万年筆をたくさん持ち歩くのもいいけれど、今日使うと朝選んだ万年筆を1本だけ持ち出すためのペンケース。
革の色によって印象は変わり、ドイツ製の黒軸の万年筆はレッドやブラックのレッドステッチなどの鮮烈な印象の色を、イタリアの万年筆にはトープやキャメルにグリーンステッチなどの薄めの色が合う、と独断と偏見で思っていますがそう外れていないのではないだろうか。
チョコやワインは当店のコンチネンタルのシリーズと相性が良い。
このペンケースに使われているブッテーロ革は、使い方やお手入れ次第でかなり違いが出てきますので、私がお勧めしたいのは「革用ブラシをかけること」です。
少しくらいの傷ならブラシ掛けで消えてくれるし、粒が立ったようなキラキラした輝きを持ってくれます。
もっと優しく、乾いた布で優しく撫でるという手入れもあります。
すぐに効果は出ないかもしれないけれど、気付いた時にハンカチなどで軽く撫でるように磨く。そうした時のエージングの美しさはもとの状態の数倍にもなると思います。
もう今回入荷分は色数が少なくなってしまいましたが、また入荷しますのでぜひお手に入れていただきたいと思います。
絞りのペンケースは、ブッテーロ革を2枚重ねて熱を加えながら絞ることで革を形作る技法で、革が硬いシェル構造になりますので、一般的な革を縫製するペンケースよりも、丈夫で中身を守るペンケースになります。
当店は開店間もなくからこのペンケースを扱ってきましたが、絞り加工を施していた職人さんが高齢で引退されたため、作れなくなってしまいました。
それからル・ボナーの松本さんが粘り強く、様々な実験、試作を重ねて量産にこぎつけることができました。
今回1本差しのみ入荷しましたが、3本差しも入荷してくる予定です。
1本差しはキングプロフィットなどオーバーサイズのペンまで入り、3本差しにはペリカン146などのレギュラーサイズのペンまではいりますが、ペリカンM1000も入れることができます。
開業したばかりの頃の当店は商品数も少なく、特長もありませんでした。
そんな中でル・ボナーの松本さんが出来上がったばかりの絞りのペンケースを販売させてくれました。
他所では売っていない、素材が良く、縫製などのクオリティも高いこのペンケースはとてもよく売れました。
そういう商品があるというのは、開店したばかりの店には大変有難く思いました。
松本さんは当店で売るためにこのペンケースを開発してくれたのではないかと思ったくらい感謝していて、そのペンケースをまた販売することができることに、感慨深いものがあります。