先にお断りしておきますが、今回のrectoの話題は火曜日(8/12)に更新しました“ドレープ”のブログと重なってしまいました。内容についてはそれぞれが選んでいるためですが、ドレープとは少し内容の切り口が違いますので、お付き合いください。
今夏の大和出版印刷の新製品でご紹介が遅くなりましたが(ホームページには既に掲載しています)、ぜひ私の言葉でお伝えしたいと思っていました。
実は今回の大和出版印刷の新製品の中で、私が個人的に一番気に入っているものが方眼罫ノート recto(レクト)だと言うと、書き味の良さとインク乗り性能の高さが話題になっているグラフィーロ人気に水を差すだろうか。
もちろんグラフィーロのシリーズは消耗品として扱われる紙製品としては存在感があり、フィーリングをとことん追究した、最も今日の筆記用紙に求められている理想を具現化したものです。
対して「あったらおもろいから作った」と武部社長が言う、1㎜から8㎜までの方眼罫が揃う(A5サイズ)ノートメーカーは日本でも大和出版印刷だけだと思いますし、もしかしたら世界唯一なのではないかと思っています。
表紙にはこだわりが感じられるしっかりした紙質のiiro(イーロ)と同じ紙が使われていて、その丈夫さは折紙つきです。デザインはシンプルですが、特徴的なものになっています。
ここ数年の大和出版印刷の紙製品は、「神戸派計画」というブランドのもとに統一感を持たせて作られています。
神戸派計画のデザインを担当しているのが、デザイナーの菅原仁氏で、菅原氏によってキレのある、でもひとつ花を添えたようなデザインが特徴になっています。
そのRectoのラインナップに正方形ノートがあることがとても嬉しく思います。
これは当店と分度器ドットコム・大和出版印刷の3社が共同で企画したオリジナルダイアリーと同サイズであり、ル・ボナーがジャストサイズの革カバーを作っていることで、すべてを組み合わせて使うことができるからです。
正方形サイズでは、既に方眼罫と横罫をリスシオ・ワンで発売していますが、厚手の糸がかり製本のしっかりしたものでした。
Rectoの正方形ノートは薄手のため、何でも書き込むサブノートとして使うことができますし、項目別に使い分けて必要な時だけ持ち出すノートとしても使うことができます。
どのサイズも、中紙はインク伸びがいい、万年筆で書きやすい紙が既成の印刷用紙の中から選ばれていて、グラフィーロほどではないにしても、充分な書き味の良さも備えています。
A5サイズは1㎜~8㎜方眼。B5サイズと正方形サイズは3㎜~6㎜という16種類のバリエーションを前にすると、どれを使おうか、と迷ってしまいます。
私は普段文章を書く時は横罫にこだわっているけれど、商品の図面を引いたり、考えをまとめたりするのは、方眼罫を使います。
その方が少しでも頭がクリエイティブに働くような気がして、内容によって直感的に方眼罫を選んでいるのかもしれない。
普段目にしないピッチの方眼罫から、自分が探しているものが見つかるかもしれない。
*画面中央は店主私物です(4mm方眼を使用)