昨年、ウォール・エバーシャープ社にペンを扱いたいと打診した時から、社長がこの9月にプライベートな理由で来日することは聞いていました。
まだまだ先だと思っていたけれど、その日が本当にやって来ようとしています。
ウォール・エバーシャープ社長シドニー・サパースタイン氏が当店に来て、ウォール・エバーシャープのペンを使っている人や、これからウォール・エバーシャープのペンを使いたいと思っている人の質問に答える、「ウォール・エバーシャープアワー」を行うことになりました。
今までやったことのない企画ですが、面白い試みだと思っています。
エバーシャープアワーは、16時~18時ですが、もちろん店は通常通り営業しております。
昨年できたウォール・エバーシャープとの縁で、当店は日本で唯一ウォール・エバーシャープのペンを扱う店になっています。
エバーシャープだけを扱っているわけではないし、エバーシャープ1色に当店を染めるつもりもないけれど、日本で当店しか扱っていないというのは、オリジナル万年筆と同じくらいの魅力のあることだと思っています。
万年筆を使っていて楽しいと思えたり、その万年筆を使うことが楽しみに思えたりするものをお客様に示し続けていかなくてはいけないと思っていて、その代表のようなペン、ウォール・エバーシャープデコバンドが品揃えに加わったことで、当店とお客様の繋がりがより深くなったと思います。
先日、ウォール・エバーシャープデコバンドがたくさん入荷しました。
ウォール・エバーシャープの販売を始めて8か月ほど経ちましたが、まだまだ慣れず、毎回新鮮な気持ちで、わくわくしながら開梱作業をしました。
お客様方のお好みはそれぞれで、売れ筋はまだまだ見えてこないけれど、なるべく適切な輸入をしたいと思っています。
どこででも手に入るもの、普通の定番の万年筆では面白いと思わなくなった人にも、使い応えのある行くところまで行った万年筆を使いたいと思っている人にも、デコバンドは勧められるものだと思います。
吸入の仕方やオーバーサイズの存在感がイメージとして強いデコバンドですが、大きなペン先とエボナイトの2段ペン芯から生み出される書き味の良さも、このペンを使っていて楽しいと思ってもらえる要素になるはずです。
ウォール・エバーシャープアワーもこの万年筆を手に入れた楽しみのひとつだと思って、遊びにきていただきたいと思っています。
最近の万年筆の傾向は、手に入れやすい価格を抑えたものか、ステイタスになるような豪華なものという両極端になり始めている。
デコバンドはそんな流れの中で異色な存在なのかもしれないけれど、こういう万年筆を支持していきたいと思っています。
*9月20日(木)は18時閉店とさせていただきます。ご迷惑をお掛けしますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
*WAHL-EVERSHARP(ウォール・エバーシャープ)TOPへcbid=2557105*WAHL-EVERSHARP(ウォール・エバーシャープ)TOPへcsid=1″ target=”_blank”>*WAHL-EVERSHARP(ウォール・エバーシャープ)TOPへ
手を動かして仕事する人のためのペン〜クレオスクリベントリネアルト〜
ヨーロッパの高級ステーショナリーの顧客として、貴族は重要な存在なのだと思います。貴族たちの存在がステーショナリーの発展を支え、文化を担ってきたのだと考えると当然でもありますが。
そんな人たちにとって万年筆は実用品として完璧であるだけでなく、宝飾品、ステイタスとしての役割もあるのではないかと思います。
でもそれは私たちにとっての万年筆とは少しずつ違う。上手く言えないけれど、パリッとし過ぎていると思うことがあります。
私たちが、万年筆にステイタスを求めなくなっていることも貴族的な万年筆から距離を置くようになっている理由かもしれません。自分が使っている万年筆のブランド名などは、万年筆に詳しくない人が見てもわからない方がいいとさえ思います。
ヨーロッパで作られている万年筆の多くはもともと貴族たちのためのもので、なんとなく反発心のようなものを覚えていました。
私たちには国から与えられた身分もないし、自分の体を動かして稼ぐしかない。
