過去2回の札幌での出張販売は、集客・売上ともに苦しく、札幌では当店は受け入れられないのかもしれないと思い始めていました。
でもその一方では来て下さるお客様のお顔が思い出され、札幌での出張販売をやめるとなると辛い決断になると思いました。
一度決めた街なので、何とか札幌での当店の出張販売の形を作りたい。
だから今回は、後がないという決意を持って臨みました。
すると今年の札幌の雰囲気は違っていました。
座ってゆっくり世間話をしながら、ペン先調整やお探しの商品をお申し付けいただいたりするのはいつもの当店のスタイルですが、何となく札幌での形が出来上がっていました。
本州との季節や気温の違い、都市間の距離感の違い、先日札幌市内に出没したヒグマの話など、万年筆やステーショナリー以外の話で大いに盛り上がり、本当に楽しい時間を過ごすことができた。
初めて札幌らしい形ができ始めていることを実感しました。
札幌の出張販売の会場は、北晋商事さんが運営されているギャラリーを使わせていただいています。
北晋商事の金社長は、写真趣味が高じてヨーロッパの古いオリジナルプリント写真を収集されています。それらは全て鑑定されたもので、歴史的にも貴重なものです。
そこはそれらを展示するためのギャラリーで、3年前から始められたそうです。
そんな歴史的にも価値のある作品に囲まれている環境は、出張販売の場所としてとても贅沢な空間です。
一枚一枚いくら時間かけて見ていても見飽きない作品がある札幌の出張販売。
福岡や東京とはまた違ったものになっていて、それぞれの街での出張販売の形があることを実感しました。
北晋商事さんは、代表的なところではローラーアンドクライナー、KWZ、ダイヤミンなどのインク、クレオスクリベントの筆記具など、ヨーロッパの手作りの雰囲気が残っている製品を扱われています。
大メーカー、大ブランドのペンも良い思うけれど、完璧に工業化・オートメーション化された製品よりも、人の手が感じられるものを扱いたいといつも思っているので、当店ではローラーアンドクライナー、KWZのインクと、クレオスクリベントの万年筆を販売しています。
北晋商事さんは日本のインクブームのきっかけになった会社のひとつだと思っていて、今も新しい海外のインクを日本に次々と紹介されています。
ローラーアンドクライナーのインクの素朴な形の瓶、時代を感じさせるシンプルなデザインのラベル、そして発色の良さや紙への定着の良さなどに優れたインクの質。
インクメーカーはたくさんあるけれど、ドイツの片田舎で作られているローラーアンドクライナーは良質なインクを作るトップメーカーのひとつだと言えます。
KWZインクは色数豊富で、万年筆やインクが好きな人の立場でインクを作っていて、絶妙なラインナップの色を揃えています。
それらのインクは当店でもなるべく全色ご用意するようにしています。
クレオスクリベントの天然木をボディに使用したナチュラシリーズは、素材の入手が難しく製作数が少ないためなかなか在庫できないのですが、できる限り取り扱っていきたい。
北晋商事さんが扱っている製品は、世界やヨーロッパを代表する主流の製品ではないけれど、ヨーロッパの田舎の風景が見えるような素朴で、ハンドメイドを感じられ、ヨーロッパの匂いも一緒に運んでくれるような製品ばかりです。
私たちは、たいていいつも変わらない毎日を繰り返しています。でも私はそれに愛着を感じて愛おしく思っている。そんな生活にしっくりくるのは、温かみを感じることのできる素朴なもので、札幌のイベントでの時間はそれらのヨーロッパの片田舎で作られているものについて見直す時間にもなりました。
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⇒ローラー&クライナ-ボトルインク
⇒カウゼットインク