ラマシオンの時計と3月9日・10日のイベントのご案内

ラマシオンの時計と3月9日・10日のイベントのご案内
ラマシオンの時計と3月9日・10日のイベントのご案内

あまり好きな言い方ではないのですが、語るべきストーリーと歴史があって、誰もが良いと言うもの、そしてたいてい値段の高いものは一流品と言われます。
でも本当の一流品はそれだけではないと思っています。
小規模でメディアに取り上げられていないブランドの中にも良いものはあるし、人によってその価値観は違う。一般的な一流品という言葉に縛られたくないと思います。
誰もが良いと言うものの良さも認めながら、当店独自の見識で価値があると思うブランドを提案できたら、素晴らしい。
それは当店のような小さな店が生き残るための生存本能のようなものなのかもしれないけれど、仕事としてやり甲斐があると思います。

同じ神戸の時計作家、ラマシオンの吉村恒保さんがひとつずつ作る時計に、当店が提案したい時計のあり方を見て、当店でも扱わせていただくことになりました。
ムーブメントは信頼性の高い国産メーカーのもの、機械式はシチズンMIYOTA製、クォーツはセイコーのものを使用して、ケース、文字盤、リューズ、ベルトまでも手作業で1点ずつ作られています。
だから全ての時計が世界でひとつの一点ものだし、オーダーで全てを自分好みに作ってもらうこともできます。

万年筆と腕時計は似ています。
字を書くのにわざわざ万年筆を使わなくても、いくらでも手軽なものはある。でもその書き味と趣を楽しみたい。
時間を知るためにスマホの時計を見る人も多く、もしかしたら機械式の時計よりも時間は正確なのかもしれない。しかし私は「腕時計で時間を見る」という行為に趣を感じる。
それはほんの一瞬かもしれないけれど、自分の好きな時計、愛用する時計の文字盤を見て時間を知る行為を大切にしたいと思っています。

たき火の炎や川の水の流れをいつまでも見ていられます。規則性がないようであったりして、見ていて面白い。文字盤から垣間見ることができるムーブメントの規則正しい動きも、見ていて飽きないと思いました。
時計ひとつにもいろんな楽しみがあります。私はラマシオンの吉村さんの作品である時計を縁あって目にすることができて、それを当店から皆様にお勧めできることに喜びと新しい仕事への意気込みを感じています。

3月9日(土)・10日(日)、12時から19時までラマシオンの吉村さんが当店に滞在し、自作の時計やアクセサリーを販売していただきます。
当店で在庫しているもの以外にもお持ちになりますし、当店スタッフも魅了された繊細なモチーフのネックレスやピアスなどもご覧いただけます。
そして何より、つい色々話したくなる雰囲気のある、吉村氏の人間性を知って欲しい。

2日間のイベントですが、ぜひこの機会にラマシオンというブランドを見ていただきたいと思っています。

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プラチナ創業100周年記念万年筆「センチュリープライム」

プラチナ創業100周年記念万年筆「センチュリープライム」
プラチナ創業100周年記念万年筆「センチュリープライム」

プラチナ萬年筆が今年創業100周年を迎えていて、記念万年筆「センチュリープライム」を発売しました。
1967年に発売されたプラチナを代表する伝説のペン「プラチナプラチナ」のデザインを復刻させながら、現代の技術を込めた万年筆です。
きっと万年筆が好きな多くの方、特に当店のお客様なら期待通りの限定万年筆が発売されたと思っていただけると思います。

