当店の新しいシステム手帳リフィルのブランド筆文葉(ふでもよう)に賛同してくれたカンダミサコさんが、新たにシステム手帳を作りました。
書きもの愛好家金治智子さんとリフィルを作るので、システム手帳を作りませんかとカンダさんに伝え、金治さんからの平らに開くものを、という言葉を受けて、試行錯誤して下さったものが今回のシステム手帳です。
しばらく考えさせて欲しい、アイデアが浮かんだら作りますと言った数週間後には、ほぼ完璧な試作品が出来上がりました。
初めてこの手帳を手にとった時、まず美しいと思いました。
縦横比が手帳の黄金比(が存在すると私は思っている)になっていて、背表紙は緩やかにカーブしている。ペンホルダーや装飾は付けず、むしろ使う人にカスタマイズを楽しんでもらえる自由度の高いシステム手帳です。
そして一番の特徴は、今までのシステム手帳とは全く違った構造にあります。
平らに開き、表紙を折り返しても使うことができる。それができるのは、リングの取り付け方を工夫しているからです。
左側の後ろ表紙でのみリングを固定しているため表紙が180度以上開きますが、その構造により左側にポケットができました。
このポケットも活用できそうです。背表紙の丸みもこの構造のために生まれています。
11㎜リングというシステム手帳用の金具としては細めのもので、それにより手帳を薄くできて、携帯性も高くなっています。
しかし、細めのリングは携帯性が高い代わりにリフィルがたくさん入りません。逆にリングが太くなるとリフィルは入るけれど、重く、大きくなって携帯に不向きになります。
システム手帳のリングにおいてこんなジレンマがありますが、携帯性に優れた細めのリングを持つカンダミサコシステム手帳を使いこなすには、手帳を薄く保つことがコツなのかもしれません。
・ダイアリーはウィークリーではなく、マンスリーを使う。
・収納するリフィルの枚数はなるべく少なくする。
・書いたものは別のバインダーに保存する。
以上のようなメンテナンスを心掛けると、薄型のシステム手帳でも十分お仕事でお使いいただけると思います。
筆文葉のリフィルは、最近の流行に逆行する少し厚手の紙で、書いた時紙の感触が手に伝わり、インクの風合いも紙に表れます。
でも色々なものを使ってきた人こそ、こういう紙を使いたいのではないかと思っています。
カンダミサコシステム手帳もまた、以前システム手帳を使っていて、綴じ手帳に移行した人がまたシステム手帳に戻るきっかけになるものだと、自信を持ってお勧めします。