自分たちのような一般の人間に向けて作られた物に目を向けたいと、最近は思うようになりました。
ウォール・エバーシャープはアメリカという貴族的ではない国で生まれたメーカーです。自分の才覚で電算機会社を興したウォール氏が作った万年筆メーカーだということも、当店で扱いたいと思った理由のひとつだし、同じ理由でクレオスクリベントにも肩入れしています。
クレオスクリベントは終戦後作られた会社ですが、すぐに国がある共産主義になってしまい、政府に接収されて国営企業になったという不幸な歴史があります。でも、だからこそ1950年代の万年筆大不況時代を乗り越えることができたという面もあります。
東ドイツ崩壊後、国営企業でなくなってからも高い技術力で多くの会社のOEMを手がけて、世界に埋もれることなく生き続けている。
クレオスクリベントには、自分たちの道で生きている私たち中小企業の夢を感じています。
OEMばかりやっていて、自身のブランドは非常に寡作なクレオスクリベントの新作をご紹介します。
総スターリングシルバーボディの「リネアアルト」です。
ずっしりと重みがあり、どこか武骨なデザインですが、この独特のデザインもクレオスクリベントの持ち味だと私は思っています。
その大きさからは想像できない柔らかい書き味の上質なペン先が付いていて、書くことを楽しむことができます。
書くこと、万年筆を触っていることを趣味とする私たちが、遠いドイツの片田舎に想いを馳せながら、使ってサマになる趣味の道具のひとつだと、クレオスクリベントについて思います。
⇒クレオスクリベントTOPへcbid=2557105⇒クレオスクリベントTOPへcsid=8″ target=”_blank”>⇒クレオスクリベントTOPへ
製本文庫ノート〜旅日記をつける〜
普段から日記をつけようと思ってみたこともありましたが続いたことはなく、日記を続けることは諦めています。
しかし、旅行に出た時は毎晩、その日を振り返って何か書いています。
万年筆を使うようになってから旅に出ると必ず書いていて、旅は書きたい気持ちをかき立ててくれるものだと思っています。
今まではノートやルーズリーフ、システム手帳など、その時よく使っていたものに書いていました。それぞれどこかにはあると思いますが散逸してしまっていますので集める努力をしないといけない。でもいつかやっておきたい。
そう思って旅日記を決まったものに書きたいと思いました。
旅行の時だけそのノートを持って行く。年2回くらいしか登場機会はないけれど、用途別のノートというのはそういうものだ。
どういうところに行ったとか、どうしたというのは別の小さな手帳に箇条書きに書いていて、それは休みの日の行動記録として時々役に立つことがあるし、行動を記録することで漫然と休日を過ごしてしまうことが防げているのではないかと思っています。
感情を挟まない箇条書きというのは後から本当に読みやすい。
でも本当に書きたいのは自分がどう感じたかとか、何を考えたかということで、それを家族がテレビを観ている時に万年筆で書くことを旅の夜の楽しみとしてきた。
そういう用途に製本文庫ノートがいいと思っています。
今では作ることのできなくなってしまった紙、リスシオワンは最高の書き味を誇る、まさに幻の紙で、オーソドックスな製本の技術で綴じられている製本は何年もの使用に耐えてくれるはずだし、クロス貼りの表紙も丈夫です。
文庫サイズなので荷物にも入れやすく、かさ張らない大きさです。
旅ノートにこれ以上のものはないと思っています。
私が旅に出る目的はいつも、日常とは違うものを見て自分の仕事や生活など様々なことについて考えることで、見たものが自分にどんな刺激を与えるか楽しみにしています。
今夏の家族旅行は、横浜に泊まって東京を中心にあちこち歩き回わってきました。
お店ばかりを見て、観光には行かないけれど、いろんなお店を見ることは趣味でもあり、仕事にもつながることなので、あちこち見ては色々なことを考えました。
6年振りに訪れた東京は、前回訪れた時とはまた違って見えました。
インバウンドという言葉がまだ一般的ではなかった6年前とは違って、銀座は海外からのお客様を迎える態勢が整っているように思いました。