純度の高いスターリングシルバーをボディにした外装は、プラチナプラチナのデザインを忠実に再現していますが、ペン先周り、キャップの機構は信頼性の高い現代のプラチナセンチュリーで成功した技術が使われています。
1967年日本の万年筆は黄金期を迎えていて、様々な万年筆が各社から発売されていました。
その中でもスターリングシルバーのボディと大型ペン先のプラチナプラチナの存在感は強烈なものがあったと想像できます。
当時のモデルを今見ても、主張のある良い万年筆だと思いますので、時代を超えた力強い魅力があるのだと思います。
プラチナプラチナは、非常に硬いプラチナ合金のペン先で、発売当初は中字のみの設定でした。
今回のセンチュリープライムで、「細軟、中軟、太」から選べるようになっているのは、万年筆がより趣味的な存在になっているということを意識したことだと理解できます。
51年前と今では万年筆を取り巻く環境は違いますし、当然100年前とは全く違っているけれど、プラチナ萬年筆は生き残っている。
それはプラチナが古いものにこだわらず、進取の気持ちと、でもプラチナらしさを持ち続けたからなのではないかと思っています。

センチュリープライムには、ペンスタンド、ボトルインクなどとともに豪華な100周年記念ブックレットが同梱されています。
それを見てもプラチナが時代を反映したペンを作り続けてきたことがよく分かるし、現代のプラチナ萬年筆を代表する万年筆センチュリーにもよく表れています。

時代とともにしなやかに変化し、でも他社とは違うプラチナらしさを表現し続けてきたから100周年を迎えることができた。
私達は簡単にこういう限定品が出たらいいなと口にするけれど、そういうお客様の気持ちをつかむ製品を生み出すことは簡単なことではないと思います。
それは立場が違うからに他ならないけれど、この創業100周年記念万年筆センチュリープライムはとても良い企画、良い万年筆だと思っています。
そこには製作者側の万年筆に対する気持ちの持ちようが表れている。
万年筆が好きで使っていたい、持っていたいというユーザーの立場に立って作られたものだと思います。

⇒プラチナ創業100周年記念万年筆「センチュリープライム」

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世界に1本だけの万年筆

世界に1本だけの万年筆
世界に1本だけの万年筆

万年筆は工業製品で、ものによっては年間何千本と生産され、不特定多数の顧客のために作られています。
しかし当店のこだわりは、その万年筆を使う人のためにペン先を調整して、その人だけのためのものにする。「世界で1本だけの万年筆にする」ということです。
それが万年筆店として当店が目指すところで、それが可能なのが万年筆の良さで、それができることが当店のアドバンテージなのだと思っています。
世の中にはたくさんのモノがあって、同じものを世界中どこでも買うことができるけれど、私はそれを当店で買ってくれた人のことをなるべく理解して、その人のためにより書きやすくしたいと思っています。

1万円の万年筆は1万円の万年筆として一番良い状態にするし、5万円の万年筆は5万円の万年筆のポテンシャルを最大限引き出した上で、その人仕様にする。
万年筆で書きたいと思った人、万年筆を持ちたいと思った人に対して、当店ができる幸せの提供は、その人に合った世界でひとつの万年筆を用意することで、ペン先をその人仕様にするということはそれに含まれます。
ペン先調整は当店としては最も努力して、良くしていかないといけないことだと思っています。

細字研ぎ出し加工のペンポイントの形状を変更しました。
今までは先端の丸さというか、尖り具合にこだわっていたこともあって、ペンポイントの切り割りを中心とした部分が他の部分よりも飛び出していないといけないとしていました。
それは確かに細く書くことができるけれど、ペン先が馴染むまではチリチリとした引っ掛かりを感じました。
しばらく使うとそれはなくなって滑らかに書けるようになるけれど、少し時間がかかります。
新しい細字研ぎ出し加工は、ペンポイントを四角く仕上げて、角や縁を落としてひっかかりをなくしています。
四角くすることで接地面は広くなって書き味ははじめから良くなりました。超極細は尖らさないと難しいですが、国産細字程度ならその形で十分作れます。
細字研ぎ出し加工は、ペリカンM400でしかできないと思われている方もおられるかもしれませんが、どの万年筆にも可能です。

