先日訪問しました王子公園駅近くの590&Co(こくえんあんどこー)さんで、たくさんの鉛筆や芯ホルダーを目にして刺激を受けました。
私が万年筆で書くことの楽しさを伝えたいと思ったのと同じように、きっとその店の店主さんも鉛筆など黒鉛芯の筆記具に夢中になっていて、専門店を作りたいと思ったのだと思います。
私たちの仕事は自分の「面白い」を人に伝えることだけど、そのお店からはちゃんとそれが伝わってきた。私も万年筆だけでなく、用途に応じて鉛筆やシャープペンシルも使いたいと思いました。
万年筆は書き味の良い筆記具で、私などはその書き味を味わいためにどんな用途にも万年筆を使いたいと思ってしまいます。
でも万年筆には万年筆の適正のようなものがあるのだと思います。
手紙を書いたり、手帳やノートに記録を残すなどの用途には万年筆が合っていると思います。
万年筆はインクが乾くという問題がありますので、例えばキャップを開けたまま長時間考えごとをするのは向いていません。
私はブログやペン語りなどの文章を考えることが多いのですが、いつもまず下書きをしています。
文章を考えながら直にパソコンで打ち込むと言うことができないので、ノートに下書きして、校正しながらパソコンに入力している。
下書きをするときに頭の中でかなり考えて、組み立てて、一気に書き上げるような時はいいけれど、例えば今回のように苦しみながら文章を書いている時は手が止まることが多い。そんな時はシャープペンシルの方がいいのかもしれません。
そう考えると、シャープペンシルは頭の中にあるものをポツポツと書き込むような用途に向いていて、それは思考の道具と言えるのかもしれない。
最初にセットされているシャープペンシルの芯を入れ替えて、好みの濃さや色に替えたりカスタマイズできる部分があるのも面白い。
ところで日本のシャープペンシルのユーザーは、中学生、高校生、大学生など、学生が多いのかもしれません。
文房具店で販売されているシャープペンシルの多くは、機能は素晴らしいけれど、学生向けのデザインのものが多い。大人がビジネスの場で使えるものは少ないと思います。
だけどこの分野なら当店にもできることがあります。
工房楔の永田さんは、シャープペンシル、芯ホルダーなど黒鉛系のものを多く作っています。
こだわって選んだ銘木の、杢の良い部分をペンのボディにしていますので、同じ材でも同じものは絶対ありません。大量生産の製品とは一線を画しています。
工房楔のペンシル系の筆記具。大人の思考の道具として、幅広い年齢層の人に使っていただけるたらと思い、当店も力を入れています。