雰囲気のあるステーショナリーを使いたいと思っています。
それはステーショナリーに限らず、自分が使うモノ全てに対して思っていることですが、そういうモノを持つことで、自分自身も雰囲気の良い大人になりたいと思うからです。
少し前になりますが、お客様からの愛用している万年筆に関する文章をご寄稿いただいた、「文集雑記から2~一番愛用している万年筆」を発売していますが、そこに書いたいつも使っているペリカンM450は、私にとってそういうモノのひとつです。
それが証拠に、私がM450を使うのは電車の中やカフェなどの人目があると思うところで、誰も自分を、自分のペンなど見ていないと思いながらも、良い雰囲気に見られたいという邪心が表れていたりする。
文集の中では、その太字のペン先による書き味の良さを褒め称えているけれど、そのペンが自分を実際よりも良く見せてくれるような錯覚を起こさせてくれる雰囲気を持っているところも気に入っています。
今ではそういった邪心もありますが、もともとはただ書くことが好きで、それは万年筆を知る前からでした。
ボールペンしか使っていなかった時でも書くことは私にはとても楽しい作業で、万年筆の味を知って、書くことがさらに濃厚な楽しみのある遊びになっていきました。
その辺りのことを他の人はどうだったのだろうと知りたくて募集していたのが、文集雑記から第1号「はじめての万年筆」でした。
後から読み返して、もっと上手く書けたのにとか、もっと面白い話ができたのにと思っても活字になったものは修正が利かない。
後から修正できるデジタルなものとは違う緊張感がそれにはあって、それもこういったものの良いところだと思いました。
第2号の「一番愛用している万年筆」は、持っているもの全て愛用していること、どれか1本に決めることが難しいことは、自分がそうなので充分に承知していましたが、それでも1本を決めて、1本の万年筆についてその想いを書いて欲しいと思いました。
それはきっととても楽しい事だと思ったので、皆様と一緒にしたかった。
それぞれの方の文章を何度も読み返して、ここに語られている全ての万年筆に私も愛着を感じましたし、その文章にも愛着を持っています。
これは皆様の力をお借りした、当店のオリジナル商品だと思っています。
ちなみにこの文集の順番は、万年筆順になっていて、イタリア製、ドイツ製、日本製と進みながら、同じ万年筆・同じメーカーがあればそれらをかためていて、それぞれを比べながら読み進める楽しさもあると思います。
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