ペン先全体にロジウムやプラチナの装飾で銀色に見せているものは、それらのメッキが剥がれてしまいますが、金色のペン先であればどれでも可能です。
手帳を書くために国産の細字の万年筆を使ってもいいけれど、太すぎて使えなかった海外のペンを、細字研ぎ出しをして手帳などに使えるようにするということも、世界でひとつの万年筆を作るということだと思っています。
細字研ぎ出し加工が活きるのは、インク出が多かったり、字幅に関係なくペンポイントが大きくて、最も細い字幅を選んでも太い線になってしまう万年筆です。
ペリカンスーベレーンがその代表ですが、ウォール・エバーシャープデコバンド、スカイライン、パーカーなど字幅の選択肢が少ない万年筆でも有効だと思います。
欲しい万年筆の字幅がない、手持ちの万年筆を有効に活用したいなど、何なりとご相談下さい。

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ペン先調整

ペン先調整
ペン先調整

この店が始まった時から、お金をいただいてペン先調整をしています。
今ではそれが普通のことになっていて、最初の頃の緊張感を忘れかけているのではないかと思いました。
今思い返すとよく始めることができたと思うけれど、唯一自分ができることで、世の中の役に立つことだから何としても仕事にしなければ、という必死な想いがありました。
道具も揃っていなかったし、自分では充分理解しているつもりだったけれど、今から考えるとやはり充分ではありませんでした。
やはり怖いもの知らずだったから始めることができたのかもしれません。
当時なかったペン先調整の機械も2代目になって、字幅を細くする時間も早くなったし、仕上がりも格段に良くなりました。

ペン先調整は、お客様がこの店に最も期待して下さっていることのひとつで、当店の生命線だと思っています。ペン先調整がなければ当店は続いてくることができなかっただろう。
有料でペン先調整をするということを、まだ始めたばかりの頃にチャンスを下さった皆様には特に感謝しています。
創業10年目にして手に入れた理想のペン先調整の機械は特に大切にしたいと思っていて、時間ができた時は入念に手入れをしています。
真円が狂っているとペン先が跳ねて調整しにくくなるので、そこらじゅうについている磨き粉を拭き上げて、ゴム砥石にやすりをかけて真円に近くします。
それから粗研ぎ用のやすりも交換します。

今の機械は2年前にペンランドカフェのオーナーだった高木社長に紹介していただいた機械製作会社のエンジニアの方に作っていただいたもので、とても気に入っています。
手入れをするとより愛着が増して、使うことが楽しくなります。
でも手で調整していた時から、ペン先調整は楽しくて仕方なかった。
自分の手で書きにくい、時には書けない万年筆が書けるようになるということが嬉しくて仕方なかった。
今も同じ気持ちのままペン先調整をしています。

時々、ペン先調整はどういう時にしてもらえばいいか、ペン先調整で何が変わるのかと質問されることがあります。
そういう時は、どういう不満があるのかをおっしゃっていただければ解消できるようにしますと、お答えしています。
お客様がそのペンのどういうところが不満なのか、そしてどこをどうすればそれが解消できるかを的確に見抜く力がペン先調整にとって必要な能力で、それはお客様のことを理解するという、サービス業においてすごく基本的なことと共通しています。
だから私にもできると今は思っています。
万年筆店にとってペン先調整は必須の技術なのではないかと思います。

ペン先調整ができるということは、ペン先の良し悪しを判断できる目を持っているということで、万年筆を扱う店として必要なことだと思います。
実際、万年筆を販売する店でペン先調整をしている店は少ない。
それが万年筆を使いたいと思った人が店に買いに行かず、値段の安いネットショップで買うということになっている理由のひとつになっています。
ネットショップではできないサービスができて、気持ちよく書くことができる万年筆を用意できたら、安心して万年筆を買うことができる店を探しているお客様はその店を選んでくれる。
そういった思いもあるし、自分が唯一できることを求めてくれる店があったということもあって、本当は自分の店で精一杯だけど、他所のお店の応援に出向くこともあります。
2月21日(木)・22日(金)は、新しくできた「なんばスカイオ」にあるKA-KU大阪店で、万年筆の販売応援としてペン先調整に行かせていただきます。
カクテルインク、オリジナルノート作成サービスなどをする新しいお店KA-KU大阪店も、万年筆を安心して買えるお店として知って欲しいと思います。

