新作ル・ボナー製ダイアリーカバー入荷

新作ル・ボナー製ダイアリーカバー入荷
新作ル・ボナー製ダイアリーカバー入荷

システム手帳にはシステム手帳でしかできない役割があり、綴じ手帳には綴じ手帳の良さがあって、当店はその使い分けについてお伝えしていきたいと思っています。
物事が時系列で並んでいるダイアリーは、順番を差し替える必要がなく、ページの開き方など記入しやすさにアドバンテージがある綴じ手帳の方が使い勝手が良いと思っています。
スケジュールの管理を中心に使う場合は、マンスリーダイアリーは最も使いやすいツールだと思いますし、更に日々のToDo等も管理する場合は、マンスリーダイリー付きでスケジュール管理もできるウィークリーダイアリーくらいの紙面が必要になります。
日々のドキュメントをもっとたくさん書く方はデイリーダイアリーが合っていますし、それにマンスリーダイリーを一緒に革カバーにセットするとスケジュール管理も可能なダイアリーが完成します。
このようにオリジナル正方形のダイアリーには、スケジュール管理や記録機能において抜けがありませんので、スタイルに合わせてお使いいただきたいと思っています。

ル・ボナーさんが製作するオリジナルダイアリー用カバーが今年も入荷しました。
六甲アイランドの鞄工房兼ショップのル・ボナーの松本さんは革の魅力にとりつかれた鞄職人で、いつかそれらの革で鞄を作りたいと、様々な良質な革をコレクションのようにストックしていて、日本でル・ボナーにしかないという希少な革もたくさんあるのではないかと私は思っています。

新作のカバーは希少な限りある革が中心で、シンプルなシングルのみで製作していただきました。
厚手のものと薄手のものを組み合わせると最大4冊までのダイアリーやノートを収納できるダブルタイプは、昨年製作したソフトカーフのダークブラウンのみになり、ペンホルダー、ベルト付のDRAPEタイプのカバーをお求めの方は昨年製作しましたノブレッサーカーフのものをお使いいただきたいと思います。

今年製作したものは、4種類になります。
テイカオイルヌバックは、手触りのとても良い革で、こんなに触り心地の気持ち良い革は他にないのではないかと思い、松本さんのお勧めもあり選びました。
ヌバックは、革の表面を人工的に毛羽立たせて、表でもない裏でもないような独特の風合いに仕上げた革です。
テイカは今はもう廃業してしまった日本のタンナーです。
最高の革を作って世に問うことを標榜して数々の銘革を作りましたが、その良さを認めてくれる目利きが少なかったようです。
ル・ボナーの松本さんはテイカ廃業後の10年ほど前にそのクオリティの高さを認めてこの革を手に入れました。
クラシックカーフは、カーフよりももっと若い水牛の革で、水牛特有のハリを持ちながらキメが細かい美しい革です。
インドのタンナーによるもので、バッグ、革小物に多く使われましたが、イギリスで始められたこの革の鞣し方は本国ではもうできなくなっているそうです。
もともとマットな質感の革に、アイロンをかけて艶を出した仕上げになっています。
これも今手に入れることができない革で、松本さんは4,5年前に手に入れた貴重な革です。
シュランケンカーフのアイリスとレッド、トープでもシングルのカバーを製作してもらいました。
シュランケンカーフは、傷に強く、とても扱いやすい発色の美しい革で、その美しさが長持ちしますので、変わらずに長くきれいに使いたいという方にはお勧めです。
マニアックな革は茶系が多いので、シュランケンカーフではその色目をお楽しみいただけえたらと思っています。

また、毎年少量作っております革の「下敷き」ですが、今年はブッテーロ革にシープシルキーの革を貼ったものを作りました。
薄手のマンスリーダイアリーや、大和出版印刷の正方形方眼ノートrectを使われる時に威力を発揮しますが、こういうものが手帳に挟まっていると楽しい気分になります。

このダイアリーカバーに収めることができるダイアリー・ノートを整理すると、
・マンスリーダイアリー(薄手)
・ウィークリーダイアリー(厚手)
・デイリーダイアリー(厚手)
・Liscio-1 正方形方眼ノート(厚手)
・Liscio-1 正方形横罫ノート(厚手)

・正方形ノート rect(3mm、4mm、5mm、6mm)(薄手)
の9種類になり、シングルのカバーには薄手と厚手各1冊を収納することができます。

綴じ手帳であるオリジナルダイアリーを使うメリットは冒頭で申し上げましたが、革を熟知しているル・ボナーの松本さんのコレクションから貴重な革を選んで作るカバーを使いたくてオリジナルダイアリーを使う方もおられるかもしれません。それだけの魅力ある革カバーだと思っています。

