偉大なる無名品

偉大なる無名品
偉大なる無名品

当店のような個人店において大切なことは、自分のやりたいようにすることだと分かってきました。
だけど自分のやりたいことを見つけ出して、それを実行することは意外と難しく、勇気の要ることだと思っています。
かと言って他の誰かの考えで商売は上手くいかないし、他の誰かの考えを実行したいとは思わない。それが許されている自分はきっと恵まれているのだと思います。
お客様方にお勧めするものも、自分が良いと思っているもの、好きなものを勧めたいと思っていて、これはどのメーカーとも利害関係のない、独立した存在の当店だから許されることなのだと思っています。

一流品という言葉に違和感を覚えます。
それは誰もが知っているブランド品であることが多く、書籍などではそれだけが唯一良いもののように書かれていることがあります。
しかし他にも良いものはあるし、もっと上質なものもたくさんあります。
最近日本の歴史に興味を持って、関連する本を読んだり、考えたりすることがあります。歴史の殆どは、ほんの一部の日本の表面的な部分を動かしていた為政者について書かれています。大多数の存在である庶民はきっと例えば中大兄皇子が蘇我入鹿を殺害して権力を手中におさめたことなど知らないし、関係がない。
それらは日本の歴史ではなく、日本のほんの一部の人の権力闘争の歴史で、一流品という言葉でそれが良いものの全てとすることに近いニュアンスを感じる。

一流品と言われている誰もが知っているものよりも、あまりたくさんの人は知らないけれど、自分でその良さを見出して好む方が、私には趣味が良いように思える。
そういうものを一流品に対して、けっして二流品ではない。無名品と言えばいいのだろうか。
当店は偉大なる無名品、私たちの日常に取り入れることのできる無名品を揃える店でいようと、誇りを持って思います。
当店で扱っている革製品、木製品など職人さんたちのものはもちろんそうですが、考えてみると万年筆メーカーのものはほとんどが無名品であるような気がします。
万年筆を使わない人で、モンテグラッパ、ビスコンティ、ピナイダーを知っている人は少ないのではないでしょうか。

無名品と考えた時に私はまずアウロラのことを思い浮かべます。
一般にその名は知られていないけれど、この万年筆に強く惹かれるファンがいる。しっかりとした構造の実用的な万年筆を作っているペンファクトリー。
私たちが生活の中に取り入れてもおかしくならない、自然で抑制の利いた華やかさ。
アウロラのペン先は硬めで、F以下なら細かい文字も書きやすいので漢字を書く国でも使いやすいと思っています。
インクが切れた時に発動できるリザーブタンクは、とても便利な機能で、実際に万年筆が使われるシチュエーションに合っている。
アウロラは実際に使われる生活を思い描いて作られている、偉大なる無名品だと思っています。

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⇒AURORA・限定品88サトゥルノ(画像の万年筆)

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