お店が違ったらそれはライバルなのかもしれないけれど、私たちはその前に万年筆の世界が注目してもらえるようにしなければいけないし、自分の店のライバルは、近くにある同業他社ではなく、例えば同じ元町にあるカメラ屋さんだったり、楽器屋さんだったりするのではないか。
趣味のものを扱うお店全てがライバルだと思うと、万年筆をカメラよりも、音楽よりも面白いものにしなければいけないと思っています。

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⇒2016.4.1「ペン先調整人の言い分」

こしらえ用ボールペンユニット完成

こしらえ用ボールペンユニット完成
こしらえ用ボールペンユニット完成

ミニ5穴のシステム手帳を使い出して、細かい文字をきれいに書けるペンが必要になってきました。
ミニ5穴は紙が小さいので当然書くスペースが小さくなります。特にマンスリーダイアリーなど小さな文字で書く必要があります。
万年筆でそれができたら素晴らしいけれど、私はそれを0.3ミリのゲルインクボールペンで書いています。
実はゲルインクボールペンも好きでずっと使ってはいましたので、それなりにこだわりはあります。
好みは三菱のシグノ、ゼブラサラサでしたが、筆文葉リフィルを作っている智文堂のかなじともこさんがペンテルエナージェルを愛用されていて、それもいいなと思いました。

それらのゲルインクボールペンは大変手頃な値段で素晴らしいけれど、もっと良い軸のものがあってほしいと思ってしまいます。
見た感じ、触った感じも良いものがあって欲しいけれど、先端の口金部分(円錐形パーツ)がプラスチック製なので書いていて頼りない「たわみ」のような感触があり、不満に思っていました。
そういったことをずっとモヤモヤと考えていましたが、ないものなら作ろうと、当店オリジナル万年筆銘木軸こしらえに合う、ゲルインクボールペン芯を使えるボールペンユニットを作ることにしました。

埼玉県川口市の「筆記具工房」で修理を専門にされている金崎徳稔さんにお願いして、エボナイト削り出しのボールペンユニットを作っていただきました。
シグノもサラサもエナージェルも使うことができるボールペンユニットで、バネでボディに合わせるのではなくて、芯がピッタリと収まるシリンダーに収めて使えるように考案しました。
できあがったこしらえのゲルインクボールペンは、使ってみるとまずかなり気分が良い。
そしてエボナイトで作ったので、従来のプラスチック製と違い、たわみのないしっかりした筆記感が得られました。

こしらえはパイロットカスタム742、カスタムヘリテイジ912のペン先ユニットが使うことができ、こしらえ長軸はカスタム743も使うことができる万年筆用銘木ボディです。
それだけでも充分かも知れないけれど、国産ゲルインクボールペンを大人が愛用するのに相応しいものにするために、このユニットを作りました。
こういうボールペンあったらいいなと思っていた方は多いと思います。

ただこのボールペンユニットが使用できるこしらえに制約があって、現在確認できているのは真鍮パーツとエボナイトパーツに使用できるということです。
ステンレスパーツ、あるいは初期のこしらえなどはボディ側内部の長さが足りず(内部の長さ76ミリが必要)、このユニットが入らないようです。

トラブルを避けるため、このボールペンユニットの販売は店頭あるいは出張販売のみに限らせていただきます。お買い求めの際はお持ちのこしらえをご持参いただいて、入るかどうか確認させていただいてから販売させていただきます。
価格はエボナイト製の完全手作りパーツのため、1点10,800円(税込)です。
ボールペンとしての書きやすさに驚きましたので、興味のある方はぜひお試し下さい。

またWEBサイトで販売しているこしらえには、「ボールペンユニット使用できます」の表記をしています。この表記のある商品にはユニットがお使いいただけますので、ご希望の方はコメント欄でお申し付け下さい。ご用意させていただきます。

