ジーパンを買いに行ったり、好きな店のひとつである林源十郎商店の雰囲気を感じるためにたまに岡山、倉敷を訪れます。
9月初旬の夏休みのうちの1日、岡山方面に行き、倉敷に立ち寄りました。
林源十郎商店を右(東)に出て、写真を撮りながら歩いていると、吉井旅館の手前に前回来た時にはなかった真新しい路地のようなところがあって、その路地を囲むような形で職人仕事の店がありました。
何となく入ると一番奥に万年筆のインクが並んでいるのが見えて、それに誘われるように入って行くとガラスペンの工房兼ショップでした。
ガラスペンについては以前から気になっていて、当店らしいものを探していましたので、早速試筆させてもらいました。
書き味がとても良いので聞いてみると、書き味の調整もしているとのこと。
折れても修理できるし、字幅の調整もできるのでもっと太く書けるようにすることもできるという。
すぐに店で扱いたいと思いましたが、突然の出会いでしたので、とりあえず頭を冷やすため、店のことは伝えずに神戸から来たとだけ言って、1本買って帰りました。
改めて店で書いてみてもやはり書きやすく、私が今まで書いたことのあるガラスペンとは全く違っていて、さらさらととても滑らかに書くことができました。
ガラスペンを作っていて、その店で一人で接客も担当している、江田明裕さんは岡山生まれの35歳のまだ若い作家さんで、構えたところが全くない、ナチュラルな物腰の、お話していてとても楽しい方でした。
学校卒業後、技術的な講習を受けた後、2004年に岡山で工房を設立し、2013年に県内の湯郷温泉でショップ兼工房を開設した後、2017年3月に現在の倉敷に移転されました。
倉敷に移転してから数々の出会いがあって、江田さんのガラスペンを扱うお店が出始めました。
私も江田さんが倉敷に出て来ていなかったらきっと出会っていなかった。
江田さんのガラスペンの特長は、銀や銅やその他の鉱物を使用した、見る角度や光の当たり方で色が変化する軸の彩色や、実用性も考えられているデザイン、そして私が魅了されたやさしい書き味です。
細字はかなり細めで手帳にも書けるくらいですが、さらさらと気持ちよく書くことができます。
今までこんなに書いていて、気持ち良いと思えるガラスペンに出会ったことがなかったので、その書き味を皆様に知ってもらいたいと思いました。
カラーのインクはもちろん、最近は銀粉・金粉の入ったシマーリングインクが増えています。そういったインクを使う時に、ガラスペンはインク詰まりを気にせず使うことが出来る。
インクを変えるのも手軽なので、インクノートを書く時にも便利だと思います。
軸のキラキラした透明感がとても美しく、それでいて実用的な江田明宏氏のガラスペンは、自信を持って新たにご提案できるものだと思っています。
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