アウロラ 大陸シリーズの魅力

アウロラ 大陸シリーズの魅力
アウロラ 大陸シリーズの魅力

石のついた指輪をする習慣がない。
それはお守りだったり、願いだったりと個人的な想いがこもったもので、それをする習慣のある人を少し羨ましく思うこともあります。

アウロラ大陸シリーズアメリカのキャップトップにつけられた石レッドジャスパーは、北米、中米、南米などで産出される貴石で、身を守ると言われている、いわゆるパワーストーンだとか。
指輪をしない代わりに、こういう石がついた万年筆をお守り代わりに身に付けるのも、万年筆のひとつのあり方だと思います。

アウロラ大陸シリーズ第4弾アメリカが発売になりました。

アフリカ、アジア、ヨーロッパと続いている人気シリーズだけに、次は何大陸をテーマにしたものを発売するのか憶測を呼んでいましたし、新作が出ても良さそうな日程を過ぎても発表されないことから、もう発売されないのではないかという心配する声も聞かれていました。
中にはこのアメリカ大陸を予想された方もおられたかもしれません。

過日私のブログで、これはアメリカ合衆国を中心とした北アメリカ大陸だと申し上げましたが、実は誤報で今回の大陸シリーズのテーマは南北アメリカ大陸でした。

実にいい加減な話になってしまいますが、そう言われてみればボディカラーは単純な赤と青ではなくもっと深みのある複雑な色合いで、そんなところが南米ぽいかな?と思わせますし、キャップリングのモチーフにはちゃんとコンドルやナスカの地上絵も刻印されています。

毎回大陸シリーズのリングが見所のひとつとなっていますが、このリングのフレームとなっている紋のような柄がとても良い雰囲気を出していると思いました。
私を含めてこのアメリカの写真だけを見た人は、数年前のペリカンの史跡シリーズピカデリーサーカスと似た色合いだと思われたかもしれません。
しかし現物を見てみると、全く異なる発色、柄の奥行きで、ペリカンを連想することのない、別の魅力のあるペンです。

ペン先もボディの基本的な形も同じで、ボディカラー、キャップリングなどを変更しただけのアウロラの限定品がなぜ皆さんの気持ちを動かすのか少し不思議な気がしますが、それは前作との変更点について冷静に分析すればこそ思うことで、アウロラの万年筆の良さを知る者として立場が変わった時、やはり前作のエウロパと近作のアメリカでは「全然違う」ということになります。

私は大陸シリーズに代表されるアウロラの作る限定万年筆はやり過ぎた所のない、安心して使えるところが魅力だと思っています。
面白みはあるけれど使い辛い仕様だったり、非常にアバンギャルドな設えだったりすると、コレクターズアイテムとしては面白いかもしれませんが、実用的には疑問が残ってしまう。
アウロラの限定品の魅力、それは「使う」ということが前提になっているというところです。

アウロラの万年筆を語る上で無視できない、オプティマ、88の定番の万年筆の書くことにこだわった良さがあるからこそ、アウロラは信用され、その限定品は多くの人の気にかかるのだと考えています。