34000円(税別)の価格が35000円(税別)になります。それでも海外の万年筆で、14金ペン先、M800やM1000と同じ量が入る吸入式を備えた万年筆としてはまだまだ安い価格だと思います。
ポケットに差したり、手帳用万年筆として最適なサイズのM400は、万年筆の定番中の定番で、他に代わるもののない、伝統も中身も伴っている良い万年筆だと思っています。