東京オリンピックが、インバウンドの最期の大波なのか、それともこれからずっと続いて行くきっかけになる最初の大波なのか分からないけれど、街はオリンピックを目指して急ピッチで化粧直しをしているように見えました。
ほとんどのお店のターゲットは完全に海外からの観光客で、私たちからすると落ち着かないように思いましたが、それが東京の役割なのかもしれません。
8月末から代官山で出張販売をすることもあって、最近東京に目が向いていました。東京に行きさえすれば何とかなるのではないかと勘違いしていたような気もします。
しかし、いくら東京で商売をしても感覚が古ければ滅びてしまうし、多くのお店がひしめき合っている東京だからこその厳しさがあると思い直しました。
華やかで大きな街東京から神戸空港に降り立った時、その人の少なさと街の規模にホッとしましたが、時間の流れに取り残されているようにも思いました。
ペンを1本だけ持って出る
毎朝、出かける時にその日使う万年筆を1本だけ選んで、ペンケースに入れて持って出ます。
それぞれのペンにイメージの合うインクを入れていますので、その日はその色だけで書き、毎日違う色のインクで書くようになりました。
とてもささやかだと思われるかもしれないけれど、今日はどんな日になるだろうと期待しながらペンを選ぶことは楽しみのひとつになっています。
店なので、誰が来られるか分からない。どんな一日になるのか分からない。
朝、その日一日に希望を持たなかったことはなく、昨日よりも今日の方が良くなるといつも夢を抱いて店に出てくることを10年以上しています。
その日一日への願いをペンにかけているようで、少し恥ずかしいですが。
1本だけ万年筆を収納するペンケースは世の中にいくらでもありますが、こういう使い方なら、頑丈に中身を守ってくれるものを選びたい。
当店ではル・ボナーの絞りペンケースと、イル・クァドリフォリオが製作しているペンケースSOLO、そして工房楔のコンプロット1がその用途にお勧めで、逸品揃いだと思います。
カンダミサコペンシースもペンを1本だけ持ち運ぶものですが、このペンシースの場合は万年筆それぞれの専用ケースとして存在していて、持ち運ぶときは出し入れせずにペンシースごと持ち運ぶ感じ。数が必要になるけれど、便利な使い方だと思います。
ル・ボナー絞りのペンケースは使い込むと艶が出てくるプッテーロ革の魅力が特長です。
革用ブラシで磨くと細かい粒が立ったようなキラキラした表面になり、その美しさに愛着がますます湧きます。
ペンケースSOLOの硬さは、ペンを守ってくれる安心感があります。
色付け加工による濃厚な色合いは海外のペン、特にイタリアのペンの華やかさにも負けない個性の強さを持っています。
ル・ボナーペンケースでペリカンM1000まで、SOLOでM800まで(指で少し抑えて楕円にして入れるとM1000も入ります)の太さのペンを収納できますが、コンプロット1はさらに太いモンブラン149まで収めることができます。
それぞれの素材の木目や杢をデザインとして見て、好みに合う杢を選んで欲しい。
今、夏の旅の季節で、私も来週ちょっとした旅に出るけれど、旅で見たものに刺激を受けて、自分がどんなことを書くこのかいつも期待している。
この旅でも万年筆 を1本だけ選んで、旅先のホテルで夜、ノートに何か書く
ことができたら、それ以上の楽しみはありません。
そんな旅にも期待して、1本差しの ペンケースに収める万年筆を選ぶことも、旅の楽しみの一部なのだと思っています。
*2018年7月30日(月)~8月3日(金)まで夏季休業とさせていただきます。この期間中のWEB発送・お問い合わせの返信は、8月4日(土)より順次させていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
2018年福岡出張販売
今年は出張販売を6月から9月の間に4回入れたので、通常の業務も考えるといつもよりスケジュールがつまっている感じがします。
私の出張販売について大変そう、とたまに言って下さる方がおられますが、私にとっては「楽しみながらできる仕事」になっています。
考えなくてはいけないことや商品の準備など色々必要ですが、やるべき仕事があるというのはありがたいと思っています。
