多くの人がこのペンのデザインを気に入って使い出したのではないかと思います。
というのも、私自身がこのオプティマの控えめな華やかさから香るインテリジェンスを強く感じるデザインに惹かれて使い出したからです。
他のイタリア製の万年筆と違って、強烈すぎない、とてもスマートで洗練されたセンスをアウロラの万年筆に感じていますが、オプティマは最もそれを端的に表している万年筆だと思っています。
そんなスマートな洗練された万年筆をアウロラが作ることができたのは、アウロラがあるトリノという土地柄なのかもしれません。
フィアットの本拠地であり、ピニンファリーナ、ベルトーネ、イタルデザインなど多くのカロッツェリアが存在し、OA機器で一時代を築いたオリベッティも拠点を構えたイタリア有数の工業都市であり、世界的に成功を収めた多くの製品を生み出し、イタリアがデザインに優れた工業製品を作る国だという印象を与える役目を果たした街、それがトリノでした。
歴史的な遺構が残る過去に生きる街にある他の万年筆メーカーと違い、優れた工業製品が街中で作られていた街で繁栄していったアウロラが、洗練されたセンスの良いもの作りをしているのも当然なのかもしれません。
パーツメーカーから供給を受けて、アッセンブリーしたものを製品として発売しているメーカーも多く存在する中、全てオリジナルパーツで作り上げているアウロラというメーカーはとても貴重な存在であり、安心してmade in Italyを手にしているということが言える数少ないもののひとつだと思います。
全て自社で製作されたオリジナルパーツを使って製品作りをしていることは、アウロラの書き味や使い勝手が独特で、他のどのメーカーにも似ていないところにも表れています。
オプティマをデザインが気に入って使い始める人が多いのではないかと言いましたが、その使い勝手は意外に硬派で、本当に使い込んでいく人のための万年筆といった、一筋縄では馴染まない道具を連想させるところがあります。
エボナイトのペン芯は使い出したばかりの時、なかなかインクがしっかりと出てくれないことがあります。
2週間(目安)ほど我慢して使うとインクが安定してしっかりと出るようになり、さらに馴染むと豊かにインクが流れてくれるようになるという、使い込んで馴染ませる過程が必要です。
アウロラが硬いペン先をこのエボナイトのペン先に組み合わせている理由は、オプティマがここまで育って、初めて分かるのかもしれません。
そんな難しいところのあるオプティマですが、使い込んで愛用のものになった時、手放せない何物にも代え難い物になってくれると思います。
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