15年ほど前、多くのお店の定番から、メーカーの製品ラインナップから、B5サイズのファイルが急速に消滅しました。
それは単純に紙が大型化したからだと言ってしまえばそれまでですが、コンピューターの打ち出しによるA4サイズの社内用紙が、B5サイズの手書きに代わりほとんどを占めるようになったためだと考えられます。
そこから逆に考えると、手書きにはB5サイズが適していることになり、A4サイズの紙に文章を書いて収まりの悪さを覚えたのはそういうことだったのかと思いました。
実際、万年筆で文章を書くのにB5サイズはちょうど良く、太字の万年筆で書いても、細字の万年筆で小さな文字を書いてもそれなりに収まってくれるのではないかと思います。
身の周りにあるB5サイズの筆記用紙、原稿用紙、大学ノートなどを使って顧みてみると、一行の分量・見渡せる範囲などがいかに使い易いものであったのかが分かります。
それらを机に置いてみても(環境にもよりますが)邪魔にならない最大の大きさは大学ノートを開いたB4なのではないかと思います。
今まで規格のサイズから外れるからと、選択する候補にも挙がらなかったB5サイズというキーワードで紙製品について考えると、バリエーション豊富にいくつも浮かび上がります。
定番のキャンパスノート、ツバメノート、当店定番で2種類の罫線が交互にあるライフのデュエットノート、綴じ方に特長がある薄型の活版印刷ノート、原稿ノート、満寿屋の原稿用紙、無地の試筆紙など。
B5サイズの紙製品の使い方は、1冊に何でも書くのではなく、用途によって使い分ける方が向いていて、内容別に使い分けているそれらをその日の予定や必要に応じて持って出る。
学校での科目ごとにあったノートのようなイメージで使い分けるのがこれらのノートの正しい使い方なのかと思います。
WRITING LAB.の革封筒の存在がそれらのB5サイズの紙製品を使いやすくしてくれます。
原稿用紙、大学ノート、当店試筆紙などのB5サイズの製品は他のノートやファイルと大きさの違いから、使いづらく敬遠していたところがありましたので、そういったものをまとめて鞄に入れたり、そのまま持ち歩いたりすることができる革封筒はひとつのファイルだと言っていいと思います。
そして何より、持って歩く姿がかっこいい。
上質な栃木レザーのボーノアニリン革は、私とRiver Mailの駒村氏とともに四天王寺にある革問屋さんを訪ねて厳選して、その色気や手触りが気に入って決めた革です。
しっかりとした硬さもある革なので、ふた部を省いて取り出しやすさ、シンプルな造形にこだわった革封筒に非常に適しています。
ステッチなしの張り合わせ加工で仕立てていますので、縫い代や折り返しのデッドスペースが内側になく、バラの紙を入れても端がよれたりすることがありません。
B5サイズにすることによって、使う人を限定してしまうけれど、手書きにこだわる当店やWRITING LAB.ならでは革封筒なのです。