時間や空間にとらわれない出張販売は、店の可能性を広げるものだと思っています。体力の限界に挑むつもりはありませんが、この店や自分がどこまでやれるか知りたいと思っているところもあります。
飛行機や新幹線に大荷物を持って乗り込んで、観光はできないけどその街の雰囲気を味わうのは楽しい。
会場に来て下さったお客様方とローカルなことについて話すのも楽しく、お客様はそんな私に付き合ってくれています。
福岡は街の規模もお客様の層も、良いステーショナリーを売るお店がもっとあってもいい場所だと思いますが、意外にも少ない。
154万人の、神戸より大きな福岡市はもとより、県内・九州全県から人が集まる福岡には多くの企業が目をつけていて、東京・大阪に支店を作ったお店が次に出店するのは福岡が多いという話もよく聞きます。
永田さんと夕食に入った店で、神戸の山麓バイパスが不通になった話をしていたら、カウンターにいたお店の人が「神戸の方ですか?」と聞くので、元町で万年筆店をしていると答えると、当店のことを知っていると言われました。
福岡で当店のことをご存知の方に出会うと思いませんでしたが、それだけ世間は狭く、人の流れも情報も早いのだと思いました。
福岡の人は新しいものに敏感で、お店の入れ替わりも激しく、大名辺りの飲食店では5年経てば老舗と言われる、と聞いたことがあります。
そんな街で自分たちがどこまで定着できるか分かりませんが、やってみたいと思っています。
来年は6月8日(土)9日(日)に開催いたします。
世代を超えて
最近、万年筆を使っている若い人をよく見かけます。
店に出入りしている、すぐ隣の中学校の生徒さんたち。母校で話をさせていただいた時に万年筆を使っていると手を上げてくれた大学生。お父様と一緒に、長く使える金のペン先が付いた万年筆を、と買いに来てくれた高校生もいました。
万年筆を使う若い世代の人はちゃんと育っています。
それはきっと、シャープペンシルやボールペンの延長で気軽に使える、安くて質の良い万年筆が続々発売されていることが大きく影響していると思っています。
そういう万年筆でこの世界に入ってきてくれた人たちに対して、次は何を使ってもらおうか、そして大人になって万年筆にお金が使えるようになった時に、どんな万年筆の世界を見せてあげられるか、万年筆を販売している店は考えておく必要があります。
今、日本の万年筆業界は安価なものが販売の中心になっているようで、それには危機感を持っています。
たしかに実店舗でモノが売れにくい現状において、売りやすいのは単価の安い、お客様が手にとってそのままレジに持ってきてくれるものだけど、それだけではいけない。
お店はお客様の要望に合わせて、高いものにも安いものにも対応する必要がある。
定番の、若い人たちに憧れを持ってもらえるような万年筆を使っていることも、万年筆を使う大人の責任なのではないかと思います。
若い人に憧れてもらえる万年筆として、オーバーサイズの万年筆を今回は取り上げたいと思います。
当店が独自に輸入しているウォール・エバーシャープ社のデコバンドもそれにあたりますが、これに関してはまた別の機会にしたいと思います。
パイロットカスタム漆。
バランスに優れ、書くことにおいて完璧な万年筆、カスタム845をそのまま大きくしたような万年筆ですが、その方向性はかなり違っています。
カスタム845は日本的な美意識を持った、書くことにおいて完璧な万年筆を目指して作られたものだと私は思っていますが、そのライバルはペリカンM800ということになります。
カスタム漆は柔らかい大型のペン先による書き味の良さを誇る万年筆で、書く道具というよりも、趣味のものといった要素が強い。
エボナイトに漆塗りボディのデザインは、何の変哲もないオーソドックスな仕様になっていますが、その書き味こそが趣味のものであって、 趣味としての万年筆のひとつの形を見せようとしているかもしれないと思います。
カクノという手軽に使うことができる万年筆で若いお客様をこの世界に迎え入れて、この世界に少しでも長く遊んでるもらうために、その後のステップアップした商品も用意しておかなくてはいけない。
そのパイロットとしてのステップアップの頂点に、カスタム漆があると思います。
涼やかな黒インク
