きれいな文字が書ける万年筆

きれいな文字が書ける万年筆
きれいな文字が書ける万年筆

毎月第1金曜日の19時から21時に、青玄書道会の堀谷龍玄先生をお招きして“万年筆できれいな文字を書こう”というペン習字のワークショップを開催しています。

せっかく万年筆で文字を書くのだから、きれいな文字を書きたいという想いは誰もが持っていることで、私ほど字が下手でなくてもご自分の書く文字にコンプレックスを持っておられる方が多いことが分かり、堀谷先生の快諾もあって開講することになりました。

毎回、堀谷先生が書いてきて下さるお手本を見ながら2時間の間ひたすら書き続ける。
最初の15分程は物音ひとつ聞こえず、皆さんとても集中して書いておられることが分かります。
しばらくすると堀谷先生がお一人ずつの書かれたものを見て、そこに赤ペンで指導していきます。
ここで書き方のコツを教えていただいた文字は見違えるほどきれいになりますが、他の文字とのギャップがあります。
でもこうやってきれいに書くことができる文字がひとつずつ増えていって、自分でも練習することによって全体が変わっていくのだと思います。

すごく集中して、もっときれいな文字を書きたいと思って気合いを入れて文字を書いていると、その万年筆の持つ性能が見えてくることがあります。

自分が持っている万年筆の中で、一番高価なものを使いたいと思いますが、どの万年筆がペン習字に向いているのかはすぐに分かってしまいます。

ペン習字に参加されている方それぞれ使われている万年筆は違っていて、使い手によって向いたものがあるのだと思いますが、一番評価が高いのはペリカンM800のEFペン先です。
長くハードに書くことにおいて、最高のバランスを持った万年筆というのはペン習字においても良い使い勝手を見せるのだと、さすがペリカンM800だと唸りました。

一方私は、線の美しさや繊細さが必要なペン習字には日本のメーカーのものが合っていると思っていて、プラチナブライヤーやパイロットシルバーンばかりを使っています。
講師の堀谷先生も国産派で、セーラープロフィットスタンダード21と出会ってご自分の文字が変わったと言われます。

数ある万年筆の中でも比較的地味で、取り上げられるべき特長の少ない万年筆だと思っていましたが、堀谷先生のお話を聞いて納得しました。

プロフィットスタンダード21は、セーラーの代表的なモデルプロフィット21の小型版で、ボディの直径が10mm、全長で150mmプロフィット21よりコンパクトにできています。
ボディはコンパクトですがペン先には21金が使われていて、14金のものよりも上質な書き味を持っています。

堀谷先生がプロフィットスタンダード21に惹かれたのは、上質な書き味もそうですが、先生の独特の筆記スタイルがコンパクトなサイズを求めてのことでした。
堀谷先生は万年筆を持つ時、ペン先の根本近く首軸の先端を持ちます。
なるべく紙の近くを持って万年筆をコントロールしたいということだそうですが、ペン先の大きな万年筆でしたら指が紙からその分遠くなってしまいますので、ペン先の小さな万年筆が使いやすいそうです。
そして、先端を持って書かれるのでボディはなるべく短く軽いものがよく、プロフィットスタンダード21はそれらの条件にピッタリ合うそうです。

上質なペン先を持ち、軽く小さなペン先の万年筆と考えてみると他にあまりなく、プロフィットスタンダード21に代わるものがないことが分かります。
ボディやペン先は小さなサイズがいい、でも上質なものでないとフィーリングが悪いし、愛用のものになった時に長く使うことができないという願望に叶ったセーラープロフィットスタンダード21は、きれいな文字を書くことができる万年筆の筆頭だと言えます。

堀谷先生の万年筆での作品のほとんどはこのプロフィットスタンダード21で書かれていて、その作品は高い評価を得ています。

⇒プロフィットスタンダード21
⇒ペリカンM800