パリッとしすぎない、ザックリした質感のものが私の好みのようで、様々なものにそういう要素を求めます。
木で言うとウォールナットが特にお気に入りで、質感、木目などがとても好きです。
工房楔(せつ)の永田さんが使う素材の中では比較的おとなしめで、こげ茶色の色目のためにより静かな印象を受けます。
でも例えば日々水拭きなどの手入れをしてやると木肌は艶を持ち続けるし、木目も際立ってくる。
木質は硬く丈夫なので、様々なものに使うことができますが、特に家具に使われることが多いのは以上の理由が多いのと、個体差が少ないからなのだと思います。
当店にも京都のリバーメールにも展示している工房楔とライティングラボとの共同企画のデスクはウォールナットですし、当店のお客様用のテーブルも私が一日中座っている丸椅子もウォールナットです。そして私が使っているコンプロット10もそうです。
個人的な好みに依るところが大きいのですが、机上用品にもウォールナットを提案したいといつも思っています。
万年筆専門誌「趣味の文具箱」にも取り上げられたことがある、人気のペンスタンドパラーレもウォールナットをメインに使っているし、地味だけど実はこういうものが一番使いやすいと思っている箱型の銘木デスクトレーもウォールナットの無垢材の良さで際立っています。
机上用品はペンと違っていつも手に触れるものではないけれど、使い方、手入れの仕方で素材の良さが表れてくるのには相違ない。
繊細な素材ではないので、簡単な掃除の延長のような手入れで済むところがウォールナットの良さで、まさに机上用品にピッタリの素材だと思っています。
お客様のOさんから、良い木を使った写真立てがあれば嬉しいと以前にご提案いただいたことがあって、それが頭の中にずっとありました。
フレーム型の写真立てならたくさんのものが木で作られて販売されているので、何か私たちらしいものがあればとWRITING LAB.で企画したのが、ポストカードや写真を立てることができて、ペンも置くことができる「借景のペンレスト」です。
前に置くペンに合わせて、背景となるポストカードを選んだりして、机上の風景に彩を与え、仕事中の癒しになったり、朝出かける時にこのペンレストからペンを取り上げる時に気持ちに爽やかな空気が入ればと思いました。
私が好きなウォールナットを中心に、他の素材も揃えてもらいました。
栃は色変化が大きい素材で、日々変わっていく様子を楽しめますし、黒檀は木目から想像できる通り、硬く重い木なのでしまった印象を受けます。チューリップウッドは柔らかく明るい印象で、使い込むとピカピカの光沢を帯びてきます。こういうものにチューリップウッドを使うことは珍しく、大きな素材を見てなかなか貴重なものだと思いました。
工房楔のイベントを4月6日(土)に開催します。
新作中心のイベントで、この借景のペンレストや万年筆など新たに企画、製作したものをお披露目するために、岐阜から永田篤史さんが当店に来られます。
ご来店いただけましたら楽しい時間を過ごしていただけると思います。