福岡の出張販売が来週に迫っています。
福岡は「Pen and 楔 in 福岡」として、昨年から工房楔の永田氏と共同開催しています。
永田さんは2018年の新作を、当店もこの出張販売のために準備してきたものを持って行きます。
当店の一番のネタは、ウォール・エバーシャープで、多くの人に見ていただきたいと思っています。
私はウォール・エバーシャープデコバンドのプレーンブラックを使っていますが、これに合うインクをいろいろと試しています。
純正のインクは相性も間違いなく安心ですが、できるだけ様々なメーカーとの相性を知っておきたい。日々、インク出や書き心地などを意識するようにしています。
暑くなってから、デコバンドに当店オリジナルインク冬枯れを入れて使っています。
デコバンドをご購入下さったお客様が、たまたまお二人続けて冬枯れを入れて使うと言われたので、影響を受けたということもあります。
ウォール・エバーシャープ純正インクのラインナップはブルーが2色のみなので、日本人としては必要な黒のインクの相性も知っておきたい。
今現在、特に問題なく使えていますので相性は良いのかもしれません。このまましばらく使い続けてみて、見極めたいと思います。
夏に黒インクは合わないのでは?と思われるかもしれませんが、私は夏こそ黒インクが、それも冬枯れが合うと思っています。
黒とグレーの中間で、書いた後紙にスッと沈み、紙一面に書いても色味でうるさくなることはありません。混じりけのない黒を薄くしたような色で、私はこの冬枯れのインクに清々しさを感じています。
日本人が惹かれる墨絵の世界の色です。
最近母校で自分の仕事について話す機会があり、当店がオープンしてからの10年を振り返っていました。
その時々でポイントとなる出来事があり、雑誌「暮らしの手帖」にライターのSさんが当店と冬枯れのインクについて書いてくれたことがありました。
記事の良さ、暮らしの手帖という雑誌の影響力で、全国から読者の女性が、冬枯れのインクと一生ものの万年筆が欲しいと来てくれるようになり、その効果は何年も続きました。できたばかりの店にとって本当に有難いことで、オープン1年以内の難しい時期をこれで乗り超えることができたと思っています。
冬枯れのインクは色として良いインクだと思っていますが、他のインクにはない思い入れがあります。
*現在冬枯れインク製作中のため、ご希望の方には入荷次第ご連絡をさせていただきます。ぜひお問い合わせフォームからご連絡下さい。
⇒WAHL-EVERSHARP(ウォール・エバーシャープ)TOPへcbid=2557105⇒WAHL-EVERSHARP(ウォール・エバーシャープ)TOPへcsid=1″ target=”_blank”>⇒WAHL-EVERSHARP(ウォール・エバーシャープ)TOPへ
⇒Pen and message.オリジナルインクcbid=2552140⇒Pen and message.オリジナルインクcsid=1″ target=”_blank”>⇒Pen and message.オリジナルインク
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筆文葉中扉リフィルキャンペーンとシグノ用銘木グリップ
初めてのキャンペーンとなりますが、本日29日のご注文より当店オリジナルシステム手帳リフィル筆文葉を1パックお買い上げごとに、中扉リフィル特別パック(3枚入り)をプレゼントさせていただきます。
期間は6月29日(金)~7月29日(日)で、ご来店・WEB注文全てのお客様対象です。
中扉リフィルは、本で言うと扉のような役割をするリフィルです。
そのぺージから変わる内容のタイトルを書けるようになっているのと、裏側にはその内容の目次などが書けるように横罫が印刷されています。
私の場合、システム手帳はそれぞれの取引先様とのやり取りの記録にしていますが、取引先1つにつき1つのインデックスを当てていて、インデックスをめくったところにこの中扉リフィルを入れています。
中扉リフィルの表には例えばカンダミサコというタイトルを書いて、裏面には今までのやり取りで決まったロット数やルールなどを書き出しています。