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ル・ボナーの絞りペンケース

ル・ボナーの絞りペンケース
ル・ボナーの絞りペンケース

1本差しと3本差しのル・ボナーのペンケースが入荷しました。
厚いブッテーロ革を2枚重ねにして貼り合わせて、型で絞って丈夫なシェル構造にするル・ボナー絞りのペンケースは、大切なペンを守りながら、いつも持ち歩くためのペンケースです。
ペンを鞄に入れて持ち歩かず、机上で使用するだけであれば、ここまで丈夫なペンケースは必要ないかも知れません。
ペンケースはたくさんの種類が世の中に出回っているけれど、この絞りペンケースほど、ペンを収めて鞄の中に放り込んで安心感のあるものはあまりない。
本当に大切なペンが出来た時には、ぜひこのペンケースをお使いいただきたいと思います。

このペンケースに使われているブッテーロ革は、40年以上鞄職人としてたくさんの革を見てきたル・ボナー松本さんが最良の革として行き着いた革のうちのひとつです。
ブッテーロ革の特長は、その柔らかく滑らかな手触りとエージングの良さにあります。
自然素材のタンニンでなめされた革は、香りも良く、上質な自然な風合いを持っています。
加工しすぎず、自然な風合いが残されているので、革の表面は時間をかけて艶を帯びていく余地が残されています。
ブッテーロ革は油分を多く含む革なので、手で触ったりするうちに油分は表面に出て膜を作るように艶が出て、表情に奥行きが出ます。

そのように使い込むことで少しずつ艶が出るけれど、ご自分でブラシをかけたり布で磨いて艶を出すこともできます。
革製品の大敵は埃で、ブラシを掛けたり、布で磨いたりすることはその埃を払うことにもなりますので、革製品を長く愛用するためにも有効なことです。
メンテナンスで私のおすすめは、ブラシ掛けです。
ブラシを掛けると、革の余分なものを落としたようなクリアでキラキラした表面になり、とても美しい艶が出ます。
ある方は布で軽く撫でるというやり方をしていて、これは時間がかかると思いますが、とてもきめの細かい鏡面のような艶を出す磨きの方法です。
店に並んでいる時が一番美しいものもあるけれど、長く使っていくうちに美しくなってくれる革製品は、また違う楽しみがあると思います。

それには素材の良さ、縫製の良さが絶対的な条件になりますが、ル・ボナーの絞りのペンケースはそれを備えています。
ペンケースの機能としては、モンブラン149、キングプロフィットなどの大きいサイズの万年筆は3本差しの両サイドに入れることができます。
1本差しの場合も、少しきつめですが入ります。
それ以上の大きさのペン、例えばカスタム漆は入りませんが、ほとんどのペンで使うことができます。

この店を始める前からル・ボナーの松本さんが応援してくれてとても助かったことは何度もお話しているけれど、きっと松本さんがいなければ10周年を迎えることはできなかった。
松本さんも鞄職人を始めた時に助けてくれた人たちがいて、その人たちのおかげで40年も鞄職人としてやってくることができたそうです。
お世話になった恩人たちへの恩返しは、次の世代の新たに自分の道を歩もうとしている人を応援することだと思って、当店のことを応援してくれた。
私も自分の仕事を続けさせていただいている恩を返すなら、次の世代の人を応援することなのだと思っています。

自分にどんなことができるか分からないけれど、松本さんがしてくれたように頑張って欲しいと思った人を応援したいと思っています。

⇒ル・ボナー絞りペンケース

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⇒2010.7.16「旅の装備 ル・ボナーのペンケース」

ペリカンM605ホワイトストライプ発売

ペリカンM605ホワイトストライプ発売
ペリカンM605ホワイトストライプ発売

ペリカンから特別生産品M605ホワイトストライプが発売されました。
今までありそうでなかった白縞のペリカンは、現代的でクールな印象。どちらかというと男性的でクラシカルなデザインのスーベレーンの雰囲気とは違って見えます。
M605はM600のシルバー金具の品番で、M600とサイズなどのスペックは全て同じです。