*Pen and message. 工房楔 銘木万年筆軸「こしらえ」cbid=2557546*Pen and message. 工房楔 銘木万年筆軸「こしらえ」csid=1″ target=”_blank”>*Pen and message. 工房楔 銘木万年筆軸「こしらえ」

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⇒2013.4.12「万年筆銘木軸「こしらえ」」

~手帳が長続きしなかった人にも~ミニ5穴システム手帳

~手帳が長続きしなかった人にも~ミニ5穴システム手帳
~手帳が長続きしなかった人にも~ミニ5穴システム手帳

一昨年から休み用の手帳としてミニ5穴システム手帳を使っています。
若い頃はこんなに小さな手帳では書くところが少な過ぎて使えないと思っていましたが、使ってみるとポケットに入っていつでも取り出して書くことができるし、外で手帳を開いて見ていても何となくさりげない気がして、自分の手帳を使う気分に合っている。
1年ほど使ってみて、これは仕事にも取り入れてみようと思い始めました。
バイブルサイズのシステム手帳や正方形のダイアリーなど、すでに使っているものもあって、どのように使い分けるかが課題でしたが、試行錯誤するうちにやっと役割が決まってきました。

店の仕事の全ての記録はバイブルサイズで書いているので、バイブルサイズは保存する情報を清書して残しておくためのもの。
正方形ダイアリーはまず予定を書き込んで、仕事のスケジュールを考えるためのもの。
そしてミニ5穴はスケジュール、ToDoメモ用という役割になっています。
1枚のリフィルを1日1ページに見立てて、そこにToDoやスケジュール、メモなどその日のことを書きます。
バイブルサイズの1日1ページは余白だからけで、もったいないような気分になりましたが、ミニ5穴だとそんなことにはなりません。
小さな手帳にメモを書く。ペンを使う基本的な楽しみをミニ5穴は思い出させてくれました。

好きで手帳を書いている人やしっかりと活用出来る人は、ミニ5穴に役割を与えて、バイブルサイズや今まで使ってきたものと使い分けることができると思います。
でも今まで良い手帳を使いたいと思って、いろいろな手帳を使っていたけれど、長続きしなかった。これというものに出会えなかった人にもお勧めできると思っています。

色々な手帳を使って長続きしなかった人の中には、手帳をすぐに取り出して書くことができないという人も多く、ミニ5穴はこの問題をクリアしてくれます。
更にリング式のシステム手帳なので、自分なりに手帳の中をカスタマイズすることができます。
ウィークリーや見開き2週間のダイアリーの間にメモ欄を挟んで、ダイアリーとメモを組み合わせるような使い方ができるのはシステム手帳ならではの使い方だと思っています。

私たちのような仕事では忙しい日とそうでない日の差が大きく、週明けには週末の仕事をまとめてするようなことが多い。手帳にその日の動きを整理しておくと、漏れなく効率的に仕事する役に立ちます。

ミニ5穴の使い方に合ったペンをいつも手帳とセットして、すぐに使えるようにしておくために手帳とペンを組み合わせる助けになるペンホルダーはぜひお使いいただきたいもののひとつです。
万年筆ではペリカンM300やM400、アウロラミニオプティマなどの小さめの万年筆がピッタリですが、今後いろいろご提案していきたいと思っています。

ミニ5穴のおもしろいところは、何冊も持っておいて気分によって本体を交換して使いたいと思えるところです。
それは持って出かける万年筆をその時の気分によって選ぶのと似ています。
バイブルサイズや大きな他の手帳に比べて、遊びや趣味の要素が大きいのもミニ5穴の性質で、今年当店はミニ5穴のシステム手帳の遊びも提案していきたいと思っています。

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万年筆で書ける文字

万年筆で書ける文字
万年筆で書ける文字

今年最後のペン語りになります。
年明け1月5日(土)11時からホームページと店頭で、工房楔のお年玉企画商品を販売します。どうぞ、ホームページをご覧下さい。

当店は12月28日(金)から1月4日(金)まで年末年始休暇に入りますが、その間もホームページは営業しています。
工房楔の年末に仕入れた新商品は注目していただきたいし、、11月に発売になった限定万年筆ペリカンM800ストーンガーデンなどは、もっと人気が出てもいい万年筆だと思っています。お正月休みのお時間がある時に、じっくりご覧下さい。