私はなかなかきれいに書けないけれど、筆文葉のデザイナーかなじともこさんはとてもきれいに仕上げています。
*参照:筆文葉のある生活「最近のシステム手帳の中身」
使い始めるとページに格調が備わったり、見やすかったりしてなかなか良いものだと思っています。
ただあまり馴染みがないアイテムなので、今回のキャンペーンで筆文葉と一緒にお試しいただきたいと思っています。
もうひとつ筆文葉関連のイベントのお知らせです。
7月21日(土)13時~15時、「かなじともこと手帳井戸端かいぎ」を開催いたします。
筆文葉のデザイナーかなじともこさんが、ご自身がお使いになっている手帳などもご紹介していただきながら、手帳について語り合おうという企画です。
筆文葉リフィルの使いこなし方や書き方のコツなど、手帳に関するアイデアなども聞くことができる思います。
参加される方もぜひご自身の手帳の使い方やこだわりポイントなど、教えていただきたいと思っています。
最近、私はゲルインクのボールペンに凝っています。
凝っていると言っても、様々なものを万年筆の代わりにゲルインクのボールペンで書くだけです。
でも、ボールペンで書いていても楽しくて、私は書くこと自体が本当に好きなのだと思います。
書き味こそ万年筆に及びませんが、軽くて、何も気にせずに使える手軽さとボールペンのスピード感は万年筆にないものだと思っています。
ただひとつどうしても我慢できないことがあります。
それはボディのチープさです。
どのメーカーもそれなりに見栄え良く作っているのかもしれないけれど、金額の制約を勝手に設けているせいか、万年筆の仕様や意匠にははるかに及びません。
と言いながらも、いろいろなボールペンを試していて、色々なメーカーのペンを試しているうちに、「ゼブラサラサ」「三菱シグノ」「シグノRE」「三菱ジェットストリーム」、そして筆文葉デザイナーのかなじいさんも好きな「ぺんてるエナージェル」の替芯サイズが同じだということに気付きました。
それはどういうことにつながるかと言うと、例えばエナージェルやサラサの芯を工房楔の三菱シグノRE用グリップと組み合わせて使うことができるのです。
ボディは三菱シグノREのものを使うことになりますが、グリップに銘木があることはとても嬉しい。
それにグリップを交換すると重量が増すし、先端が金属になり剛性感が増して書きやすいというメリットもあります。
エナージェル、シグノ307はヌルヌルとした書き味で、インク出が多めの万年筆を連想させる書き味、ゼブラサラサは最低限のインク出で、インク出が絞られた理性的なバランスを持ったペン先の万年筆のような書き味で、それぞれ特長があって面白い。
同じボディでありながら、書き味がこんなに選べるというのが魅力だと思います。ぜひ、より進化したボディが発売されて欲しい。
ボールペンは、手帳を色分けする時、電車の中で書きもの時、素早くメモを取る時などに使っていきたいと思っています。
⇒工房楔・三菱ユニボールR:E(アール・イー)用カスタムグリップ
ウォール・エバーシャープ輸入第3弾
出張販売に出るようになって、当店だけでしか手に入れることのできない万年筆の必要性を痛感しました。
お客様に言われたわけではないけれど、その空気のようなものを感じていました。
当店だけでしか手に入れることのできない万年筆であれば、日本のメーカーが作ってくれる限定万年筆でもよかったかもしれないけれど、もっと違うことがしたかった。
その違う仕事のイメージは持っていたけれど、具体的に何かが見えていたわけではありませんでした。
しかしウォール・エバーシャープの写真を一目見ただけでこれだとピンときましたので、自分のイメージしていたものに相当近かったのかもしれません。
それほど運命的な出会いをしたと思っているウォール・エバーシャープの万年筆を、私はできるだけ長く、多くの人に使ってもらえるように販売していたいと思っています。
ウォール・エバーシャープは100年近くの歴史のある筆記具メーカーですが、今の体制になって、オーバーサイズ万年筆デコバンドを作るようになって2年くらいしか経っていないので、いろいろ不確定な部分があります。
前回、突然ほとんどのデコバンドが14金ペン先仕様になって入荷してきて、大いに慌てさせられましたが、今度は18金になりました。
