イベント後の入荷で、工房楔製作の当店オリジナル企画であるこしらえがたくさん入荷してきました。
こしらえはパイロットカスタム742、カスタムヘリテイジ912の首軸から先のペン先ユニットを使うことができる銘木製の万年筆ボディで、ネジ、キャップリングなどのパーツがエボナイト、ステンレス、真鍮の3種類のものを用意しています。
木もそれぞれの材で質量の差があるため、重量が違ってきます。
これを材による重量の違いを楽しむことも木を楽しむことだと、ありきたりのことを言ってはつまらない、それぞれのものに使う意義を見出すようにできるのではないかと思っています。
その重量感によって用途を振り分けることができるのかもしれないと思い始めました。
例えば、手紙などある程度太い字幅でゆったり書くような用途には重めのペンで、その重量を活かしながら力を抜いて書くのが合っていると思います。
ペン習字などは軽めのペンで、指先でコントロールして繊細に書き分ける。
手帳などに細かい文字を書くのも軽めのものの方が合っている。
ペン先の柔らかさもボディ重量によって合うものがあるのかもしれません。
ボディが重めの方がペン先の柔らかさが感じられるけれど、柔らかいペン先には軽めのボディの方がコントロールしやすいのではないかと思います。
以上のことを念頭に置いて、現在ラインナップしているこしらえについて考えてみました。
こしらえは、総重量(ペン先、コンバーターを含めた)が40グラム代(重め)、30グラム代(標準)、20グラム代(軽め)の3つのチームに分けることができます。今ホームページにご紹介しているこしらえをグループ分けしてみました。
・重めのグループ(40グラム代)
真鍮金具ブラックウッド(44~47g)、ステンレス金具ブラックウッド(44.5g)、ステンレス金具ローズこぶ杢(42.6g)、ステンレス金具楢(40.9g)、ステンレス金具花梨(40.9g)
・標準のグループ(30グラム代)
真鍮金具チーク(39.8g)、ステンレス金具チーク(39.5g)、真鍮金具キューバマホガニー(37.8g)、真鍮金具ハワイアンコア根杢(36g)、ステンレス金具ハワイアンコア(35.1g)
・軽量のグループ(20グラム代)
エボナイトパーツ花梨紅白(26~28g)、エボナイトパーツホンジュラスローズウッド(28g)、エボナイトパーツキューバマホガニー(27g)、エボナイトパーツハワイアンコア(24g)
パーツの素材によるところも大きいですが、木の素材によってかなり重量は違ってきます。
フォルカン(FA)や、細軟(SF)、中軟(SM)など、かなり柔らかめのペン先は、軽量か、標準のグループで使うと扱いにくさが軽減されて、コントロールしやすくなりますし、中、太、極太、コースなどは重めのグループのものを使うと、より力を抜いてゆったりと書くことができるということになります。
ポスティング(PO)というかなり細くて硬いペン先がありますが、これは例外で、細かい文字を書くという用途を考えると軽量か標準グループのボディが使いやすいと思います。
以上は重量ごとに割り振ったもので、その割り振り方は私の独断と思い込みによるものなので、自由に組み合わせを選んでいただけたらと思いますが、何かの参考になればと思い、考えてみました。