きっと多くの方が賛同してくださると思いますが、ペリカンM800は手との一体感が感じられる万年筆だと思っています。
持っていること、万年筆で書いていることを意識させずに、自然体で書くことができる。そう思っているので、こんな風に書けたらと思い描いた文字が、M800なら自分なりにですが書くことができます。
でも書ける文字で驚いているのは、ウォール・エバーシャープデコバンドです。
私はこの万年筆を使って楽しい、書いて楽しい趣味の万年筆といつも言っているけれど、実はデコバンドは書道の経験のある人からの評価が高く、ただの趣味の万年筆という道楽の道具で片付けてはいけないのかもしれないと思い始めています。
ボディが大きいので、文字がつい大きくなってしまいますが、形の整った堂々とした文字が書けると思っています。
ウォール・エバーシャープのシド社長が、それはボディが大きく腕で書くようになるからだと説明していました。腕で書いているつもりはないけれど、自分の文字が変わることは意識していて、このペンでないと書けない文字があります。
万年筆は趣味で持つものだと私は決めつけています。そう仮定しないと様々なことの説明がつかないからだけど、やはりどうせ書くならじぶんなりに美しい文字が書ける万年筆で書きたいと思う。
M800とデコバンドにはその要素があって、愛用に値する万年筆だと、今年最後に皆様にお伝えしたいと思いました。
良いお年をお迎え下さい。来年もよろしくお願いいたします。

⇒ペリカンM800ストーンガーデン
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イタリアの家族経営の物作り アウロラ

イタリアの家族経営の物作り アウロラ
イタリアの家族経営の物作り アウロラ

イタリア人の家族経営の会社の多くが、事業を拡大させることよりも仕事の質を上げることを大切にしていることを、いくつかの本を読んで知りました。
彼らはアメリカ式の均一にサービスを提供するチェーン展開のように、たくさんのモノを売ったり、作ったりすることを良いとは思わない。
提供できる数に限りがあっても今のクオリティを維持し、できればもっと良くして、自分たちが提供するサービスのファンになってくれている人にもっと喜んでもらえるものを提供したいと思っていて、そうすることが自分の仕事を長く続くものにすることにつながると信じています。
そういう考えを繰り返し読んで、自分にもその考えが染み付いたのは、直感的にイタリア人の経営の哲学に共感したからなのだと思います。

全ての日本人とイタリア人がそうではないと思うけれど、両者は似た感覚を持っているように思います。それは世界的に見てもユニークで、日本人とイタリア人だからこそ持ち得たものではないか、と思うのです。
堅実な経営をする小さなイタリアの会社が多い中で、オマスとデルタの倒産は非常に残念でな出来事でしたが、それだけイタリアの経済は日本以上に不況に喘いでいるのかもしれない。
アウロラも万年筆の会社としては小さいとは思わないけれど、世界的に見ると小さな会社で、万年筆を中心とした高級筆記具だけを作り続けています。
他の業界と同じように、ヨーロッパではメーカーを越えて部品の共用化が進んでいて、各パーツの専門業者から供給を受けることで、生産の効率化が図られています。それが今の物作りで、仕方ないことなのかもしれません。
しかしアウロラは今も自社による一貫生産にこだわっていて、全てのパーツがオリジナルで、自社で作られています。
そんな物作りをしている万年筆メーカーは日本のメーカーとアウロラだけで、非常に稀有な存在です。

特徴的な書き味の14金ペン先も使い込むと柔らかい書き味に変化していき、万年筆を使って育てることを教えてくれますし、限定品などに使われている18金ペン先は柔らかい書き味を持っていて14金を使用する定番品と差別化されています。
ほとんどのメーカーが、その優れた生産性の高さから、プラスチック製のペン芯を使用していますが、アウロラはエボナイト製のペン芯にこだわっていて、これも使い込むほどに書き味が良くなっていくのに役立っていて、アウロラの特長になっています。

