東大阪の会社「虹紙製作所」のステーショナリー部門、虹紙分室さんの銘木ステーショナリーの取扱いを始めました。
虹紙製作所は主に革職人の道具などを受注製作している会社です。
存じ上げていなかったけれど東京ペンショーにも出展されていて、昨年の神戸ペンショーの際にお声がけいただき、お取り扱いさせていただくことになりました。
不思議なもので、木製ステーショナリーを探していた時には見つけることができませんでしたが、諦めた途端出会うことができました。
一番の変わり種は銘木の鉛筆です。
本来、銘木の文具は触ったり磨いたりして大切に育てて経年変化を楽しみますが、削って使う消耗品の「鉛筆」にしたところに虹紙製作所の美意識がよく表れていると思います。
何てかっこいい思想を持った筆記具だと思って、私もすぐにこの鉛筆を使いたくなりました。納品まで待てず、無理を言ってその場でサンプルを売っていただきました。
硬い銘木なので小さな鉛筆削りでは歯が立たないけれど、たくさん削るのはもったいないので、電動鉛筆削りではなく肥後守のようなナイフで削るか、ハンドル式の鉛筆削りで少しずつ削りたい。
削って短くなっていくものだけど、磨いて艶も出したいし、削り方にもこだわりたい。そこまで気にして使った鉛筆は、きっと宝物のような存在になるだろう。
良い素材でずっと使えるものを作るモノ作りとは違う、「モノにはこだわるけれど執着しない」モノに対するダンディズムをこの鉛筆に感じます。
ウッドグレインユーティリティーナイフは、シンプルなカッターナイフで、角を落とし過ぎていない造形に洗練されたセンスが伺えます。
革職人さんは革包丁という専用のナイフで革を裁断しますが、それは歯の断面が直角三角形の片刃で、扱いにくいと思う人もいるようです。
カッターナイフは歯の断面が二等辺三角形の両刃で、革包丁よりも小回りが利いて使いやすい。
大型のL刃を使ったレザーユーティリティーナイフは、そんな職人仕様のカッターナイフで、細部の作り込みに遊び心を感じます。
刃を固定するダイヤル部分に木をあしらい、尻部パーツにハンドルと同じ木を使って締めるという凝りようです。
細部まで作り込まれたカッターナイフは、使うだけでなくただ触ったり、眺めるだけで楽しい。銘木を所有する喜びだけでなく、作り込まれた道具を手にする喜びもあります。
カッターナイフ類は大阪のNTカッターから正式に供給を受けて製作されていて、メーカーからも認められたモノ作りがされています。
虹紙製作所の、美意識や遊び心を感じさせてくれる銘木をモノに仕立てるセンスがとても好きで、今後の品数が増えるのを期待しています。