カンダミサコ「風琴マチ名刺入れ」とあじ名刺

カンダミサコ「風琴マチ名刺入れ」とあじ名刺
カンダミサコ「風琴マチ名刺入れ」とあじ名刺

大和出版印刷の活版印刷の名刺「あじ名刺」は、派手さはないけれど、ひとつひとつの文字に力強さがあって、とても味わいのある大人の名刺だと思います。
この名刺を渡して気付いてくれた人がいると、この名刺について語りたくなるし、相手が気付かなくても活版印刷についての説明をしたくなる。

初対面の人との雰囲気を和やかに、心を近付けるのにも役立つものだと考えると、あじ名刺は相手に自分の名前や立場を知ってもらうという名刺の役割以上の効果を持っていると思います。

当店でもあじ名刺の受付をしていて、すでに多くの人に名刺を提供していますが、ビジネスでも使うことができる大容量の名刺入れがありませんでした。
あるお客様に、「名刺印刷を受けているのに、名刺入れは扱っていないの?」と指摘されたりしていて気になっていたのですが、やっと名刺れらしい名刺入れを揃えることができました。

あじ名刺を収納するのに相応しい品質と設えを持っている、カンダミサコさんの風琴(ふうきん)マチ名刺入れです。
革はル・ボナーさんなど多くの革職人さんが使っているブッテーロ革で、油分を多く含んだタンニンなめしの革で、布やブラシで手入れしながら使い込むとピカピカの艶が出てくれるのが特長です。
傷が付いても、指で擦ったり、革用のブラシをかけたりすると、消えたり、薄くなったりする。
しなやかなブッテーロ革の特長を生かし、さらに風琴マチという技術を盛り込んだことがこの名刺入れの一番の特長で、たくさんの名刺を収納することができるのに薄くなっていて、それが風琴マチの効果です。

風琴マチという蛇腹状のマチをつける技術は革を薄く剝いて、張り合わせなくてはならず、とても難易度の高いものですが、カンダさんはさりげなくこれをやってのけます。
見た目はシンプルでオーソドックスな名刺入れのスタイルでありながら、実は手間と高度な技術が込められた一味違う仕様になっているところは、活版印刷という職人の腕によるところがその出来栄えを左右するあじ名刺と近いものを感じます。
テクニックや仕様が先にあるのではなく、理想的な製品の形があって、それを実現するために技術を駆使する。

そんなカンダミサコさんらしいスマートさと腕の良さ、丁寧な仕事が感じられる名刺入れです。

*活版印刷名刺「あじ名刺」は店頭にて見本帳をご覧いただいております。興味がおありの方はお問い合わせ下さい。