アウロラは来年100周年を迎え、99周年の今年も多くの限定品を発売してきました。
最新作は、サトゥルノは、定番品の88をベースとしています。
アウロラには88とオプティマという代表的な定番モデルがあります。
88は両エンドが丸く、バランス型と言われるボディ形状をしていて、その分大きく見えます。オプティマは両エンドがカットされた平らな形状になっているベスト型で、コンパクトな印象のあるペンです。

少し前に発売された限定品オプティマ365タルタルーガはオプティマがベースとなっています。
どちらにも共通するのは、大人っぽい抑えた華やかさを持ったペンで、イタリアらしい美的感覚で作られたペンだと言えます。
真紅のマルス、明るいオレンジ色のソーレという、これらもとてもイタリアらしい強い色彩を持つ現在販売中の限定万年筆ですが、それらにもまた違ったイタリアらしさを感じます。
経営の仕方や物作りの哲学など、イタリアと日本で共通の感覚はあっても、デザインの感覚や製品はかなり違っていて、イタリア人に日本製のような安価で良質なオーソドックスな万年筆は作れないし、日本人にはイタリア製のような美しい万年筆は作れないと、多くの製品を見て思いますが、お互い持ち得ないところを持っています。

ユニークで独創的なアウロラの万年筆がイタリアの万年筆の象徴で、今のような堅実で自社の強みを生かした経営を続けてもらいたいと心から思います。
いつまでも存在し続けて、100年、200年と万年筆を作り続けてもらいたいと思っています。

⇒AURORAトップページcbid=2557105⇒AURORAトップページcsid=2″ target=”_blank”>⇒AURORAトップページ

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ウォール・エバーシャープ スカイライン万年筆

ウォール・エバーシャープ スカイライン万年筆
ウォール・エバーシャープ スカイライン万年筆

日本で唯一当店が輸入しているウォール・エバーシャープ社との仕事は、ゆっくりしたペースですが着実に進んでいます。
オーバーサイズ万年筆デコバンドは、使っていて楽しく書き心地の良いもので、特別だと思える万年筆です。いつでもお渡しできるように、できるだけ在庫を持ちたいと思って仕入れています。
しかし、実はウォール・エバーシャープ社で最も有名なペンはスカイラインです。
1940年代当時、販売競争が激化していた状況で、ウォール・エバーシャープ社が工業デザイナーの ヘンリー・ドレファス氏に依頼し、社運を賭けて作り上げたスカイライン万年筆は、流線型の滑らかなデザインと実用性の高さから大ヒットしました。
ウォール・エバーシャープ社が今の体制になった1990年代からスカイラインを復刻して、作り続けています。

当店もスカイラインを揃えたいと思っていましたがなかなか数が揃わず、出張販売に1、2本持って行くのが精一杯でした。今回ある程度の数が用意出来ましたので、ホームページに載せることができました。
スカイラインは標準サイズの万年筆で、ペリカンで言うとM600、アウロラオプティマに相当する万年筆です。
キャップが金属で重く、それに対してボディは軽いのですが、キャップの尻軸への入りが深いのでバランスは悪くありません。
本国仕様のスカイラインのほとんどがスチールペン先で販売されているのですが、当店が販売するスカイラインは、日本仕様として14金ペン先にアップグレードしています。
店頭にはアルミ削り出しボディの「テクニック」というモデルがスチールペン先でご用意していますので、ご来店のお客様にはスチールペン先もお試しいただけます。

スカイラインのペン先は字幅がひとつしかなく、国産のペン先で言うと太字くらいの太さになります。柔らかめのペン先なので結構太めになりますので、中字や細字をご希望のお客様には研ぎ出しして対応いたします。
ホームページの字幅選択欄でB(太字)以外は研ぎ出しM(中字)、研ぎ出しF(細字)となっているのはそのためです。
研ぎ出してご用意していますので、Bより細ければお客様のお好みに合わせることができます。メモ書きをお送りいただいたり、アバウトに国産極細くらいという指示でも可能ですのでお申し付け下さい。