M600はペリカンの代表的なペン、M400とM800の中間のサイズで、重さはM400に近く、大きさはM800に近いというものです。M800では重すぎるという女性の方に好まれ、胸ポケットに差して持ち歩く万年筆を求めているけれど、M400では小さすぎるという男性の方にも向いたサイズです。
シルバーの金具のホワイトストライプはピンクに続き、女性にも人気が出そうだと思っています。
ホワイトストライプは首軸もキャップも純白で、インクの汚れが気になる万年筆かもしれませんが、ペリカンはハート穴からインクを吸入することができるので、インク吸入時にインクにペン先だけ浸してインクを吸入すると、首軸がインクで汚れることもありません。
また、キャップ内部も時々水で濡らした綿棒などで掃除すると、いつまでもきれいに使うことができます。この辺り、白ということで汚れを気にされる方も多いと思います。

ペリカンのM400やM600の売れ筋はEFです。
ペリカンのEFは、日本製のペンに比べてかなり太く、中細くらいの太さになりますが、書く文字の画数の違いを考えると当然のことかもしれません。
それでもペリカンをもっと細く書けるようにしたいという要望は多く、当店ではペリカンM400のEFを国産細字くらいに研ぎ出しした、細字研ぎ出し加工をしています。
M400は軽く、コンパクトなボディなので手帳用の万年筆として最適で、それを国産細字以下の太さにすることで、理想的な手帳用の万年筆になります。

軽いM600もM400同様に「理想的な手帳用万年筆」にすることができます。
ただ、M605は14金のペン先にプラチナ装飾を施して銀色にしていますので、細字研ぎ出し加工をすると、ペン先サイドの先の方に金色の露出がわずかに見られるかもしれません。それをご了承いただければ、M605ホワイトストライプでも細字研ぎ出し加工を承っています。

ちょうど今、来年のダイアリーについて色々考える時期だと思います。
もちろん当店オリジナルの正方形ダイアリーや筆文葉のシステム手帳リフィルをお使いいただきたいと思っていますが、これらのダイアリーには細字研ぎ出しくらいの太さが合っていると思っています。
正方形ダイアリーは、滑らかな書き味と、にじみや裏抜けのしにくさを追求した紙グラフィーロを使用しています。グラフィーロはかなり細いペン先の万年筆でもヌラヌラと書ける魔法の紙ですが、インクの乾きが少し遅い。
インク出が多い太めの万年筆だと、乾くまで待って閉じるということになりますので、できるだけ細字で使われることをお勧めします。
書き込むスペースの小さな筆文葉3つ折りカレンダーにも当然細いペン先の方が合っています。
当店オリジナルのダイアリーに限らず、どのダイアリーでもペン先は細い方がきれいに書ける。M605ホワイトストライプの細字研ぎ出し万年筆、いい手帳用の万年筆になると思います。


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使うことで完成する日本の手仕事のステーショナリー~Cohanaの道具~

使うことで完成する日本の手仕事のステーショナリー~Cohanaの道具~
使うことで完成する日本の手仕事のステーショナリー~Cohanaの道具~

万年筆という海外で作られているものを扱い、それらをいつも使っていて言うのも何ですが、なるべく日本製のものを使いたいと思います。
日本で作られた、人の手で作られたことが感じられる品を手に入れて使いたい。
デザインもマーケティングも生産効率も非の打ちどころなく計算された大量生産された製品はすごいと思うけれど、自分の好みではないし、当店で扱うべきものでないと思って今まで避けてきました。

同じ万年筆という工業製品であっても、人の手による仕事がその製品の中に存在していると思えるものを扱いたい。
それはあくまでも私の直感で、ただの好みなのかもしれないけれど。
倉敷にある「林源十郎商店」が好きで、たまに訪れたいと思うのは、その店が日本の手仕事によるモノにこだわっているからで、それらのものが醸し出す雰囲気にホッとさせられ、私の迷いのようなものを吹き飛ばしてくれるからかもしれません。

東京の手芸用品メーカーKAWAGUCHIさんが企画するcohana(コハナ)の商品を扱うようになりました。
商品企画をKAWAGUCHIさんで行い、日本中の伝統的な地域産業や工芸に携わる会社、職人さんに製作を依頼したものばかりです。
どの商品にもそれぞれ醸し出す空気感のようなものがあって、人の手による仕事が感じられます。万年筆とは直接関りはないかもしれないけれど、当店で扱いたいと思いました。

こういった商品を言い表す時、温かみとか、ぬくもりという言葉はなるべく使いたくない。
その言葉は言い表すのに良い言葉だとは思いますが、古くからあまりにも多くの人が使ってきたし、分かりきった事柄に感じられる。
それらの品々を私は「完成と未完成の間」にあるものだと思っています。
パッケージに入って店に並んでいる時が一番美しい完成された工業製品ではなく、使い込まれて使用感が出た時が一番美しい。
新品の状態では未完成で、使い込むことで完成するものだと思っています。

