三角形の断面を持つダイアログ1、最もスムーズで美しいペンの形を表したダイアログ2、著名なプロダクトデザイナーの手によるデザインを具体化したシリーズ「ダイアログ」の3作目が日本に入荷しています。
ボディを捻ると、先端のハッチが回転するように開いて、ギアの効いた素早いアクションでペン先が出てきて、同時にクリップがわずかに沈み込む。
こんな仕掛けのある万年筆が好きな人も多いのではないでしょうか。
ラミーダイアログ3は遊び心溢れる万年筆ですが、デザインはごくシンプルでラミーらしさを保っています。
しかし、ラミーという会社はこのようなメカニカルな仕掛けが好きな会社で、例えばクリップには必ずバネが入っていたりといった仕掛けを好むことで、知られています。
ダイアログ3のペン先はステュディオの金ペンと同じで、とても柔らかく、気持ちよく書くことができます。
先端にペン先を繰り出す機構などが内蔵されていますので、バランスはかなり前寄りになっています。
ペンの中央より後ろを持って書かれる方にはペン先が振り回されるような感じを受けられるかもしれませんが、先端付近を持って書かれる方にはとても使いやすい、お勧めできるものだと思っています。
ダイアログ3のようにペン先が繰り出される万年筆は他のメーカーからも発売されています。
パイロットキャップレスはノック式で、ノックすることによりペン先が出て片手で書き出せる、最も利便性を追求した万年筆と言えるものです。
スティピュラ「ダ・ビンチ」はダイアログ3と同じようにボディをひねってペン先を出す機構で、そのデザインの良さで他の欠点(ペン先が乾きやすい)をも補う魅力を持っています。利便性とは程遠い存在ですが万年筆のフェラーリと私は勝手に思っています。(あくまでもイメージですが・・・)
ダイアログ3は、利便性の追求でもなく、でも実用性は確保されている、しっかりと作りこまれた万年筆で、キャップレス、ダ・ビンチの間を埋める存在なのかもしれません。
ラミーの歴史は革新の歴史だと言えます。
万年筆という様式が確立されたもので、新しいと思えるものを作ることは大変難しいと思います。
ですが、機能とデザインの両立、あるいは機能的に理由のあるデザインという考え方で他のメーカーとは違ったもの作りをしてきたからこそ、革新的なものを次々と生み出すことができたのだと思います。
名作ラミー2000は万年筆の歴史に燦然と輝くものですが、ラミーは2000の成功の呪縛などないかのごとく話題作を発表してきました。
そんな最も新しい話題作がダイアログ3です。