最近当店では、スタブのペン先を求めるお客様が増えています。
ある程度万年筆が揃ってくると同じようなペン先ばかりになります。よく使う太さはどうしても決まってきますので、線の形が少し違う、スタブのような仕様もいいのかもしれません。
スカイラインのセルロイド調のアンバーパールはカートリッジ・コンバーター両用式で、カートリッジは標準的なヨーロッパタイプです。
ブラック×ゴールドキャップは尻軸を外すと吸入ノブが現れて、それを回転させて吸入させる方式になっています。

ある程度上質な万年筆が最近少なくなってきた。スカイラインは60年以上前にデザインされた昔の万年筆ですが、今の万年筆の業界の空白を埋める存在だと思っています。

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⇒2018.2.2「ウォール・エバーシャープ入荷しました」

ペリカンM600ヴァイブラントオレンジと専用に誂えたペンシース

ペリカンM600ヴァイブラントオレンジと専用に誂えたペンシース
ペリカンM600ヴァイブラントオレンジと専用に誂えたペンシース

ペン先調整の専門的な話になってしまうけれど、寄りを強くしてインク出を絞った万年筆の調整を私は好みます。
そうするとどのようになるかというと、ペン先は硬くなるけれど左右が一体化したような滑りが得られ、インクの濃淡が出やすく、筆圧の加減で文字の強弱がつけられます。
もちろんそれは好みであって、インクが出が多く柔らかいペン先を好む人もたくさんおられることは承知しています。ペリカンの特長はインク出が多い豪快な書き味でもあるので、あくまでも個人的な好みのひとつです。

ペリカンは今年創業180周年を迎えていて、数々の限定品を発売してきました。
記念すべき年を締めくくる限定品として発売されたM600ヴァイブラントオレンジは、明るく瑞々しいオレンジ色で注目されています。
それはペリカンを象徴するモデルM400とM800の中間のサイズで、重さは軽いM400寄り、太さはM800寄りという、それぞれの良いところ取りのプロポーションであるM600がベースということにも理由があるのかもしれません。

M600という、女性の方にも扱いやすい軽いボディのコントロールしやすい万年筆だからこそ、前述したペン先の寄りを強くした絞った調整がハマると改めて思いました。
ペン先を固く絞ることで、どうしても背開き気味になるM600のペン先に一体感が生まれ、別もののような滑りが得られる。
そんなペン先の調整に共感して下さる方がおられたらいいなと思う。
ホームページでおまかせ調整のコメント欄に「12/7のペン語りの調整で」と書いていただけたら、このように調整いたしますのでぜひお申し付け下さい。
店舗でご購入のお客様にはいつも対面で調整していますので、興味のある方は試していただきたい調整のひとつです。

M600ヴァイブラントオレンジの発売と同時に、カンダミサコさんに専用ペンシースも作っていただきました。
定番のペンシース同様、外革はシュランケンカーフを使っていますが、ロゴは金の箔押し、牛革の内張りも施していますので定番ラインより豪華な仕上がりです。
内張りを施すことでペンシース本体がしっかりして、万年筆を収納していてもより安心感があります。
今までもM600の限定品発売の時には、カンダミサコさんがそれぞれのイメージに合わせたペンシースを作ってくれていて、当店らしい企画だと思っています。限定生産ですが、この華やかな万年筆とともにぜひお使い下さい。

M600ヴァイブラントオレンジを気にされる方が多いのは、バランスがちょうどいいM600がベースだからかもしれないけれど、オレンジという元気になれるような、パワーのある明るい色だからなのかもしれません。
私は黒っぽいものばかりを好んできたけれど、モノから得られる元気もあるのかもしれないと思うようになりました。


*ペリカンヴァイブラントオレンジ用1本差しペンシース

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⇒2015.10.2「カンダミサコさんの特別仕様ペンシース」