使っているうちに美しくなってくれるもの。
それは新品の時の傷一つない美しさだけではなく、経年変化の美しさを増していくものだと思います。
そんな使い込んで美しくなってくれるCohanaの商品は、私が好む万年筆と離れたものではないと思っています。

⇒Cohanaのこだわり文具cbid=2557541⇒Cohanaのこだわり文具csid=1″ target=”_blank”>⇒Cohanaのこだわり文具cbid=2557541⇒Cohanaのこだわり文具cbid=2557541⇒Cohanaのこだわり文具csid=1″ target=”_blank”>⇒Cohanaのこだわり文具csid=1″ target=”_blank”>⇒Cohanaのこだわり文具

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⇒2015.8.14「日本的な万年筆」

アウロラの誇り

アウロラの誇り
アウロラの誇り

最近、誇りという言葉が気になっている。
選挙で生き残るためになり振り構わず身を翻したり、それが失敗に終わったら、自分の力不足を棚に上げて人のせいにする人たちの姿を見たからかもしれません。
政治の世界ではそれはよくあることなのかもしれないけれど、我々国民から見ると異様に映る。
生意気なことを言うようだし、それはきれいごとなのかもしれないけれど、誇りを捨ててまで大きな傘の下に入って生き残りたいとは思わない。
誰にも守られず、立場は不安定でも自分の思想に合うやり方で、自分で向かう方向を決めたい。
取るに足らない小さな存在だとしても、そんな誇りだけは持ち続けたいと思います。
会社経営で、経営の安定を求めて大きなグループの傘下に入るという話はよくあります。
それは会社を残すために仕方ないことなのかもしれないけれど、どんなに苦しくても独立系の生き方を貫く会社もあって、そんな会社に私は惹かれます。

モノ作りの小さな会社の多くが大企業の援助を受けた方が経営は楽になるだろう。
しかし、グループ内での他のブランドとの兼ね合いなど経営に関しても干渉は絶対にあるだろうと思います。
傘下の別メーカーと共通部品を使って、製造コストの圧縮も求められるかもしれません。
ヨーロッパの多くの万年筆メーカーが共通部品を使用して、生産の効率化を図る中、アウロラは全てを自社生産することを貫いています。
アウロラの万年筆は本当に独特で、アウロラならではの味わいのあるものだと持っています。
硬いとよく言われるペン先は、使い始めた時こそ硬めに感じられますが、はじめの2週間くらいでペン芯にインクが馴染んでインク出が安定し、程度によりますが、3年使い込むと劇的に書き味が良くなります。アウロラのペン先の使い込んで育ったまろやかな書き味は、手放せないものに思えるのに十分な魅力です。。
アウロラの書き味をカサカサししていたり、カリカリしていると言う人もいるけれど、あまり良い状態ではないのではないかと思います。
最近活発に発売している限定品も、定番品の88やオプティマも、インクがしっかりと出るように調整されたアウロラの書き味は悪いと思うはずがないからです。
アウロラほどイタリアらしい会社を私は知らない。
イタリアでは会社が自社らしさを失ってまで大規模になることを戒めたり、利益を作り出すために生産の効率化を図ることを嫌悪するところがあります。
イタリアの国民性の元々の感覚としてそう考えるのかもしれないけれど、私にもその感覚は理解できます。

アウロラがあまり多くのバリエーションを作ることができないという制約がありながらも、独自の考え方によるオリジナリティのあるペン作りをすることができているのは独立を守っているからで、その制約も含めてアウロラの魅力だと思っています。

⇒当店AURORAトップcbid=2557105⇒当店AURORAトップcsid=2″ target=”_blank”>⇒当店AURORAトップ

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⇒2015.3.20「信じられるブランド~AURORA」
⇒2009.1.15「アウロラ オプティマ」

用途によって使い分けるノートと手帳

用途によって使い分けるノートと手帳
用途によって使い分けるノートと手帳

自分の仕事やプライベートの全てが1冊の手帳に収まっているということにロマンを感じていました。
システム手帳ならリフィルの差し替えが利くのでそうやって使っていましたが、私の使い方では少し無理があると感じるようになりました。
やはりノートや手帳にはそれぞれの用途があって、その目的に合ったものを使うのが一番スムーズに作業できると認めざるを得ません。
当店にはシステム手帳以外にもオリジナルダイアリーなど、いくつかのノートや手帳があって、それらを用途別に使い分けた方が、仕事にも役立つのではないかと思い、考えてみました。