体制が新しいからというのは言い訳にならないし、ペン先の供給のコントロールは最低限やらなければ、お客様が混乱して会社の信用に関わる。
きっと私たちのような世界に点在する販売店がアメリカのウォール・エバーシャープ本社にプレッシャーをかけ続けて改めてもらわなければいけないと思っています。
ウォール・エバーシャープは私たちのその声がダイレクトに届く規模で、まだまだ確立されていない部分のある新しい会社です。
だからこそ取り組み甲斐があって、ともに良くしていけるように協力し合えると思っています。もちろんお客様にご迷惑をお掛けしないようにするつもりです。
ウォール・エバーシャープデコバンドに新色と限定品が発売になり、大変美しいものだと思いましたので、今回輸入しました。
新色ジェードは、撮影者泣かせの複雑な色合い。
デジタルカメラで撮影すると黄色が飛んでしまうのか、緑色が水色のような色になります。実物はターコイズブルーに近い色合いで、こういう色をピーコックグリーンというのかもしれませんが、あまり他にない絶妙な色だと思います。
限定品はイスラエル建国70周年を祝うものです。
イスラエルをめぐる問題はいろいろ波紋を呼んでいて、日本で報道されているニュースだけを見るとイメージは良くありません。
しかし、政治的に複雑な問題があったとしても、私の偏った判断で間違いなくきれいだと言える万年筆を遮断するのはあまりにももったいなかった。
ウォール・エバーシャープはこれからも予想もしないことをしてくれる、メーカーとしては手がかかる相手だと思いますが、本気で使うことができる良い万年筆を作っていると思っていて、私もとことん付き合うつもりで臨んでいます。
成熟のモンテグラッパエキストラ1930
手配するのに手間がかかったり、日本に在庫がなくて入荷に何か月もかかる、普通の店は敬遠するかもしれないものを、当店ではなるべく扱っていきたいと思っています。
少し手間をかけるだけで価値がある商品を店に置くことができるし、店の特長にもなるので大歓迎だと思っています。
今までは普通に入荷していたモンテグラッパエキストラ1930も、残念ながらそういう商品になってしまいました。
ペン先やボディが大きいオーバーサイズの万年筆の中でも、エキストラ1930はシンプルな装飾と滑らかなボディラインを持ち、どこにも無理のない完成されたデザインの成熟した万年筆だと思っています。
多くの人が持っている売れ筋の万年筆でもないし、雑誌などでよく紹介される定番万年筆でもない。
しかし、これを選ぶ人はそのペン同様、成熟した感性の人なのではないかといつも思います。使っている人たちも含めて、この万年筆が持つ魅力なのかもしれないけれど。
しかし、モンテグラッパのモデル変更などで、エキストラ1930は日本のカタログからも落ちてしまい、本国でももう作られなくなってしまいました。
今回、モンテグラッパ社に残っていたわずかな在庫を仕入れましたので、おそらくこれが最後の入荷になります。
モンテグラッパは限定品を中心に作ってきていましたが、エキストラ1930は永遠の定番として存在していて、この完成された万年筆が廃番になるとは全く思っていませんでした。
だけどもしかしたら、セルロイドなど素材の都合なのかもしれない。
エキストラの特長は、その美しいデザインやプロポーションだけにあるのではありません。
本物のセルロイドによる、深みがあって長期間の使用でまろやかな光沢に変化するボディや、手になじみ、やはり長期間の使用で落ち着いた光沢を持つスターリングシルバーの金属パーツ。
最も特長的な大きなペン先は、粘りがありながらも柔らかさの感じられる書き味を持っています。
吸入時、吸入ノブをたくさん回さないといけないとか、インク残量を確認する窓がないなどの欠点はこの万年筆全体の魅力から見ると本当にわずかなことだと思っています。
イタリアで、世界で最もエレガントな万年筆を作るモンテグラッパを象徴する名作が消えるのは本当に惜しいと思っています。
⇒セルロイドコレクション エキストラ1930 ブラックアンドホワイト
⇒セルロイドコレクション エキストラ1930 タートルブラウン
⇒セルロイドコレクション エキストラ1930 バンブーブラック