カランダッシュはとても実用的で所有欲をくすぐるボールペン、エクリドールの存在などから、私にとってとても馴染のある筆記具メーカーでした。
しかし、ある時多くの物作りメーカーがそのトレンドに乗ったように、ブランド化というイメージ転換をして、何となく距離を感じるようになっていました。
しかし2月にカランダッシュの勉強会に参加したことで、物作りへの情熱は変わっておらず、良い筆記具を作ろうとしているメーカーであり続けていることを知り、改めて親近感のようなものを得て帰ってきました。
筆記具メーカーの勉強会というのは以前はよく開催されていましたが、最近では珍しく、定休日である水曜日と重なったこともあり、カランダッシュの意気込みに共感して参加しました。
カランダッシュは今年100周年を迎え、それを記念する限定品をいくつか発売しています。
真鍮ボディに銀張りを施し、パラジュームコートで仕上げたボディのエクリドールに、定番のシェブロン柄をアレンジして彫刻したものがあります。
エクリドールはカランダッシュの代表的なボールペンであり、全てのボールペンの中でも、定番中の定番と言えるもので、カランダッシュと言えば、鉛筆と同じ六角形のこのボールペンを思い浮かべる人は多いと思います。
細身の六角形のボディは自然に扱いやすいものだと多くの方から評価されています。
最近インクの粘度が低い、書き味が滑らかなイージーフロー芯が多く使われるようになりましたが、カランダッシュのボールペン芯は、この芯だと滑りすぎるという人たちに熱烈に支持されています。カランダッシュのボールペン芯であるゴリアット芯が非常に滑らかなのは、筆記具の業界にいる私たちにとっては常識ともなっています。
インク充填容量多く、A4の用紙で600枚、距離で8kmも書くことができ、これは他社の1.5倍にも相当します。
849コレクションの100周年モデルも、同じゴリアット芯を使っていて、カランダッシュの色鉛筆のデザインをアルミのボディにアレンジしてあしらった、とてもかわいらしいデザインだと思っています。
エクリドールよりも軽めのボディは、女性の方でも持ちやすいものであると思います。
定規あるいは目盛好きの私が100周年コレクションの中で最も気に入っているのは、2mm芯ホルダーのフィックスペンシルです。
目盛のどこが良いのか上手く説明できないけれど、整然と並んでいて、これ以上美しい模様はないと思っています。
ボディは意外なほど軽く、プレスリリースではボディ素材にアルミが使われているということになっています。
いずれにしても大変凝った玄人好みな商品だと思います。
フィックスペンシルは、太芯のペンシルにとって最もオーソドックスな機構であるドロップ式になっていますが、これはカランダッシュが世界で最初に作ったものでした。
微妙に芯の出す長さを調整することができるし、故障の心配も少ない優れた機構だと思います。
ドロップ式の芯ホルダーの定番機能、ノックバーの中に芯研器も仕込まれています。フィックスペンシルには、黒芯の他に水溶性のカラー芯も付属していて、水彩色鉛筆としても使うことができます。
100周年を記念する限定品の中に万年筆がなかったのは残念でしたが、カランダッシュらしいこだわったものが出来上がったと思います。
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