・カンダミサコシステム手帳と筆文葉リフィル
システム手帳はコンピューターのエクセルのように、いくつもの項目に分かれるデータを追って記録していくことに向いています。
一気にページを埋めるのではなく、少しずつデータなどを記録していくような使い方。
バインダー式なのでページを足したり差し替えることもできるし、インデックスを入れて何項目にも渡るものを同時に管理することもできる。
全てを1冊に収めないなら、カンダミサコシステム手帳のように薄型のものの方が使いやすい。必要なリフィルだけを持ち歩くことで、マメに内容をメンテナンスすることができ、ただ手帳に挟んであるだけのリフィルも減ります。
筆文葉リフィルのデザイナー金治智子さんもシステム手帳のそんな用途に気付いていて、横罫、方眼のリフィルはデータや記録を取り続けるのに適しているし、水玉リフィルはデータを比較するのに向いていると私は思っています。

・オリジナルダイアリー
ダイアリーは、時系列に並んでいることに価値があります。
間にいろんなものが入っていると検索がしにくくなりますので、ダイアリーの用途だけだと綴じ手帳が向いているということになります。
日々流れていくものを見返す場合、検索基準が時間なので遡っていけば見つけることができます。
予定などのスケジュールとその日のToDoなどは、綴じタイプのスケジュール帳に書くのがいいかもしれません。
当店オリジナルの正方形ダイアリーのマンスリー、ウィークリーがあればスケジュール管理も日々のToDoの管理もしやすいのでお勧めです。

システム手帳やダイアリーに原稿などもかけたらいいとずっと思っていました。
その方がページが文字で埋まっていて見た目がかっこいいという理由だけですが、それもまた使い方に無理がありました。
原稿を書いて、ホームページ、ブログ、印刷物になったそれらの下書きは見返すことはないので、持ち歩く必要はない。
原稿用紙やメモ帳などに書いて、どうしても下書きを置いておきたければフィルに保管しておけばいいと気付きました。

・日記
日記もそれらの手帳やダイアリーと一緒にすると混乱してしまうと私は思っています。
自分の考えていることや感情などを書き綴るものなので、日々持ち歩いたり仕事の時に開くものでもありません。
家に置いておくための日記帳には「製本文庫ノート」をお勧めしたいと思います。
小さくて厚みのあるその姿はコロンとしていて、家の本棚に収まっている姿がかわいらしいと思っています。
中紙は廃番になって幻の紙になりつつある、最高の書き心地のLiscio-1(リスシオ・ワン)を使っていたり、丈夫で平らに開く製本や366ページある仕様に関しても、この製本文庫ノートが日記帳のために作られたことがお分かりいただけると思います。

私自身もその時々で考えが変わるし、人それぞれの使い方があって当然だと思います。
今の私は、ノートや手帳を使い分けることを考えるのが何よりも楽しいと思っています。
全てを1冊にまとめるのではなく分けることで、必要な時に必要なものを取り出せることができて、スムーズに紙の情報システムが働いてくれるような気がしています。

・カンダミサコ システム手帳
・カンダミサコ オリジナシステム手帳ルコンチネンタル
・オリジナル正方形ダイアリーcbid=2557112・オリジナル正方形ダイアリーcsid=1″ target=”_blank”>・オリジナル正方形ダイアリー
・装丁文庫ノート

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江田明裕氏のガラスペン

江田明裕氏のガラスペン
江田明裕氏のガラスペン

ジーパンを買いに行ったり、好きな店のひとつである林源十郎商店の雰囲気を感じるためにたまに岡山、倉敷を訪れます。
9月初旬の夏休みのうちの1日、岡山方面に行き、倉敷に立ち寄りました。

林源十郎商店を右(東)に出て、写真を撮りながら歩いていると、吉井旅館の手前に前回来た時にはなかった真新しい路地のようなところがあって、その路地を囲むような形で職人仕事の店がありました。
何となく入ると一番奥に万年筆のインクが並んでいるのが見えて、それに誘われるように入って行くとガラスペンの工房兼ショップでした。
ガラスペンについては以前から気になっていて、当店らしいものを探していましたので、早速試筆させてもらいました。

書き味がとても良いので聞いてみると、書き味の調整もしているとのこと。
折れても修理できるし、字幅の調整もできるのでもっと太く書けるようにすることもできるという。
すぐに店で扱いたいと思いましたが、突然の出会いでしたので、とりあえず頭を冷やすため、店のことは伝えずに神戸から来たとだけ言って、1本買って帰りました。

