旅ノートのススメ

旅ノートのススメ
旅ノートのススメ

一昨年のヨーロッパ旅行の時、ライフの本麻ノートに書き込んだり、地図を貼ったりしていた旅ノートはいまだに宝物です。

そのノートのページをパラパラとめくると当時の旅のシーンや気持ちが鮮明に思い出され、もしかしたら写真よりも自分には合っている記録なのかもしれないと思っています。
ヨーロッパの旅ノートが一番充実しているのはプラハのページで、一人で別行動をしたので、公園のベンチやファーストフード店でノートを書く時間ができたからでした。

プラハの街には私が探すステーショナリーを見つけることはできないと諦めて、散策に切り替えて街中歩き回りました。
フリータイムの締めくくりに訪れたタワーは観光市街地から遥か遠くに見えていて、そこまで冒険しようと、闇雲に路面電車を乗り継いでたどり着いたダウンタウンの中にありました。

タワーからの眺めを1時間くらい東西南北くまなく見て、プラハの街の景色を目に焼き付けたいと思いました。

ヨーロッパ旅ノートの成功は、ノートは用途別の方が良いということを私に教えてくれました。
たどり着くのにものすごく時間がかかった答えだったけれど、厚く立派な手帳に人生の全てを書き連ねるのではなく、用途によってノートを替える方が自分には合っていると悟りました。

ゴールデンウィークに旅を計画されている方も多いと思いますが、特別な旅のために、それが特別に思えない旅でも、旅ノートはその旅を特別なものにしてくれるのではないかと思いますので、ぜひお勧めします。

ノートはあまり大きくない方が手荷物に入れやすいのですが、あまり小さいと地図や切抜きを貼ることができないので、B6からA5サイズ辺りが適当かと思われます。
ライフのポケットノートはページ内にあるポケットが、バラバラになるチケットなどの小紙片を入れておくのにちょうど良いし、本文がポケットによって3つのセクションに分かれているので3つの旅の記録にしても良いし、目的地別に分けることもできる。
紙質は大変滑りがよく、気持ちよく書くことができますが、インクによってはわずかに裏抜けするものがありますので、気になる方はブルーブラックなどのインクを使う工夫が必要ですが。

大和出版印刷のCIROの正方形ノートなどはしっかりとして製本とモノとしての魅力から、何かに使いたいと思っていましたが、1つの旅だけでなく、出る度に持っていくような長い年月付き合えるような用途である旅ノート適しているかもしれません。

こういった旅ノートに書く万年筆は、やはりプラチナのブライヤーです。
プラチナのブライヤーを旅ノートに使い出したのは、(1)インクとの相性によってはにじみが出る本麻ノートににじまず書けるプラチナのブルーブラックを、手軽に持ち運べるカートリッジで使うことができるということ、(2)キャップの仕様が、取り出してサッと書いてすぐにしまえる勘合式であるなど、実用的に考えた結果でした。
でもそれに加えて、ブライヤーという木の風合いなども旅に合っていると思い、私にとっての旅万年筆はプラチナのブライヤーと決まっているのです。

数ヶ月前、アウトドア雑誌Be-PALに当店が紹介されましたが、旅=冒険と万年筆は決して無関係ではないと思っています。