長いペンを持ち運ぶ ~長寸万年筆ケースのご案内~

長いペンを持ち運ぶ ~長寸万年筆ケースのご案内~
長いペンを持ち運ぶ ~長寸万年筆ケースのご案内~

スチールペン先で、それほど高いものではないけれど、デスクペンと言われる万年筆が日本の各メーカーのカタログに載っています。
スチールペン先のせいか、書き味はそれほどでもないけれど妙にバランスが良くて書きやすい。
ペン習字などでよく使われているのも分かります。

デスクペンについて考えた時、いつも加藤製作所の加藤さんのことを思い出します。
もう13、4年前の話になりますが、大西製作所の前身である加藤製作所の加藤さんが万年筆の尻軸に交換して使うことのできるデスクペンパーツを試作していて、「こういうふうにするとなぜか書きやすいんや」と、デスクペンの書きやすさについて話しておられました。
その後加藤製作所のデスクペンは試作の域を出ず、あまり多く世に出ることはなかったけれど、80歳を超えていた加藤さんが誰も作っていないようなものを作ろうとして、休日に新しいアイデアを試していたことに、当時若かった私は刺激を受けていました。
今では中屋万年筆のシガーロング、プラチナ出雲や、当店でもまだ在庫があるけれどセーラー100周年記念島桑などの長いペンはとても書きやすいバランスを持っている。
ボールペンでもデスクペンタイプのものは妙に書きやすい。ゼブラにバンカースという定番ボールペンがあったけれど、今もあるのだろうか?

そんな書きやすい長いペンの欠点は、ちょうど入るペンケースがないということです。
長いペンは使いやすいので、ペンケースなど何かに入れて持ち歩きたいと思うけれど、普通に販売しているペンケースはいくら長くても15cmくらいまでで、それ以上のペンは「長すぎるペン」として、どのペンケースにも入らない。
当店で6年ほど前にオリジナル長寸万年筆ケースというものがありました。
それは主に中屋万年筆のシガーロングの万年筆を収納するためのものとして発売しました。
当時、和の趣のある黒桟革で作っていましたが、コンチネンタルのシリーズ仕様のダグラス革で復活させました。
使いこむと艶が出て、ペンの出し入れで折り曲がった時のシワ感も景色になる。
エイジングを楽しめるダグラス革は、当時の和の趣きのそれとは全く違う魅力があります。普通のペンケースとは出し入れの方法が少し違っていますが、慣れると一瞬で出せるし一瞬でしまえます。
数年ぶりですが、長いペンを収められるペンケース復活のご要望は多くありましたので、それに応えたいと思いました。

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⇒2011.5.13「オリジナル長寸用万年筆ケース完成」