改めて店で書いてみてもやはり書きやすく、私が今まで書いたことのあるガラスペンとは全く違っていて、さらさらととても滑らかに書くことができました。
ガラスペンを作っていて、その店で一人で接客も担当している、江田明裕さんは岡山生まれの35歳のまだ若い作家さんで、構えたところが全くない、ナチュラルな物腰の、お話していてとても楽しい方でした。
学校卒業後、技術的な講習を受けた後、2004年に岡山で工房を設立し、2013年に県内の湯郷温泉でショップ兼工房を開設した後、2017年3月に現在の倉敷に移転されました。
倉敷に移転してから数々の出会いがあって、江田さんのガラスペンを扱うお店が出始めました。
私も江田さんが倉敷に出て来ていなかったらきっと出会っていなかった。

江田さんのガラスペンの特長は、銀や銅やその他の鉱物を使用した、見る角度や光の当たり方で色が変化する軸の彩色や、実用性も考えられているデザイン、そして私が魅了されたやさしい書き味です。
細字はかなり細めで手帳にも書けるくらいですが、さらさらと気持ちよく書くことができます。
今までこんなに書いていて、気持ち良いと思えるガラスペンに出会ったことがなかったので、その書き味を皆様に知ってもらいたいと思いました。

カラーのインクはもちろん、最近は銀粉・金粉の入ったシマーリングインクが増えています。そういったインクを使う時に、ガラスペンはインク詰まりを気にせず使うことが出来る。
インクを変えるのも手軽なので、インクノートを書く時にも便利だと思います。
軸のキラキラした透明感がとても美しく、それでいて実用的な江田明宏氏のガラスペンは、自信を持って新たにご提案できるものだと思っています。

⇒江田明宏・ガラスペンcbid=2557105⇒江田明宏・ガラスペンcsid=16″ target=”_blank”>⇒江田明宏・ガラスペン

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2017.5.12「INK Notebook~インクノート~」

工房楔秋のイベントを終えて

工房楔秋のイベントを終えて
工房楔秋のイベントを終えて

あまり記念日とか何周年だからとかを気にしない方ですが、当店が10周年を迎えた9月23日に工房楔の永田さんがイベントをして下さり、大いに盛り上げてくれました。
今回のイベントは象牙、黒柿など目玉となる素材や新製品のノック式ボールペンルーチェもあり、開店前に10数人のお客様が店先に並ばれたので、近所の方が驚くほどでした。

象牙はイベントでほぼ完売、ノック式ボールペンはオリジナルで製作した金具の都合で充分な数がなく、イベント後に仕入れることが叶いませんでした。ルーチェはまた後日、仕入れさせていただくことになっています。
それでもイベントのために永田さんがたくさん持ち込んでくれたものの中から、当店のお客様から好まれそうなものを選んで置いていってもらい、ホームページで紹介しています。

最近の工房楔は、ペンシル系に意欲を燃やしていて、オリジナル金具の0.5mmペンシル、2.0mmペンシル、ドロップ式の2.0mm芯ホルダー、ペンシルエクステンダートゥラフォーロなど、とても充実しています。
ボールペンは仕事で使わなければいけないもの。ペンシルは好きで使えるものという印象を私は持っていて、ペンシル系の方が趣味的な要素が入り込む余地があるのかもしれません。
ボールペンでは、今回新たに製作したノック式ボールペンルーチェの他に、三菱ユニボールR:E(アール・イー)用グリップがあります。
消せるボールペンの三菱ユニボールR:Eは、パイロットのフリクションに隠れてマイナーな存在ですが、通常のノック式「ゲルインクボールペンシグノ」「ジェットストリーム」の芯が共通して使うことができる汎用性の高さがあって、永田さんはこの辺りに目をつけたようです。
グリップを装着する本体としてユニボールREは使用しますが、中身は消せるボールペンだけでなく、ゲルインクボールペン、油性ボールペンを選ぶことができる。形の違うジェットストリームの替芯も使えるのは驚きました。

R:Eで銘木グリップを使用する場合、本体に付いているバネを使うのですが、バネが簡単なでっぱりで固定されています。何か引っ掛けるもので引っ張って外す必要がありますので、この点だけご注意下さい。永田さんは耳かきやかぎ針などで簡単に外すことができると言っていました。当店でも外すことができますので、お持込みください。

