11月20日・21日開催の神戸ペンショーに参加します。私は昼頃まで会場にいますが、それから徒歩10分の店に戻り、店を開けます。*店舗の営業は両日とも13時からになりますので、お気をつけ下さい。
神戸ペンショーで販売するものは
・蓮見恭子先生の新作小説「メディコ・ペンナ」
・ル・ボナーデブペンケース サドルプルアップレザー・プエブロ
・aun ガラスペン
・新作オリジナルインク虚空、稜線(金ラメ・銀ラメ)
・智文堂システム手帳リフィル(デザイナーかなじともこさんも参加されます)
・佐野酒店 手帳用項目スタンプ・マッチ箱スタンプ
・カンダミサコシステム手帳(バイブル・M5サイズ)と手帳用ペンホルダー(バイブル・M6・M5)*M6サイズは新商品です。
・オリジナル正方形ダイアリー、ノート
・限定製作シャーク革オリジナルペンレスト兼用万年筆ケース
などです。
ペンショーという場所で販売したいもの、当店として話題性のあるもの、新しいものを選んでいます。
毎日静かな店でひっそりと仕事していると、ペンショーというのは賑やかで、晴れやかな場所に思えます。来場されるお客様はもちろん、私たち店の人間にとっても非日常の特別な場所と時間。
そんな特別な時間とはかけ離れた、静かな日常にも愛着を持っています。
毎日の暮らしのサイクルの中でのささやかな楽しみは、本を読むことと字を書くことです。一日の終わりや休みの日にそんな時間を過ごすことができたら、充実した気持ちになれます。
私のような人は多くいると思うけれど、本はテレビを観るのと同じ娯楽だと思っているし、字を書くのも同じように楽しい。
趣味と娯楽のある静かな生活を送ることができたら、きっと私は何の不満もなく生きていけるのだと思います。
文字を書く楽しみの中に、1文字ずつその形を気にしながら書くというものがあって、何かのために書くわけではなく生産性のないものですが、これがとても楽しい。
万年筆を使う人には美しい文字に憧れを持っている人が多いと思いますが、私も実は中国の楷書の達人のような文字に憧れがあります。
誰もが感心してくれるような文字を書くことができないけれど、手紙においては書く文字によって、相手への尊敬と謙虚な気持ちを表現できたらと思い、一画一画を楷書で丁寧に書くようにしていて、きっとこれが今の自分らしい文字なのだと思っています。
でもやはり、トメハネハライをきちんと使った端正な文字への憧れは常にあるので、年末年始の休みに写経をして字の練習をしたいと思っています。
写経は筆でするものだけど、万年筆でしてみるのも面白いと思います。トメハネハライがきれいに書けて、始筆と終筆の線が鋭くきれいな万年筆としてはセーラーの長刀研ぎ万年筆が代表的な存在です。
長刀研ぎ万年筆で鋭い線が書けるのは、そのペン先の研ぎの形状によるところですが、セーラーの万年筆はたいていトメハネハライをきれいに表現しやすいようなペン先の研ぎになっています。もしかしたらセーラーの万年筆作りにおける思想なのかもしれません。
当店では、金ペン先限定になりますが、お客様のご希望でペン先を三角研ぎに仕上げることもあります。
Mくらいのペン先だと、多くのメーカーでは書き味は良いけれど、サインペンで書いたような変化のない線になってしまいます。
そういう万年筆を立てると細く、寝かせると太く書ける三角研ぎにすると、筆致が出て線に変化が出せる万年筆になります。
特にペン習字をされている方には好評な研ぎで、長刀研ぎより線が細いのもポイントのようです。
三角研ぎも長刀研ぎ万年筆も、文字の形を気にしながら一画一画気をつけて書く万年筆での書道に向いた、書くことを楽しむことにつながるペン先の仕上げです。
年賀状のシーズンでもありますし、年末年始の万年筆のある静かな時間を楽しく過ごすためにもこういう研ぎの万年筆で字を練習するのもいいと思います。