ローラーアンドクライナーのスカビオサという名前のインクにハマっています。
スカビオサという言葉の響きと少しもの悲しげで、諦めたような、覚悟を決めているような色の印象が好ましく、気に入って使い始めましたのですが、最初はお客様が使われているのを見て気になったからでした。
万年筆を使いだして長くなるけれど、それまであまり気にならなかったインクがいろいろ気になりだして、今頃インクの色への興味、探究心が出てきたのかもしれません。
インクの色が気になりだしたのは、当店オリジナルで作ったインクノートを書き始めたからだと思います。
使っているインクをインクノートに書いて整理していると、もっと他のインクも使ってみたくなるという効果があって、手帳は全て同じ色で統一したいと思っていたはずなのに、スカビオサの他にもKWZ(カヴゼット)インクにも手を出しています。
インクノートは、当店の特長のひとつでもあり、色の世界観を和歌などで表現している「色見本帳」を書いているスタッフKが長年温めていた企画で、インクのデータ以外にもシールを貼って所有インクを一覧できるチャート表もある、マニアックなものになっています。
持っているインクを人に見せることもできる遊び心もあるけれど、持っているインクを一目で把握できて、インクの二重買いを防げて、使い方次第ではどの万年筆にどのインクを入れたかも分かる、万年筆を使っている人の助けとなるものだと言えます。
中紙はインクの色を正確に残すことができるバガス紙をこだわって選んでいます。
手応えのある書き味が楽しめる紙で、インクの収まりも早く、このノートに適したものになっています。
当店オリジナルダイアリーと同じ正方形サイズになっていますので、ダイアリー用の革カバーも使うことができるし、ダイアリーや他のノートとともにインクノートを挟むことができて、使い方にも様々な広がりがあります。
1冊で36色のインクについて書くことができますが、もしかしたらそれでは足りない人もいて、色ごとに分冊して、複数のインクノートを使い分けて使う人もいるかもしれないと、皆様がこのノートをどのように使われるかを楽しみにしています。