楔の木製品は常に進化しています。ステーショナリー、それもペンを作る木工家は多い。
ボールペンやシャープペンシルのメカニズムなどのパーツを販売している会社が海外にあって、ほとんどの人がそのパーツを使用してペンを作りますので、木工家の作るペンの姿はどれも同じようなものになります。
永田さんも今までそういったパーツを使っていましたが、素材の良さと仕上げの腕の良さで差別化してきました。
しかし、彼はさらに差別化を目指し、オリジナルで0.5ミリペンシル、2.0ミリペンシル、2.0ミリドロップ式芯ホルダー、いずれ当店にも入荷するノック式ボールペンルーチェなど、オリジナルのパーツを使って製作しています。
オリジナルのパーツを製作するのは、ロットもありコストがかかります。そして何よりも理想をしっかり形にして細部まで企画する力が必要になります。
オリジナルの形を手に入れて、楔の製品はさらに魅力を増しています。

最近、永田さんが尊敬する木工家で人間国宝になった黒田辰秋氏の展示が京都であり、行ってきました。
永田さんのイメージもあり、木工家というともっと頑なに木の良さを前面に出した作品をイメージしていましたが、作品から見る黒田辰秋氏は素材や方法に捉われずに、自由に美しい形を追究し、表現するアーティストでした。
漆塗りや螺鈿細工、小さな香合から大きな家具まで作品は幅広く、そこに存在するのはオリジナルの美でした。

永田さんもオリジナルのパーツを作ってまでこだわっているのは、他とは違う姿、そして理想の形で、追い求めているものは伝説の木工家と同じものなのではないかと思い、オリジナルのパーツを得たことで、工房楔の製品がより愛おしく思えるようになりました。

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⇒2017.3.31「銘木ロマン~工房楔のイベントが終わって~」

便りを書く

便りを書く
便りを書く

「ナミヤ雑貨店の奇蹟」という映画を観ました。
妻が小説をたくさん持っていて、そのコレクションの中にありましたので私も読んでいて、大変面白いと思っていました。
原作で、主人公が悩み相談の回答を万年筆で書く描写がありましたが、映画ではボールペンのような筆記具を使っていたのには大いに突っ込みを入れましたが、舞台となる町の風景、屋内のセットなどとても良かった。
観ていて息つく暇がないくらい内容の濃い映画だったと思いました。

インターネットが私たちの身近なものになる前の時代にナミヤ雑貨店はオープンしていて、その頃手紙は手書きで綴られていました。
現代なら「誰それにメールする」を、当時は手紙でしていたことに時代の流れを改めて感じますが、ペンからスマホに道具が替わり、情報伝達のスピードが早くなっただけでその心は変わっていないのではないか、それが時代が流れても変わらないものなのではないかと思っています。

そんなに大した用事でなくてもメールにはスピードが求められ、そして私を含めて仕事をする人の多くが朝の時間をメール処理に費やされています。
便利なツールがあることを恵まれていると思いますが、その分何か気忙しくなったと感じます。

お客様方などにお礼状などの手紙を書く機会がよくあります。

インターネットなどの通販でお買い物して下さったお客様には、私やスタッフが手書きのお礼状を書くようにしていて、全員が愛用の万年筆にお気に入りのインクを入れて書いています。丁寧に書こうと努力した文字は、それだけでそれぞれの人柄が表れるのではないかと思うので、気を付けなければいけない。
一般的に通販で買ったものに手書きの手紙が同封されることは殆どなく、その代わりに日に3~4通のメールマガジンが届くようになる中で、それは驚かれることが多く、当店らしさのひとつになっているのかもしれません。

たまにお礼状、ご挨拶状などの葉書をお送りすることがあって、「郵便受けに手書きの文字で書かれたものがあったら、とても嬉しい」と喜んでもらえることがよくあります。
この葉書の差出人欄に、以前は手書きで自分の住所、氏名を書いていましたが、せっかくなので住所印を誂えて、インクの色に近いスタンプで押して、自己満足しています。
葉書はそれほど凝ったものを使うわけではなく、ライフの縦罫の入った私製ハガキに、細字から中字の万年筆を使います。
封書の方が丁寧なのは分かっているけれど、届いた時に何となく相手を身構えさせてしまう気がする。少しカジュアルだけど堅苦しくない葉書という形態が好きで、自分と相手だけしか分からないような言葉で書くことが腕の見せ所なのかもしれないと思っています。

