ペンショーや出張販売、週末はお客様がおられるので、店にとってはもっとも華やかな時間です。でもそれ以外の時間は準備や蓄積の時間で、店の仕事は地味な仕事の積み重ねで成り立っています。どんな仕事よりも大切な仕事は掃除と片付けだし、年に数回の棚卸しも店を管理する上でやらなくてはならない地味な大仕事です。
店の在庫をチェックして、ネットショップとの誤差をチェックしたりということも日常的にしないといけません。そういった仕事の上に万年筆のペン先調整や販売活動が成り立っています。
毎日の地味な仕事の時に決まって書き込む小さなメモ帳があればとても便利で、役に立つと思います。
ダイアリーやシステム手帳のような立派なものはこの場合使いにくく、気にせずに何でも書き込んでおけるものがいい。そしてそうやって書き込んだものは後で見返して役に立つことがあるので、残しておけるノート形式のものがいい。
リングノートだと折り返して開きっぱなしにして作業することができるので、こういった用途にはより向いていると思います。
そんな小さなリングノートはいくらでもあるけれど、少し良いものを使いたい。
Kデザインワークスの革表紙ノートは、A5とA6サイズのリングノートで、表紙の素材が柔らかい革でできています。使い切ったら表紙はそのままで中身を入れ替えてくれるサービスもあります。
本当に日常的によく使うものなので、贅沢な感じもするけれどこれくらいこだわってもいいのではないかと思います。
書いた後、切り離せるメモ帳も時には便利です。
切り離したメモを手帳に挟んでおいて後で転記したり、人に伝言を渡したりする。こういうメモは間違いのないようにするためのものだからケチってはいけない。どんどん使って、どんどん切り離したい。
当店が以前から作り続けている、革表紙のメモというものがあります。
土台にはとても厚くて硬いサマーオイル革を、表紙には柔らかくてめくりやすいミネルヴァボックスの革を使用しています。適材適所の革を使ったメモ帳です。
革表紙のメモの紙は試筆紙と同じものを使っているので、実は万年筆でも使いやすい。
ミネルヴァボックスはエージングする革で、使い込むと劇的に艶が出ます。
革を切りっ放しただけの縫製のないシンプルなメモは、カンダミサコさんが作ってくれています。鞄職人で、10本用ペンケース「モルトペンネ」も作られているカンダミサコさんがこのメモ帳の革を切ってコバを磨いてくれていると思うと、もったいないような気もします。
先日この革表紙のメモがお客様との筆談でとても役に立ちました。革製の上質な感じが丁寧な気がしました。手話ができたらもっと良かったのだけど、筆談も楽しかった。
ダイアリーとかシステム手帳などは華やかな存在だけど、一番よく使うのは筆記具を気にせずに書けるこういうメモ帳なのかもしれません。
日常的に使うものに少し良いものをご提案したいと思います。