システム手帳は自分で項目を作って、その分類に従って情報を分けて記録することができるので、工夫して使うことができて楽しく、便利なものでもあります。
分類することやページを作ることが好きな人なら、システム手帳をより楽しく使うことができると思います。
でも時にはそのオリジナルの分類が何かの都合で崩れたり、思ったより使わない項目があったりして、気を付けて管理しておかないと情報が散逸する危険があります。
浅田次郎の「蒼穹の昴」にある、”龍玉を天命を戴いていないものが手にすると、五体がこなごなに千切れてしまう”という伝説のように、システム手帳はその手帳の真の使用者でなければ、情報がバラバラに散逸してしまう。と言うとふざけすぎだろうか。
それはともかく、散逸をふせぐためには、時間の経過という厳然としたものを基準にする方が自然なのかもしれません。ページの進行、分類を日付順にした方が情報は散逸することはなく、後から探し出すことも時間の感覚を頼りにできる。
私はダイアリーを万年筆で書くことも好きで楽しんでいるけれど、結局は自分の好きな仕事がそのダイアリーを使うことでより効率的に進めることができたり、情報を漏らさず記録できるからこそ、使っています。
オリジナルダイアリーの各ページには当然このように使ってほしいというイメージがありますが、結局自分はそのイメージ通りではない、自分の仕事に合わせた使い方になっていきました。
自分のことになって恐縮ですが、私がダイアリーに書き込むことは、予定やToDoはもちろん、毎日の仕入額や売上、来店されたお客様のことまでかなりの情報量があります。
店というのはやはり華やかな場所であると思います。店で繰り広げられているのは、そのお客様が主人公である万年筆をめぐる物語だと思う。
それに居合わせた証人としてその出来事を記録しておきたいと思っています。
この店で起こった素晴らしい出来事を、思い出せる形でちゃんと書いておかないと、それらは過ぎ去っていく時間とともに自分の記憶から消えて行ってしまう。せめて私だけでもそのことをいつまでも覚えている者でいたい。
そしてお客様から聞いた情報やアイデアなどの多岐にわたる情報をダイアリーに書くことで、時間という分類の中で引き出せるようになっています。
自分の店がオリジナルで発売しているから使わなくてはいけないとは思わないので、自由に色々なものを使ってきました。
でも結局、自分の仕事の全てを書き込むことができるこのダイアリーから、違うものに換えることは考えられないと思っています。
このオリジナルダイアリーを使う人それぞれが、ご自分の使い方に合うように自由に使っていただけたら、そんな素晴らしいことはないと思っています。