シンプルにコンパクトに~WRITING LAB.オリジナルペンケースピノキオ~

シンプルにコンパクトに~WRITING LAB.オリジナルペンケースピノキオ~
シンプルにコンパクトに~WRITING LAB.オリジナルペンケースピノキオ~

オリジナル商品を作る作業は、自分たちが今まで見てきたものの中の良いと思っているものの引き出しがどれくらいあるかが試される場面だと思っています。
たくさんの古いものを知っている人はアイデアも多いし、それが少ないとすぐに行き詰まってしまう。

自分たちの引き出しの中を探して、その時のものに合うアイデアを合致させる。
史料やたまにお客様がお持ちの90年代以前の古い革のペンケースはほとんどがペンにジャストサイズのコンパクトなもので、それらはきっとそのペン専用のペンケースなのだと思います。
汎用のペンケースよりもそれしか入れることのできない専用のものの方が、今見ると贅沢な気がして、使っていて楽しい気がする。
それをWRITING LAB.で企画して、シンプルにコンパクトにと、古いペンケースの考え方を現代に甦らせたものが、2本差しペンケースピノキオです。

ピノキオはペリカンM400系の万年筆にしか使うことができないペンケースです。
M400系と書いたのは、M400サイズの万年筆には多くのバリエーションが存在するからです。
当店では字幅の太いM400を手帳にも使いやすい太さに研ぎ出す「細字研ぎ出し」を始めましたが、こういったものを含めると、M400系のバリエーションはさらに増えていきますので、専用と言いながらピノキオに入れることができる万年筆は多く存在するということになります。

ピノキオに使用している革のバリエーションは、サマーオイルとコードバンです。
サマーオイル革は、牛革の中でも私たちが最も好きな革のひとつで、ネットリとした質感、濃厚な色合いの滑らかな手触りの色気のある革です。
良いものを手に入れるにはやや苦労しますが、なるべく使っていきたいと思っています。
良いものを入手に苦労する点ではコードバンも同じで、コードバンの中でも張りと艶があり、厚みもあるホーウィン社のものにこだわっています。
今まで通りベラゴの牛尾さんに製作していただき、シンプルな形だからこそ、牛尾さんの細かいステッチなど確実な仕事が光っています。

万年筆が今の形になって130年ほど、それを販売するお店はどこも、私たちがやっているようなことをしていて、ずっと繰り返されてきたことを私たちはしているだけだと思うことがあります。

きっと、自分たちがしていることもすぐに万年筆の歴史の中に埋もれてしまうのだと思うと虚しくなりますが、そういうことを繰り返すことが人間の営みなのかも知れない。でもその時輝いていることが大切なことで、活動している限り輝き続けたいと願っています。

⇒WRITING LAB.2本差しペンケース ピノキオ コードバン