万年筆で書くことが好きだから、手帳でもノートでも何でも万年筆で書いているけれど、手紙や葉書こそ万年筆で書かれるべきものだと思っていて、万年筆のペン先のタッチ、インクのにじみなどから来る表現力はそのためにあるのではないかと思っています。
観た映画の影響かもしれないけれど、自分の文字で書いたものは永遠に残るという考えに取りつかれている。
パソコンで送ったメールはその画面の中にしか存在しないし、プリントアウトしたとしてもそれは発信者の文字ではないので、内容以外に存在価値はないと思っています。
手書きで書いた文字なら、大切に保管すれば永遠に残ります。
そう考えると手紙を書くことへのプレッシャーが強くなるかもしれませんが、どうせ書くならずっと残せるようにしたいし、残っても恥ずかしくないものにしたい。
葉書を書く時、そう思うようになってきました。

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⇒2017.2.10「手紙を書く道具」

オリジナル正方形ダイアリー2018

オリジナル正方形ダイアリー2018
オリジナル正方形ダイアリー2018

オリジナルダイアリーマンスリーとウィークリーの来年版が完成しました。
オリジナルダイアリーは、日付なしのフリーデイリーダイアリーと日付ありのマンスリー、日付ありのウィークリーダイアリーの3種類があります。
罫線レイアウトに関して、マンスリーダイアリーは意外と他にない機能性に特化したものだと思っていますし、年間、月間、週間のダイアリーを全て収めたウィークリーダイアリーはオールインワン的なもので、どんな仕事にも対応するものだと思います。

私が万年筆を使い始めた原点はダイアリーを楽しく書くためで、私にとって手帳やダイアリーと万年筆は切っても切れない対になるものだと思っています。
万年筆だと手帳を楽しくきれいに書くことができたので、夢中になって手帳に書いていた時のことを懐かしく思い出すけれど、それは今も変わっていません。
ダイアリーをどうやって使いこなして、自分の仕事とシンクロさせて書くかということを、いつも考えています。
私たちがダイアリーを使う第1のステップは、予定やToDoをいかに忘れないようにするかです。そしてダイアリーを使う本当の価値は、なかなか難しくて仕事にバタバタと追われることが多いけれど、「書いたことをいかに効率よくこなして、考える時間を確保するか」とか、「どこに空き時間があって、ToDoを消化しながら新しい予定をどこに入れるか」などの積極的な、攻めの使い方ができるかということになると思います。

予定管理に特化したマンスリーダイアリーは、大抵の方が見慣れた壁掛けカレンダーにも近いので月の予定が一覧しやすく、さらに細かく計算された+αの機能が付いています。
時間で細かく予定が入ったり、膨大なToDoを管理するにはウィークリーダイアリーが使いやすい。細かい時間メモリこそ入っていないけれど、たくさん入る予定もウィークリーダイアリーなら書き込むことができますし、大きなメモ欄はToDoの管理に最適で、予定とToDoを同じ見開きで見ることができるメリットは大きい。

仕事も締め切りなど期限に追われているだけだと、本当につまらない。今やろうとしていることは、本当に今やらなくてはいけないことなのか、別の違う時間でもいいことなのかを判断して、優先順位をつけるのにダイアリーを活用したいと私も思っています。
店の場合はいつお客様が来られるか分からないので、基本的に営業時間中はToDoを消化できることはアテにせず、営業時間外にこなさなければ確実な仕事をすることができない。
その代わりもしお客様が少なかった時に、営業時間外にしようと思っていたことをして、時間を作る。
最近は予約して来て下さるお客様が増えて、とても心づもりがしやすくなりました。予約はスムーズに承れてお客様の時間を無駄にしないということで、お客様にとっても、私にとっても、とてもいい制度だと思っています。

オリジナルダイアリーに話を戻すと、かなり細い万年筆で書いても引っかからず、滑らかに書くことができるグラフィーロ紙を使用していること、どのページも平らに開くために表紙と背表紙の組み合わせを変えたり、優れた糸綴じ製本で仕上げられていたり、大和出版印刷さんはかなり細かなところにまでこだわって製作されています。
正方形サイズという紙の規格と違う特殊なサイズになっていますが、フリーデイリーダイアリー、横罫ノート、方眼ノート、薄型方眼ノート、インクノートなどのオプションも幅広くあり、この正方形サイズで様々な使い方をすることができます。
現在、ル・ボナーさんが新たに正方形の革カバーを作ってくれています。
傷に強く使いやすいシュランケンカーフと、ル・ボナーさん秘蔵の革2種類で作るこの革カバーもオリジナルダイアリーの特長のひとつになっていて、より楽しく使うことができる要素になっています。

手帳を楽しく書くことができるから万年筆に惹かれていった私のルーツをいつも思い出させてくれる、万年筆で書くことにこだわったオリジナルダイアリーを多くの人に使っていただきたいと思っています。

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⇒2016.12.9「オリジナルダイアリーの説明書」